今回の名曲レビューは”ダ・カーポ”の1983年発表の27th Single『淋しさは夕立ちのように/野に咲く花のように』収録の『野に咲く花のように』を紹介します。

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昨日のYAHOO!ニュースで”小林亜星”さんの「日刊スポーツ」社のインタビュー記事が出ていたのを見ました。

記事タイトルは「小林亜星が歌謡界にダメ出し 『流行歌は滅びたね』」という過激なタイトルでギョッとしました。

記事の中身を見ると・・・

「流行歌の世界が全くダメ。紅白歌合戦も、みんな昔の歌を歌っている。おじいちゃんから孫まで知っている曲がない。演歌なんて何も新しいものがない。何かに似たような詞ばかり。流行歌は滅びたね。ポップスはいい曲はあるが、世の中、同じ曲ばかり街で流れているのはないよね」

「作曲家、作詞家がいけない。現代を直視して現代を表現していない。演歌はひどい。何とか船とか、何とか道中とか、まだ作っている。殻の中でやっている感じ。昔は演歌はモダンなものだった。みんなが愛する曲を作るには、いろんな経験と音楽的成熟が必要で、そういう人がいなくなった。古賀政男先生たちはモダンだった。そもそも昔は『演歌』という言葉じゃなかった。『流行歌』と言ったもの」

・・・とどちらかというと最近の「演歌」に対するダメ出しだったんですね。特に後半を見ると仰る通りって感じがしますね。

面白いのは「ポップスはいい曲はあるが、世の中、同じ曲ばかり街で流れているのはないよね」の部分です。

「ポップスは良い曲がある」・・・これは僕も全く同意見です。

アーティストを中心に、職業作曲家が出現し、ストリートミュージシャンが一般化、「Pro Tool」による音楽ソフトの発展など、様々な要因はありますが、昔に比べ、クオリティの高い楽曲は増えているように思います。現在のヒット曲はその激しい争いを勝ち上がってくるわけで、レベルは上がっています。

「世の中、同じ曲ばかり街で流れているのはないよね」・・・街中で流れている曲って多くは「USEN」だと思うんですけど、チャンネルも増えたし、音楽自体が多様化してますからね。僕は同じ曲ばかり掛かるっていう感覚って、スキー場のゲレンデくらいしかなかった気がするんですよね。それこそ”松任谷由実”の「恋人がサンタクロース」、「Blizzard」、”ZOO”の「Cho Cho Train」、”広瀬香美”の一連の曲とかね。

昔は居酒屋なんかでは演歌専門チャンネルをBGMで流していただろうし、年間でのヒット曲も数曲でしたから、かなりヘビーローテーションされてた曲もあったと思うんですけどね。情報が少なくて、ひとつのヒットチャートで語れていた時代だったからなんでしょうけどね。情報社会になり、様々なジャンル、チャートが存在してますからね。知る人ぞ知るヒット曲なんてのがジャンル、チャートによって、かなり細かく存在する時代ですからね。

1990年代だってバブル景気で凄まじい数のミリオンヒットが出てたけど、ミリオンとはいえ、曲自体知らない人は多かっただろうし、今に始まったことじゃない気がします。まあ、演歌はヒットがそもそも出てないからね。でも”大泉逸郎”さんの『孫』とか、”秋元順子”さんの『愛のままで』とか、それはヘビーローテされてたのかな?

ですので、今の情報化時代で「ヒット曲らしいヒット曲」を出すには様々な音楽ジャンルのファン、様々な購買層に訴える、取り込めるパワーのある曲でないといけないんでしょうけど、難しいでしょうね。

”宇多田ヒカル”の「First Love」だって、お母さんの”藤圭子”さんがいたからこそのセールスだと思いますけどね。「日本音楽界の至宝」”サザンオールスターズ”だって『TSUNAMI』以降、大ヒット曲は出てないもんね。”Dreams Come True”、”Mr.Chilldren”、”スピッツ”、”aiko”など、いずれも似たようなもんですよね。

ま、そんなこんなで、”小林亜星”さんについて、調べてみたんですけど、CM曲のイメージが強い作曲家ですね。







「日立」、「レナウン」、「パッとサイデリア」あたりが有名でしょうかね。

アニメソングも凄いですよね。「まんが日本昔ばなし」の『人間っていいな』とか、「怪傑ライオン丸」の『風よ光よ』とかね。胸アツです。





そんな”小林亜星”さんのヒット曲で有名なのは”都はるみ”さんの「日本レコード大賞」受賞曲『北の宿から』でしょうかね。



でも僕が彼の作品で一番お気に入りは”ダ・カーポ”の『野に咲く花のように』かな。





”芦屋雁之助”さん主演の「裸の大将」のエンディング曲でしたね。いやー良い曲でホッコリします。ドラマのイメージにピッタリですし、凄い才能ですよね。

先日、「そんなバカなマン」の名物企画「パシフィック・ヒム」で”日村”さんが『野に咲く花のように』を歌ってて、夜中に大爆笑したんですけどね。良い曲だからこそ、笑いが更に増幅されたように思いますね。センスが凄いですよね。(「そんなバカなマン」大好きです)

「そんなバカなマン」 公式HP
http://www.fujitv.co.jp/bakanaman/

「パシフィック・ヒム」のDVD欲しい~!って話がずれましたが、”小林亜星”さんに限らず、口うるさい大人の意見って、大事にしたほうがいい気がしますね。全てを受け入れる必要はないけど、経験に優るモノってなかなかないですよ。

炎上を促すような記事でしたけど、僕は彼の功績を見る限り、きちんと受け止めるべきだと思いましたね。特に不振の続く「演歌」勢は・・・。

P.S.”亜星”さんも83歳か、「ヒントでピント」の回答者だった頃が懐かしい。

ダ・カーポ40周年記念 ダ・カーポ ザ・ベスト
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2013-06-19


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