今回のアルバムレビューは”MEGADETH”の1990年発表の4th Album「Rust In Peace」を紹介します。

71OC-g412rL__SL1233_

スラッシュ系がそんなに得意でない僕でも、”Metallica”、”Anthrax”、”Slayer”と言った大御所は一通りチェックしてます。

勿論、”MEGADETH”も例外ではなく、ほとんどのアルバムを保有しています。

最初に聴いたアルバムは2ndの「Peace Sells ...But Who's Buying?」だったかな。でも当時だと、スラッシュ系では”Metallica”のほうが圧倒的に好きで聴いてましたね。リリース当時の1986年って”Metallica”は名盤「Master of Puppets」をリリースしてますからね。

『Wake Up Dead』とか『The Conjuring』のように好きな曲はありましたけど、リズムが変則的だったり、ジャズの要素を取り入れていたりと何か中途半端な印象がありましたね。





次の「So Far, So Good... So What!」も悪くなかったけど、一番印象に残ったのが”Sex Pistols”のカバー『Anarchy In The UK』だったりして、CDを買う優先順位を下げそうな感じだったんですよね。



でも元”Cacophony"の"Marty Friedman”が加入するということで、とりあえず買ってみた「Rust In Peace」が超絶格好良くて、大好きなバンドになりましたね。

その後の「Countdown To Extinction」も内容は良かった(ソリッドな反面、やや音が軽い印象もありますが)し、お気に入りのアルバムです。”Metallica”が名盤「Metallica」以降、「HM/HR」の枠から飛び出し、僕の気持ちの中では急失速していくのと違い、”MEGADETH”はコンスタントに優秀な「HM/HR」アルバムを出してくれていて、頼もしい存在でしたね。







オルタナ旋風の吹き荒れる1997年に「Cryptic Writings」をリリースしてくれたのも嬉しかったね。徹頭徹尾「HM/HR」の『She-Wolf』や『FFF』とかは強烈で、メタルファンは歓喜させられたよね。





その後はアルバム単位だと厳しいものも多いけど、『Washington is Next!』とか、曲単位では十分楽しませてもらってますね。

忘れてたけど、後追いで聴いた1st Album「Killing Is My Business... and Business Is Good!」もお気に入りです。『Last Rites/Loved to Death』は本当にカッコイイ。



そして、僕にとっての”MEGADETH”と言えば、やっぱり「Rust In Peace」になっちゃうかな。

新加入の"Marty Friedman”が”MEGADETH”に持ち込んだものも勿論大きかったですが、”Nick Menza”の貢献も特筆すべきでしょうね。彼のキレの良い、手数多めのDrumは最高です。

ではレビュー行きましょう!

01.Holy Wars...The Punishment Due

本当に名リフですよね。最初に聴いたときから鳥肌モノで、25年以上、未だに聴き続けてますが、飽きることはないですね。★5つでも足りない、「Thrash Metal」の枠にとどまらない「HM/HR」の大名曲ですよね。

途中の展開も気持ちは萎えることなく、素晴らしい緊張感が維持されていて、凄いです。でもここでは”Dave Mustaine”のギターリフを褒めるべきでしょうね。主張しすぎず、良い仕事をしている”Marty Friedman”のメロディアスなフレーズも利いてますね。後半少しダレる人もいるかもしれませんが、個々のプレイをちゃんと聴いてもらうと印象が変わると思います。

これを聴いて、カッコイイと思わない人は「HM/HR」の世界は無理でしょう。それだけカッコイイ曲です。



02.Hangar 18

メロディアスなメタルチューンで、こちらは”Marty Friedman”のメロディアスなギターフレーズが爆発してますね。最初のリズムチェンジ部分もカッコイイですね。”Nick Menza”のDrumも大活躍です。

インストパートが非常に長い曲なんですけど、これだけメロディアスな印象を残すってなかなか凄いですよね。こちらも★5つは堅いなあ。個人的には『Holy Wars...The Punishment Due』のほうが好きだけど、”キャプテン和田”さんや”伊藤政則”さんはこっちをラジオでは良くオンエアしてたね。

Video Clipも歌詞の世界観に合う、ミステリアスで良い出来でしたね。





03.Take No Prisoners

スピード感のあるメタルチェーン。疾走感とパワーで押し切られちゃいます。決して悪い曲ではないですが、メロディは一本調子で曲としての面白みは少し減退するかも・・・。リフの殺傷力は十分なんですけどねえ。01、02の名曲連発と比べちゃうから、若干テンションが下がっちゃうんでしょうね。これは仕方ないね。曲の並びで損している感じです。

04.Five Magics

ややシアトリカルなムードのあるメランコリックなフレーズから、急展開して、突っ走っていくスピードチューンです。03に比べるとメロディも良くて、結構お気に入りですね。演奏のテンションも高くて、それだけで盛り上がっちゃいますね。

05.Poison Was The Cure

スピードチューンですが、リフのキレが良くて、カッコイイです。3分弱と短い曲なんですけど、演奏のメリハリが効いていて、実際のスピード以上に疾走感を感じる楽曲ですね。こちらも隠れた名曲って感じで良いですね。エンディングも良いね。

06.Lucretia

メロディアスなイントロで、その後もメロディとスピードのバランスが良いですね。ちょっとロックンロールっぽい匂いもしますが、悪くないです。

07.Tornado Of Souls

個人的には『Holy Wars...The Punishment Due』と並ぶ、本作のキラーチューンの一つ。構成もちょっとしたアドリブ小技も全て完璧、メロディアスなギターソロも堪りませんし、”MEGADETH”史上、最も完璧な曲と言って良いのではないでしょうか。本作ではこれが一番という人も多い気がしますが、僕もその意見に賛成ですね。

文句なしの大名曲。



08.Dawn Patrol

本作では唯一のミドルテンポのチューンです。”Black Sabbath”っぽい、おどろおどろしさがあって、”Dave Mustain"のドスの利いた低音Voが良い感じですけど、2分弱の非常に短い曲なので、評価はしづらいですね。

09.Rust In Peace...Polaris

”MEGADETH"らしさがタップリ詰まった曲ですね。冒頭の美味しいリフ展開は最高です。その後、少しテンションが下がりますけど、十分良い曲だと思いますね。01、02、07に比べると世間的な評価は低めですけど、僕は大好きですね。複雑な曲展開で初期の”MEGADETH”ぽさもあって、なかなかの名曲だし、エンディングに相応しい曲ですよね。実際は”Dave Mustaine”が”Metallica”在籍時に作っていた曲らしいです。

トータルで約40分とコンパクトな仕上がりになっていますけど、緊張感を持続しているのは凄いです。キラーチューンの配置も良くて、完璧ですね。

尚、2004年にリマスター盤が出ているので、音質的にもそちらがオススメですけど、ボーナストラックの『My Creation』は悪くないけど、ボーナストラックの枠を超えることはないですね。『Rust In Peace...Polaris』、『Holy Wars...The Punishment Due』、『Take No Prisoners』の3曲のデモ音源も収録されていますが、こちらもマニア、コアなファン向けですね。

現在は元”ANGRA”の”Kiko Loureiro”も加入し、期待しましたが、”Marty Friedman”ほどの化学反応は起こってませんね。曲も悪くないんだけど、やっぱりキラーチューンが欲しいね。

最新作「Dystopia」はBillboardで3位を記録するなど、「HM/HR」界のトップランナーとして、シーンを引っ張っていって欲しいね。

P.S.あの”Dave Mustaine”も54歳か・・・ニュースターの登場を期待したいね。

Rust in Peace
Megadeth
Capitol
2008-10-03


ラスト・イン・ピース
メガデス
ユニバーサルミュージック
2013-06-12



Countdown to Extinction
Megadeth
Capitol
2013-06-10


Cryptic Writings
Megadeth
Capitol
2004-07-27




dystopia
megadeth
unive
2016-01-22