新年1発目の名曲レビューです。

今回は”欅坂46”の2016年発表の3rd Single『二人セゾン』収録の表題曲『二人セゾン』を紹介したいと思います。

『二人セゾン』ジャケット

2017年、新年あけましておめでとうございます。

本年も何卒、宜しくお願い致します。

2016年はネットを介して、”BABY METAL”、”ピコ太郎”のビルボードチャートを賑わせる世界的なヒット作がありました。

その一方で”宇多田ヒカル”は純然たる、なんの特典もないアルバムを制作し、大ヒットを記録、”Hi-Standard”はマーケティング要素を一切排除し、復活シングルをリリースし、チャート1位を獲得するなど、新たな音楽の伝え方について、考えさせられる年となったと思います。

勿論、メディアで取り上げられないだけで素晴らしい音楽を発表しているミュージシャンは世の中にたくさん埋もれていると思いますが、僕の耳に届いた音楽でしかレビューできませんが、出来る限り素晴らしい音楽を紹介していきたいと思います。僕もできる限り、アンテナを広げて、様々な音楽との出会いの機会を増やしていきたいと考えております。

ということで、「J-Pop」フィールドでは「コレ」っていったヒット曲はなかったのですが、改めて年末の音楽特番を見ていて、”星野源”の『恋』こそが国民的なヒット曲だったのかもしれないなあと思いました。




 


”星野源”さんの創作する音楽の素晴らしさを語るにはもう少し時間を要する気がします。

それこそ、”大瀧詠一”さん、”山下達郎”さん、”松任谷由実”さんといった「J-Pop」のクオリティ向上に尽力を注いでこられた先人達の正統的な後継者として、「J-Pop」界を引っ張ってもらうべき存在にもなってくれそうで、大いなる期待を持って、今後の彼の音楽面での活躍を見届けていきたいと思います。

本当は新年一発目は”星野源”さんの『SUN』を取り上げようと思ったのですが、もうしばらく彼を取り上げるのは先にしようと思います。その意味では”back number”、”清竜人”、”きゃりーぱみゅぱみゅ”なんかもレビューをペンディングしているのと同じですね。

ということで、既に全曲レビューではコメントを書いている”欅坂46”の『二人セゾン』を取り上げてみることにしました。

皆さん、ご存知の通り、アイドル界だけではなく、「J-Pop」界でも十分な反響を呼び、”坂道シリーズ”の快進撃に大いなる貢献をした新人グループですが、プロデューサー”秋元康”さんの新たなチャレンジにも注目すべきかと考えています。

特に48グループでは競争原理を元に「選抜総選挙」という残酷ショーを繰り広げ、落ち目と言われながらも、選挙シングルでは250万枚超えのセールスを記録しているのですからねえ。その”秋元康”さんが競争ではなく、個々のメンバーの個性を引き出すプロデュースに切り替え、差別化に成功したのが”乃木坂46”ですね。こちらはさらなる一般認知と女性ファンの獲得、「世代交代」の成功に向け、詰将棋のように一歩一歩着実に成果を上げているように思います。

しかしながら、”欅坂46”では、そのどちらのフォーマットでもない新たな取り組みにチャレンジしているように見えます。

競争原理を排した「全員選抜」、アイドルぽくない楽曲に、強いメッセージ性のある歌詞、更に3rdでは「J-Rock」系ファンをも取り込もうとするようなロック色の強い楽曲へと非常に実験性の高い取り組みをしているように見えます。

二年目を迎える、今年もどんなチャレンジを見せてくれるか、そのプロデュース手腕にも期待が広がります。

そんな”欅坂46”ですので、1曲を選ぶのも難航しましたし、これからもっと素晴らしい名曲を生み出してくれると思っていますが、敢えてメロディラインの素晴らしい『二人セゾン』を取り上げたいと思います。

<全曲レビューコメント>

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フライング気味に少しコメントしましたけど、改めて何度も聴きましたが、かなりの名曲だと思います。

上記の記事では”乃木坂46”との楽曲テイストの類似性について、やや批判気味に書いてはいるんですけど、曲自体は非常にクオリティが高いと思います。すでに”ピコ太郎”さんや”ベッキー”さんなどが評価されているみたいですけど、僕も楽曲自体は高評価ですね。今回は悩むことなく、すんなり「★★★★★」をつけちゃいました。

とにかくメロディ展開が素晴らしいですよねえ。特にブリッジ部分の構成はかなりキテますね。

クレジットを見ると”SoichiroK、Nozomu.S”とあの”Soulife”案件じゃないですか・・・”欅坂46”の大名曲『キミガイナイ』、”乃木坂46”のライブでは瞬殺されちゃう、キラーチューン『あらかじめ語られるロマンス』の作曲者の方ではないですか!(あえて『乗り遅れたバス』、『Tender Days』は無視・・・いずれも佳曲で悪くないけどね) やっぱり”Soulife”は凄いね。ピタッとハマった時の破壊力は強烈だね。

前作の『語るなら未来を…』のMVを手掛けた"新宮良平"監督によるMVも良いよね。躍動感と美しさが鮮烈なメッセージとなって伝わってきます。バレエのような体、ラインの美しさを意識した振付はため息が出そうですし、そのうえでのフロントメンバー選出なら、良くわかります。音楽番組で披露もされているのを見ましたが、”平手”のソロでのダンスパートは違和感ありますが、メッセージ性は強いし、良いですよね。

「欅」の木をモチーフにしながらも、ダンスでここまでメッセージを伝えているのは勿論”Takahiro”さんの手腕でしょうけど、存在感バリバリの”平手”の逸材感が凄いなあ。彼女を「けやかけ」初期から見ていて、逸材だとは思ったけど、1年でここまで成長するとは思わなかったな。フロント以外にも逸材は一杯いるけど、やっぱり”平手”は別格だね。”乃木坂46”のようにセンターを量産していくパターンはあり得るんだろうけど、今一つイメージが湧かないのは”平手”が凄すぎるからだね。グループ内のパワーバランス含め、そこを上手くコントロールしていきながら、新たな面を魅せていけるかが”欅坂46”の唯一の課題かもね。

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いろいろと書いてますけど、これだけ濃密で美味しいメロディを重ねまくっているのが本当に凄いです。

”Soulife”の力量をまざまざと見せつけられた感じがしますし、外国人作曲家よりも遥かに日本人にとって、染みるメロディーを書けるのはやはり日本人だと思わせられましたし、本当に素晴らしい楽曲で『サイレントマジョリティー』の「強いメッセージ性」、『世界には愛しかない』のポエトリーリーディングなどの革新性などをぶっ飛ばすくらいのメロディーで直球勝負を挑んだのがメロディ派の僕にとっては最高のプレゼントでしたね。

良いものは良い・・・当たり前のことですが、革新性のある音作りやメッセージ性のある歌詞以上にメロディの力を全面に出してくれたことが嬉しかったのが選出理由でもあります。

良いものがきちんと良いものとして届く・・・これがすべてだと思いますし、その意味で王道で勝負した”欅坂46”の4th Singleにも期待したいですけどねえ。最近の「J-Rock」については、”ONE OK ROCK”は別格にしても、やや低調でつまんない状況だと個人的には捉えていますので、今年の”欅坂46”はロックテイストの強い楽曲へ展開していきそうな気がしているんですけどね。

ロックであろうが、ポップであろうが、バラード調であろうが、これからも僕は良質なメロディを追い求めていきたいし、その中で”坂道シリーズ”の楽曲には期待しかないですけどね。

今年も素晴らしいメロディを持つ楽曲に出会えることを期待してます!

P.S.勿論、メロディ派以外の音楽ファンを否定するつもりもありませんが、僕はメロディ派であり、そういうリスナーに聴いてほしい、チェックして欲しいだけですので・・・。今年の音楽シーンにも期待したいね。







二人セゾン(通常盤)
欅坂46
SMR
2016-11-30


二人セゾン
Sony Music Labels Inc.
2016-11-30