今回はアルバムレビューです。1983年発表の”尾崎豊”のデビューアルバム「十七歳の地図」を紹介します。

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”尾崎豊”は中学生の頃からリアルタイムで聴いていて、自分の人生にとっても重要なアーティストの一人です。最初に”尾崎豊”を知ったきっかけは多くの方と同じように『卒業』でしたね。

”斉藤由貴”、”菊池桃子”など、『卒業』の「同名異曲」がたくさんリリースされるという面白い現象が起き・・・2000年前後の『桜』ブームに近いですかね。いずれも今聴いてもなかなかの名曲揃いだったりするんですけど、やっぱり”尾崎豊”の『卒業』は中学生の自分にとってはインパクト十分でしたね。

『卒業』はシングルで買ったんだっけ、良く覚えてませんが、初期の”尾崎豊”の作品はレコードで今も実家にあると思います。2nd Album「回帰線」、そして1st Albumの『17歳の地図』を買ったのかなあ、順番も覚えてないですが、ハマッて急いで揃えた記憶はありますね。

中学、高校と”尾崎豊”信者のような人間が周りに一杯いて、一緒に『卒業』とか『17歳の地図』、『15の夜』なんかを放課後に歌ったり・・・って青春でしたね。

「17歳の地図」は初回プレス1,300枚でしたが、10年の歳月をかけ、ミリオンヒットを記録(これはオリコンの記録です)、今では累計300万枚を超えるセールスを記録している、凄いアルバムです。

ではレビューに行きましょう。

1曲目は『街の風景』です。途中、変拍子が入ったり、アレンジが変わっていますが、良いメロディですね。歌詞もなかなかカッコイイですね。

2曲目『はじまりさえ歌えない』はシングルカットもされた疾走系の曲ですね。メロディが薄味でそこまで好きじゃないかな。

3曲目は代表曲『I LOVE YOU』ですね。当時はそんなにピンと来なかったですね。当時は耳が肥えていなかったのもあるんでしょうけど、良いメロディなんですけどね。最近はいろんな場面で聴きすぎて・・・そこまで好きじゃないけど、やっぱり名曲ですよね。

4曲目は『ハイスクールRock'n'Roll』です。”HOUND DOG”の”大友康平”さんがコーラス参加していますね。これも『はじまりさえ歌えない』と同様にロック系の曲ですね。悪い曲じゃないですけどね。

5曲目はこちらも代表曲『15の夜』ですね。不良でもなく、真面目に学校に通っていた私でも、共感できる歌詞でしたね。その情景が浮かぶリアルな歌詞、尾崎の歌の生々しさですかね。曲自体はフォークの範疇に入る曲だと思いますが、尾崎の歌唱もあって、フォークというジャンルを超越して、凄いカッコイイんですよね。本当に凄い曲だと思います。後半の言葉がやや多いところも良いフックになってますね。間奏、後半で聴けるサックスソロも良いですねえ。計算してやっている感じはしませんが・・・。

レコードだとここでA面終了。ここからB面に移ります。

6曲目はタイトルトラック『十七歳の地図』ですね。疾走感のあるロック曲ですが、メロディが充実していて、最高ですね。当時は一番好きだったな。同路線の「回帰線」収録の『Scrambling Rock 'n' Roll』なんかも好きでしたけど、今、聞き比べると後者に比べるとメロディが遙かに充実していると思います。

続いて、『愛の消えた街』ですね。これはなかなかの佳曲ですね。メロディ、詞ともになかなかの出来です。本作ではさほど目立ってないですけど、結構好きです。

そして8曲目は後にドラマ主題歌にもなった代表曲『OH MY LITTLE GIRL』ですね。しんみりと良いメロディですね。これも当時はピンと来てなかったなあ。バラードなんてって突っ張ってたのかな? 尾崎のバラードだと3rd Album収録の『Forget-me-not』が一番好きですが、メロディや構成が似てますよね。

9曲目は『傷つけた人々へ』ですね。ややポップな感じの曲で浮いている感じもしますが、美味しいメロディで悪くないどころか、結構好きです。

ラストはこちらも代表曲『僕が僕であるために』ですね。これは当時から好きでした。一発で気に入りましたね。分かりやすい直線的なメロディが胸を打ちます。歌唱も非常にスケール感があって、最高ですね。

尾崎の代表曲がたっぷり詰まったアルバムです。2nd「回帰線」、3rd「壊れた扉から」も良い出来ですが、トータルで考えるとやっぱり「17歳の地図」が素晴らしいと思います。やっぱり1、3、5、6、8、10の代表曲が凄すぎます。

作詞能力・作曲能力・ボーカリストとしての声質、歌唱そのものの魅力、いずれをとっても「天才」という言葉が相応しいと思います。惜しむらくは一度も生で彼の歌声が聴けなかったことが、人生において大きな後悔になっています。

アメリカで80歳以上の高齢者の方に聴いたアンケートで「人生で最も後悔していることは何か」と聴いたときのトップの回答が「やろうと思ったことにチャレンジしなかったこと」だったらしいのですが、一度しかない人生ですから、多少無理してもやりたいことをやって、後悔しないように人生を過ごしたいですね。

尾崎がこの世を去って、23年。その間もこれだけのカリスマ性をもったシンガーソングライターは生まれてきていないと思います。つくづく勿体ないですね。

P.S.本作はCDで買い直したんだよなあ。若い世代で”尾崎豊”を『I LOVE YOU』くらいしか知らない人は本作を聴いて欲しいな。

十七歳の地図
尾崎豊
SMR
2013-09-11