今回の名曲レビューは”GIRL NEXT DOOR”の2008年発表の1st Album「GIRL NEXT DOOR」収録の『Winter Game』を紹介します。

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”GIRL NEXT DOOR”・・・皆さん、覚えてますか?

”GIRL NEXT DOOR”は大手レコード会社avexが設立20周年記念として、社運をかけるに相応しい大型新人アーティストとして、結成した音楽ユニットです。avexのスクール特待生だった"千紗"をメインボーカルにし、”day after tomorrow”でも活躍し、「歌スタ!!」の審査員もやっていたキーボード”鈴木大輔”、彼の友人でギタリストの”井上裕治”の三人組でデビューします。

2008年9月に『偶然の確率』でデビュー、その1ヶ月後には「Music Station」に出演。デビューから3ヶ月連続シングルを発売し、全て3位を記録。本年12月発表のデビューアルバム「GIRL NEXT DOOR」は全曲タイアップ付。そして年末にはレコード大賞の新人賞を受賞し、紅白歌合戦出場・・・新人としては異例の大抜擢が続き・・・って完全にavexの「ゴリ押し」ですよね。

オーディションで合格した”平家みちよ”が売れずに、不合格のメンバーを集め、CDを手売りさせ、デビューを勝ち取った”モーニング娘。”が大ブレイクしたのが良い例ですが、さすがにavexの「ゴリ押し」が露骨すぎて、「判官贔屓」の気質を持つ日本人には受けなかったですね。AMAZONなんかのレビューも音楽には関係ない酷評が多いです。

楽曲もメインはユーロビートの系譜のダンスミュージックというか、後半はいろんな音楽を取り入れ、迷走しているような感じでしたが、当初より、ユニットの音楽コンセプトも明確でなかったので、致し方ないですかね。

結局、”千紗”さんが競泳の”北島康介”と結婚し、わずか5年で”GIRL NEXT DOOR”は解散となります。とはいえ、純粋に曲を楽しむことが出来る方にとってはなかなか悪くないユニットだったと思います。

5th Singleの『Infinity』なんかはメロディが効いたダンスナンバーでなかなか良かったですし、1st Album「GIRL NEXT DOOR」は全曲タイアップに相応しいキャッチーな楽曲が一杯収録されています。個人的には本アルバムの冒頭を飾る、ややシリアスなメロディを持つ『Winter Game』が好みです。

”千紗”さんのストレートで甘くて強くもある歌唱は悪くないですし、キーボードの味付けも良いです。メロデイも充実していると思います。ギターソロもコンパクトで悪くないです。

苦言を呈すならば、アレンジが古いくさいのが残念ですね。”鈴木大輔”の作曲能力も”day after tomorrow”の頃がピークだったような気も・・・『Starry Heavens』とか『蛍火』とか良い曲が結構ありましたね。

”day after tomorrow”の”MISONO”もそうだと思いますが、上手いけど、声に特徴がないVoは聴いてて辛いですね。カラオケ番組とか、ライブなんかだと良いですが、音源ベースだとキツイかな。

まあ、そもそも”大型新人”とか、ハードルを上げすぎるとロクなことがないですよね。着実に階段を少しづつ上がって行く方が息も長い活躍ができると思いますね。avexが本ユニットで投資回収は出来てないように思いますが、ファンの共感を生むマーケティングであればもう少し結果は変わったような気がしますね。

マーケティングはあくまで手法論なので、当たる・当たらないはありますが、商品自体の”コンセプト”と”売り”が不明瞭だと厳しい結果を招いてしまうのは世の常ですね。

P.S.なんか批判的な文章になりましたが、avexは日本を代表するレコード会社ですし、今後も革新的なコンテンツを世に発信していって欲しいですし、『Winter Game』はメロディアス派にはオススメできる良い曲なので、知らない方は、まずはYou Tubeでチェックしてください。

GIRL NEXT DOOR
GIRL NEXT DOOR
エイベックス・エンタテインメント
2008-12-24