今回の名曲レビューは”BUMP OF CHICKEN”の2000年発表の2nd Album「THE LIVING DEAD」収録の『K』を紹介します。

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”BUMP OF CHICKEN”もレビューで取り上げるタイミングを見計らっていたアーティストの一つですね。

先日記事にした”乃木坂46”の「別冊カドカワ」で「My Favorite Play List」のコーナーで”乃木坂46”のメンバー4名が5曲づつ、自分の好きな曲の「Play List」を紹介していたんですけど、そこで2曲載っていたアーティストが”Dreams Come True”と”絢香”(いずれも”川村真洋”のセレクト)と”BUMP OF CHICKEN”だったんですね。曲は『Ray』と『グロリアスレボリューション』だったんですけど、両者のコメントにいずれも『カルマ』が出てきたりしていて、どうしても僕のセレクトを書きたくなって、今回レビューすることにしました。

【乃木坂46】 別冊カドカワ 総力特集 乃木坂46 vol.01
http://burning.doorblog.jp/archives/47295462.html

僕が彼らを知ったのは、多くの方と同じように、2001年に55万枚以上のセールスを記録し、大ヒットした『天体観測』ですね。



良い曲だし、売れるのも納得のカッコ良さなんですけど、個人的に曲自体はそんなに好きではなかったんですよね。とはいえ、ポスト”Mr.Children”とか言われたりもしていて、注目するようになりましたね。・・・でも、ガッツリと過去のディスコグラフィーをチェックするまでは至らなかったですね。

その後、シングル『オンリーロンリーグローリー』がオリコン1位を獲得したりもしてましたけど、ストレートで捻りのないロック曲だけど、人気あるんだねえって、冷めた見方をしてましたね。一応、アルバム「ユグドラシル」もチェックしたんだけど、あんまり印象に残らなかったですね。

それからしばらくして、僕が彼らの音楽にドップリとハマったきっかけの曲は10th Singleの『プラネタリウム』ですね。J-Popでは珍しい、冷たい質感のバラードでぶっきらぼうな”藤原基央”さんのVoがよりせつなさを増幅している感じがして、大好きになったんですよね。

『プラネタリウム』って言えば同時期にリリースされた”大塚愛”のほうを思い浮かべる方が多いでしょうね。勿論、”大塚愛”さんの『プラネタリウム』も名バラードですけど、個人的には”BUMP OF CHICKEN”のほうが好きですね。(”大塚愛”さんも大好きなんだよね。いつか必ずレビューで取り上げますし、曲も決まってますけど、タイミング待ちですね)

その次のシングルが『supernova/カルマ』の両A面のシングルで『カルマ』も疾走感があってカッコイイんですけど、僕は『supernova』のほうが好きで、『プラネタリウム』以上にハマっちゃいましたね。



土着的なブルーズをベースにしたシンプルな曲なんですけどね。質の高いメロディと暖かみのある”藤原基央”さんのVoがブリッジで一気に力強くなるのが面白くて、それでいてしっかりと曲の世界観に浸れるのが心地良くて、『supernova』は愛聴してましたね。

その次のシングル『涙のふるさと』は今回レビュー候補で最後まで悩んだ1曲ですね。正直、曲の出来だけを言えば、僕にとっての”BUMP OF CHICKEN”のベストトラックは『涙のふるさと』で揺るぎないですね。ちなみに彼らのシングルでは2曲目となるオリコン1位獲得曲で初動18万枚は現時点でのキャリアハイとなっていますね。



アルバム「orbital period」は初めて予約して買ったし、その頃には彼らの大ファンになってましたね。その後、過去のディスコグラフィーをチェックしようと、一通りアルバムを揃えていくんですけど、「THE LIVING DEAD」の『K』には感動させられちゃったなあ。



僕は何度もレビューでも書いていますが、メロディ派のリスナーであり、歌詞は二の次なんですけど、この『K』の歌詞には強烈に胸をえぐられました。

売れない絵描きと黒猫「ホーリーナイト」のストーリーは思い出すだけで涙腺にヤバイです。

歌詞だけを読むと良く出来た映画のシナリオのようでもありますが、歌詞を追いながら、曲を聴いていくと、この歌詞の世界に自分がトリップして、そのときの「絶望感」や「痛み」、「寒さ」、「悲しみ」を体感したような感覚に陥るんですよね。正直、今までに経験したことがないほどの強烈なインパクトでしたね。

膨大な音楽を聴いてきた僕にとっても、こんな経験は初めてで、ビックリしましたね。

冷静に曲だけを捉えると普通のスピード感のあるロックでメロディもたいしたことないんですけどね。お涙頂戴的なラブソングとは対極にあるひとつの芸術作品として、心に刻み込まれます。

それこそ音楽の新たなスタイルを作ったんじゃないかなと思うくらいです。

強烈なインパクトを刻みつけられた『K』、抜群のメロディセンスを持つ『涙のふるさと』を聴いてしまったことで、彼らに対する期待値が上がりすぎているのが一番の問題です。

彼らの音楽は相変わらず素晴らしくて、好きな曲も一杯あるんですけど、どうしても『K』のインパクトや『涙のふるさと』のような素晴らしいメロディと比較しちゃうんですよね・・・。

それでも彼らにはそれを超えてくれると信じ続けているんですけどね。

でもどんなに素晴らしい曲が発表されても、『K』は僕にとっては、人生に残る名曲の一つとして揺るがないでしょうね。この歌詞をストレートに理解できる、日本人に生まれてきて本当に良かったとも思います。

ひとつの音楽の究極の形、頂点と言っても良いでしょう。是非、歌詞カードとセットで聴いて欲しいですね。

熱くなりすぎて反省・・・。でも『K』の凄さはこの文章では十分伝え切れなかったな・・・。

P.S.最新作「Butterflies」も良かったよね。

BUMP OF CHICKEN I [1999-2004]
BUMP OF CHICKEN
トイズファクトリー
2013-07-03


BUMP OF CHICKEN II [2005-2010]
BUMP OF CHICKEN
トイズファクトリー
2013-07-03


THE LIVING DEAD
BUMP OF CHICKEN
トイズファクトリー
2004-04-28


Butterflies(通常盤)
BUMP OF CHICKEN
トイズファクトリー
2016-02-10