今回はアメリカのポップメタルバンド”Danger Danger”の1991年発表の2nd Album「Screw It!」を紹介します。

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HR/HMファンは非常に閉鎖的な方が多いと思います。例えば俺はThrashしか聴かないとか、正統派が一番だとか・・・更にはジャンルを超え、下手糞なパンクなんてとか、甘ったるいポップなんてと批判までしていまう始末・・・。

私自身も好みは勿論ありますが、割といろんなジャンルの曲を素直に聴くように心掛けています。素晴らしい曲との出会いを聴かず嫌いで、後から後悔するのが単に嫌なだけなんですけどね。

閉鎖的だからこそ、当時のポップメタルで売れ線の”Poison”や”Warrent”、今回取り上げる”Danger Danger”も批判にさらされたりしていましたよね。

このアルバムは1991年発売でHR/HMが世界的に一番セールスの良かった時期で、ビルボードでもHMバラードがヒットチャートの上位を獲得していました。

新人の”Danger Danger”も1stがスマッシュヒットしたのは良かったんですが、やたらと完成度の高い楽曲に「本当に自分たちで作ってるの?」と疑問符がついたり、1st収録の『Under The Gun』が”Bon Jovi”の『Runaway』ソックリと批判されたり(実際はそんなに似てないと思います)・・・と、ここ日本ではさほど良いイメージを持たれていたHM/HRファンは少なかったような気がします。

かくゆう私もそうでしたが、メタル歴の浅い大学の友人が”Danger Danger”のアルバムを買っていて、「これ良いよ」と薦められ、聴かないのも悪いからと、とりあえず借りて帰ったんですが、自宅で聴いて本気で驚きました。

SEの『Ginger Snaps」から始まり、とにかく明るくてポップな『Monkey Business』で幕を開けます。以前にレビューした”SKID ROW” にも同名異曲がありましたが、全く違う曲調で、やっぱり軽いなとか、蔑んだ感じで聴いていたのですが、キラキラしたメロディに好感を持ちつつありました。

3曲目の軽快な『Slipped Her The Big One』、またSEの『C'est Loupe』と続き・・・ま、悪くはないね程度でしたが・・・。

続いて、哀愁あるメロディがギラリと光る5曲目のキラーチューン『Beat The Bullet』です。
この曲は衝撃的でした。
特にギターですね。テクニカルでありつつ、良いメロディを聴かせてくれます。いやあポップメタルの名曲ですよ。これは!

そして、6曲目はバラード『I Still Think About You』です。まあ、普通に良い曲です。やや単調な感じではありますが、まずまず惹き込まれます。

7曲目はアップテンポな『Get Your Shit Together』。

そして、8曲目はポップメタルの権化のような名曲『Crazy Nites』です。個人的にはそこまで好みではありませんが、この手のファンには堪らない楽曲だと思います。ここでもギターソロが良い感じです。

そしてギターインスト『Puppet Show』、シンガロング的でライブで盛り上がりそうなミドルテンポの『Everybody Wants Some』と続き、アルバム2つ目の山場です。

特徴的なギターカッティングで始まる『Don't Blame It On Love』。これは『Beat The Bullet』と対をなす、素晴らしいポップメタルの名曲です。構成もなかなか工夫されていて、それでいて単純に盛り上げてくれますし、いやあ何度聴いても素晴らしい曲ですね。

その後も、哀愁漂うギターからスタートするアメリカンロックの佳曲『Comin Home』(個人的にはもう少しサビでの盛り上がりが欲しいところですが・・・)、ハードドライヴィングで淡白で短い『Horny S.O.B.』、いかにもアメリカンロック的なバラード『Find Your Way Back Home』、お遊び的な『Yeah!! You Want It!』、『D.F.N.S.』と続き・・・

最後はボーナストラック扱いの『Just What The Dr. Ordered』です。『Crazy Nites』に近い感じでしょうか。とにかく明るいロックンロール系の曲なのですが、それでいてなかなかメロディも楽しめる佳曲に仕上がっています。

しかし、全体を通して、良質なポップメタルの見本のようなアルバムですね。発売から20年以上経った今、聴いても、このレベルのアルバムにはなかなか出会えないですね。SEとか、お遊び的な曲もあり、決してアルバムの出来が良いとは言いませんが、全体を醸し出すムードが良いです。例えるなら、メンバーに「肩肘張らずに楽しもうぜ」と背中を軽くたたかれているような感じですかね。

ダビングして、アルバムを返しに行き、その後、友人とLiveにも参戦しましたが、存分に楽しめましたね。

いろんな理由でパスしている方も多いと思うので、是非、一度は聴いて欲しい名盤ですね。 

スクリュー・イット!
デンジャー・デンジャー
SMJ
2014-09-03