今回の名曲レビューは”浜崎あゆみ”の2003年発表の31th Single『No way to say』を紹介します。

31SH0MBRDZL

”浜崎あゆみ”の急失速は当時、誰が予想したでしょうか? 日本レコード大賞を3連覇し、歌姫の名を欲しいままにし、女性アーティストの様々な記録を次々と塗り替え、向かうところ敵なしだった彼女が・・・。

2014年発表の52th SIngle『Terminal』がオリコン初登場24位というのは衝撃的でした。

個人的に”浜崎あゆみ”との出会いは「CDTV」を観ていたときに耳にしたデビュー曲『Pokerface』だったかな、良いメロディで結構気に入って、レンタルしに行ったんですよね。その後、ジワジワとヒットチャートの上位に顔を出すようになって、遂に7th Single『LOVE〜Destiny〜/LOVE〜since 1999〜』でオリコン1位を獲得します。

その後は「avex」の看板アーティストとしてだけではなく、日本の音楽シーンのトップスターとして、音楽界を牽引していきます。自身の冠番組も放送され、そのファッションにも注目が集まり、スターとしての地位を確立します。バブルが崩壊し、さほどCDが売れない時代に一人別次元の数字を叩き出していたのは凄いことで、「avex」の株価が”浜崎あゆみ”のCD発売の延期で下がるなんてことがあったんですからね。とんでもない話ですよ。

それだけに残念ですね。彼女と”中森明菜”は僕の中ではダブって見えます。仕事は絶好調なのにプライベートな問題が起き、気がつけば”干され”状態へ。過去の栄光もあり、地に足をつけた活動もプライドが許さず(マネジメントや取り巻きの問題かな?)、実質的に活動休止状態に陥り、アーティストパワーをどんどん失い、熱心なファンだけが復帰を祈り、たまにやるライブで熱狂するみたいな感じに落ちていくんですね。

トップに立っていた人をどう扱うのかって、凄くナイーブで難しいんですよね。周囲は腫れ物に触るような感じになるし、しかもギャラも高いし、気も遣うし・・・マネジメントがしっかり対応すればそんな大きな問題にならないと思うんですけどね。以前にも書いたとおり、山が高ければ高くなるほど、底も深くなります。なんでもやり過ぎ、行き過ぎは良くないですね。昨年末に「紅白歌合戦を卒業する」って、凄い発言もありましたが、この人はどうすれば大衆に受けるのか・嫌われるのかが根本的に分かっていないですね。(マネジメント・取り巻きの問題?)

一方、”安室奈美恵”は、音楽性の高い、洋楽的な方向に路線転換し、露出を抑え、スーパースターの位置を確固としたものにしています。1990年代、2000年代、2010年代と3世代でヒットを産み出しているのは凄いですし、間違いなく、品質も向上しています。既存ファンを満足させるだけではなく、新規のファンを取り込む活動が出来ていなければ、これだけ長くトップにはいれません。

一度売れることも勿論難しいですが、それを一定の位置でキープし続けるのがどれだけ難しいのか、改めて分かる気がします。

”浜崎あゆみ”ほどの歌唱力、カリスマ性、作詞能力があってもこうなるのですから、ショービズの世界は怖いものです。

”浜崎あゆみ”はたくさんのヒット曲を生み出していますが、代表曲と言えば何でしょうかね? 自身が制作も手掛けた『M(マリア)』、ライブで盛り上がる『Evolution』、人気のバラード『Seasons』でしょうか。意外に代表曲を選ぶのが難しいアーティストではないでしょうか?

彼女の楽曲をチョイスする際に候補に挙げたのは、スリリングでビートの効いた隠れた名曲『STEP you』、爽やかな夏に抜群に合うポップソング『BLUE BIRD』でしたが、『BLUE BIRD』は最近でも夏場に音楽番組で良く取り上げられるので除外、『STEP you』と『No way to say』の二択で悩んだのですが、彼女の楽曲で最もメロディの良さが際立っている後者にしました。

作詞は“浜崎あゆみ”本人で作曲は”BOUNCEBACK”ですね。「歌スタ」にも出演してましたが、”AKB48”の『会いたかった』とか、”北乃きい”の『サクラサク』とかが有名ですかね。残念ながら、最近はヒット曲に恵まれてないようですね。

ファンの方がどんな思いを持っているのかは分かりませんが、アーティストパワーは大幅に落ち、これから浮上することもないのかもしれませんが、僕は彼女の残した名曲をこれからも定期的に聴いていきたいですね。

P.S.音楽的には「(miss)understood」の時期が一番充実していたよね。

No way to say
浜崎あゆみ
エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
2003-11-06


(miss)understood (DVD付)
浜崎あゆみ
エイベックス・マーケティング
2006-01-01