”欅坂46”の初リリースとなるアルバムですね。

デビュー1年でのアルバムリリースはアイドルとしては異例のスピードのような気がしますが、しかも2枚組でType-A、B、更に通常盤と3タイプのリリースで新曲も大量に収録されていますね。アーティスティックな側面も評価されている音楽ユニットですからね。単なるアイドルグループとして捉えるだけでは勿体ない存在ですよねえ。

発売日前にAMAZONからType-AとType-Bが届いていたようですが、長期出張の途中だったのでレビューが遅くなり、失礼しました。一応、”乃木坂46”の3rd Album「生まれてから初めて見た夢」と同様に二部構成のレビューとします。

【欅坂46】 全曲レビュー⑥~『真っ白なものは汚したくなる』(特典映像編)
http://burning.doorblog.jp/archives/50446464.html

【欅坂46】 1st Album「真っ白なものは汚したくなる」詳細決定!
http://burning.doorblog.jp/archives/50283495.html

少し記事では触れてましたが、お姉さんグループの”乃木坂46”以上の楽曲クオリティを誇る彼女たちのアルバムは楽しみでしかなかったですけどねえ。出張続きでようやく聴き込みが終わったので、新曲を中心にレビューを書きたいと思います。

とその前に・・・あまりにDisc1の出来が凄いのでちょこっとコメントを。

1st Album「真っ白なものは汚したくなる」(2017年)

真っ白なものは汚したくなるJacket3

<Disc1>(Type-A・Type-B共通)

01.「Overture』

「★★★★★」。

個人的には『Overture』は”乃木坂46”のほうが良いんじゃない? 初期のキラキラした『Overture』のほうが気に入ってたのになあ~、ちょっとツカミが悪くない?・・・なんてウダウダ言いたくなりますけど、やっぱり最高なんです。初の音源化が嬉しいよね。ブルージーなアコースティックギターの渋さと良い感じのロッキングな高揚感・・・らしい『Overture』になりましたね。彼女たちらしい感じのオープニングはいつだって素晴らしいし、誇らしい。

02.『サイレントマジョリティー』 「★★★★★」
03.『手を繋いで帰ろうか』 「★★★★★」
04.『キミガイナイ』 「★★★★★」
05.『世界には愛しかない』 「★★★★★」
06.『語るなら未来を…』 「★★★★★」
07.『ひらがなけやき』 「★★★★」
08.『二人セゾン』 「★★★★★」
09.『制服と太陽』 「★★★★」
10.『誰よりも高く跳べ!』 「★★★」
11.『大人は信じてくれない』 「★★★」
12.『不協和音』 「★★★★」
13.『僕たちは付き合っている』 「★★★★」
14.『エキセントリック』 「★★★★」
15.『W-KEYAKIZAKAの詩』 「★★★★」

レビュー済みの楽曲は下記で詳細を見てもらいたいですが、改めて聴き直すとこの1枚目は強烈なクオリティだね。ある意味、この完成度はJ-Popの伝説的な名盤と言えるレベルかもしれないよ。初心者には通常盤はこれらの至極の名曲に加えて、新曲『月曜日の朝、スカートを切られた』が追加されている訳ですよねえ。特典はないけど、オススメですね。

このDiscこそ、広く音楽ファンに聴いてもらいたいなあ。個人的には『制服と太陽』が『青空が違う』か『チューニング』と入れ替わっていたら完璧なんだけどね。

 【欅坂46】 全曲レビュー①~『サイレントマジョリティー』

【欅坂46】 全曲レビュー②~『世界には愛しかない』(確定版)

【欅坂46】 全曲レビュー③~『二人セゾン』

【欅坂46】 全曲レビュー④~『不協和音』
http://burning.doorblog.jp/archives/49825833.html
 
ここからは新曲です。新曲も聴きどころ満載で評価が難しいね。

『月曜日の朝、スカートを切られた』(全Type収録)

「★★★★」。



彼女たちには珍しいミディアムテンポのロックですね。メンバーは”欅坂46”メンバーに”けやき坂”兼任の”長濱ねる”ですね。『サイレントマジョリティー』の序章的な楽曲であるとも言われていますが、この世界観を上手く使ったMV、更にTVでの圧巻のパフォーマンスも込みで点数はつけました。

曲自体も悪くないんだけどね。作曲は女性シンガーソングライターの”饗庭純”さんですね。しかし独特の世界観のある楽曲ですね。ちょっと彼女の楽曲はチェックしてみたいな。アレンジは「坂道シリーズ」で重用されている”若田部誠”さんですね。

暗い、ヒンヤリとした冷たいメロディがこの時期に心地良いですけどね。なぜこの曲がリードトラックだったのかは不思議です。(ツカミが決して良くないという意味です)

『少女には戻れない』(Type-A収録)

「★★★★」。

歌唱メンバーは”石森虹花”、”織田奈那”、”齋藤冬優花”、”佐藤詩織”、”土生瑞穂”の5人で「五人囃子」というネーミングがついてます。今野さんはジャパニーズプログレの原点と言える”四人囃子”とか好きそうだけどね。

R&Bっぽいウネリのあるメロディ展開で、後半はテンポアップしてジャジーな雰囲気が出たりもして、それこそ大人っぽいムードを感じる、面白い楽曲だと思いますね。彼女たちの楽曲としては今までなかったタイプの曲ですね。なかなか良いですね。

作曲、編曲はいずれも”K5”さんですね。詳細は分かりませんが、なかなかのセンスを感じる仕上がりになっていますね。

『東京タワーはどこから見える?』(Type-A収録)

「★★★★★」。

メンバーは”欅坂46”メンバーに”けやき坂”兼任の”長濱ねる”ですね。1st、2nd Singleでは主力だった、近未来感がある楽曲でスピード感もあって、ややダークでメロディアスな展開がなかなか良いですよね。

この路線は何気に久しぶりなんだけど、”欅坂46”らしさのある楽曲で良いんじゃないかな。この揺り戻しは嬉しかったので★を1つオマケして「★★★★★」にしておきます。『語るなら未来を…』との並びとかで聴いてみたいな。

作曲はアニソン系の楽曲提供が多い”本田光史郎”さんで、アレンジは「坂道シリーズ」ではお馴染みの”APAZZI”さんですね。

アレンジも結構カッコいいじゃない?
流石”APAZZI”さんだね。

『100年待てば』(Type-A収録)

「★★★★★」。

”長濱ねる”の2曲目となるソロ曲ですね。(センターで実質ソロっぽい『乗り遅れたバス』はカウントしてません)

ポップでメロディ展開も秀逸でかなり出来の良い楽曲だと思います。まあ、80年代のアイドルソングっぽいアレンジでちょっとカモフラージュされている感じがしますけど、『ロマンスの神様』あたりのメロディ展開やアレンジを思い出す部分もありますけどね。キラキラ感のあるアレンジも結構限界手前くらいまで遊んでるけど、良い仕上がりです。これはライブでも盛り上がりそうだね。「Yeah Yeah!」ってね。

しかし”ねる”の声って毎回のようにイメージが変わるなあ。Bメロあたりは”てち”っぽく聴こえたもんな。

作曲は女性シンガーソングライターの”坂本麗衣”さんで、編曲も”坂本麗衣”さんと『二人セゾン』のピアノにも参加されていた”ツタナオヒコ”さんの共作ですね。

いやーこれは非常に出来の良い、素晴らしいポップソングだよ。

『沈黙した恋人よ』(Type-A収録)

「★★★★★」。

”ひらがなけやき”のメンバー”潮紗理菜”、”加藤史帆”、”齊藤京子”、”佐々木久美”、”高本彩花”のユニット曲ですね。なぜこのメンツなのかはわかりませんが・・・。

いやーこのメロディ展開は凄いね。ファルセットを歌いまくらせる感じは聴いてて、ちょこっとしんどいけど、フックになっているし、メロディは強烈で鮮烈でクオリティ高いですよ。

ブリッジへの展開も面白いけど、最後までVocalを入れ、大サビまで繋げるのも面白いね。スピード感が堪らなくなるね。

作曲はなんと、 現在日本代表レベルのスーパーコンポーザー”杉山勝彦”さんです。編曲は杉山さん以外に”三谷秀甫”さん、”谷地学”さんの名前もありますね。

フックの塊でこちらも良い曲だねえ。

『猫の名前』(Type-A収録)

「★★★★★」。

ユニット曲でメンバーは”菅井友香”、”守屋茜”、”加藤史帆”、”佐々木久美”の組み合わせです。歌謡曲テイストを感じる、比較的分かりやすいメロディで歌詞もはっきり聴こえる歌唱なんですけど、現代風のアレンジが良い感じで決まっていて、この曲も良いねえ。メロディ展開もかなり良いんじゃない? ギターソロも素晴らしいねえ。個人的には大好きな路線で文句なしで「★★★★★」かな?

作曲は”小松清人”さんで”w-inds.”への楽曲提供や”柴崎コウ”の『かたちあるもの』の作曲が有名だね、編曲は”板垣祐介”さんで”ハロプロ”関連は勿論、”AKB48”では『ギンガムチェック』、『心のプラカード』が有名かな。個人的名曲の”Not Yet”の『ペラペラペラオ』も彼の作品ですね。

『太陽は見上げる人を選ばない』(Type-A収録)

「★★★」。

全メンバーによる楽曲ですね。嫌でも『W-KEYAKIZAKAの詩』と比較される曲ですね。ラップで始まった時はちょっとヤバイ空気を感じたけど、しっかりと聴くと悪くないし、勇壮なメロディ展開で良いんだけど、個人的には『W-KEYAKIZAKAの詩』に軍配を上げるかな。

サビ後にコールっぽいところもあるし、ライブなんかでは盛り上がりそうだけどね。

”池澤聡”さんの作編曲です。彼の作品では”渡辺麻友”の佳曲『大人ジェリービーンズ』が有名かな。

『危なっかしい計画』(Type-A・Type-B収録)

「★★★★」。

メンバーは”欅坂46”メンバーに”けやき坂”兼任の”長濱ねる”です。いやー最初のギターリフからカッコいいね。限界レベルのスピードの歌唱も強烈! それでいてサビでの爽やかさって凄い曲だねえ。

混沌としていながらも、整合性がある不思議でアーティスティックな楽曲です。

前シングルの『エキセントリック』に引き続いての参戦となる”ナスカ”さんの作曲です。『危なっかしい計画』も同様にキラキラとした新しさを感じられるのが良いね。『エキセントリック』は『不協和音』の全曲レビューの時に散々迷った結果「★★★★」にしたんだけど、やっぱり「★★★★★」にしときゃ良かったって、悔やまれるねえ。

”ナスカ”さんの作る音楽は一時期の”中田ヤスタカ”さんっぽいスター性、中毒性を感じちゃうなあ。

『エキセントリック』との比較で評価は「★★★★」にしたけどさあ、この2曲はある意味、”欅坂46”の楽曲の音楽的な先進性を示す上では別格扱いにしておきたいね。編曲はお馴染みの”佐々木裕”さんですね。逆に編曲はもうちょっと冒険したほうが良かったような気もしますけどね。

『自分の棺』(Type-A収録)

「★★★★」。

平手友梨奈の3曲目となるソロ曲ですね。暗めの四畳半フォーク? 情念のバラードというんでしょうか? ”藤圭子”さんほど、絶望的な暗さではないけど、それっぽい雰囲気のある曲ですね。個人的には”平手”に一度チャレンジして欲しいなと思っていた曲のタイプではあるんですけど、期待通りでなかなか良いですね。本当に彼女は万能で様々な色や姿を魅せてくれ、本当に天才肌ですね。最近は画面越しで見ていても、ちょっと寒気がするもんな。

彼女のパフォーマンスに曲が追いついてない感じがあるので、★ひとつ減点しましたが、なかなかチャレンジしていて良いんじゃない?

こちらも『太陽は見上げる人を選ばない』に引き続き、”池澤聡”さんの作編曲です。

『君をもう探さない』

「★★★★」。

メンバーは”欅坂46”メンバーに”けやき坂”兼任の”長濱ねる”です。

『東京タワーはどこから見える?』と同じような感じで”欅坂46”らしさのあるカッコいい曲ですね。やっぱりこのあたりの曲が彼女たちの本流なんだろうね。3rd Single以降はかなり音楽性も広がっていって拡散し過ぎているんじゃないの? って思った部分もあったけどね。こういう楽曲がある程度、増えていくのはライブでセット組みやすくなるんじゃないかな。

なかなかの佳曲で作曲の”片桐周太郎”さんは”乃木坂46”の『なぞの落書き』、『人生を考えたくなる』、”こじ坂46”の『風の螺旋』などが有名ですね。編曲はこちらも”若田部誠”さんです。

『夏の花は向日葵だけじゃない』

「★★★★★」。

”今泉佑唯”の初のソロ曲ですね。しかし、これは出来の良いバラードだねえ。そういえば”欅坂46”では純粋なバラードって初めてじゃないかな? また休業中の”ずーみん”のソロっていうのがさあ・・・。涙なくして聴けないよね。沁みりまくりです。

【欅坂46】 今泉佑唯 活動休止!!

【欅坂46】 今泉唯佑 全国握手会欠席へ
http://burning.doorblog.jp/archives/50275383.html

作曲はヒップホップユニット”TATE & MARKIE”の”MARKIE”さんです。ヒップホップ系のアーティストの作ったバラードというようには微塵も感じないけど、本当に良いよね。(実際にヒップホップ系アーティストのバラードって良い曲多いんだよね)

いつまでも復帰待ってますよ!

尚、アレンジは”伊原シュウ”さん、”ツカダタカシゲ”さんとなっています。

『1行だけのエアメール』

「★★★★」。

”ゆいちゃんず”(”今泉佑唯”、”小林由依”)の通算4作目の楽曲ですね。正統的なフォークソングですけど、ピアノベースなので、バラードっぽい作りで沁みますね。ちょっと前作の『チューニング』が良すぎたのもあって(じゃあ、「★★★★★」つけろよって?)、少し評価は下げちゃいましたね。歌詞の「元気ですか~」はちょっと涙腺的にダメだよね。

『渋谷川』と同じ”中村泰輔”さんによる楽曲ですね。今回は作編曲を手がけられています。”前田敦子”さんの隠れた名曲『Selfish』や”Little Glee Monster”への楽曲提供が有名ですね。

『AM1:27』

「★★★★」。

こちらはユニット曲で、”小林由依”、”鈴本美愉”、”平手友梨奈”の組み合わせです。スピーディーな言葉の多いVocalで、語りもあって、ちょっとテクノっぽい感じかなと思ってたんですけど、サビはしっかりと盛り上がるし、なかなかカッコいいね。

派手めのアレンジがなかなか心地良くて身体が自然にノル感じがします。ちょっとだけ「Euro Beat」ぽいエッセンスが入っているのも好印象です。

ブリッジも面白いねえ。リズムパターンの使い方も含め、テクニカルだけど、ちゃんと成立させているのは凄い才能だねえ。これは「★★★★★」でも良かったかもなあ。

僕も大好きな作曲家”Linia”さんの作品ですね。”HKT48”の大名曲『12秒』、レビューでも取り上げた”ノースリーブス”の『ペディキュアday』なども素晴らしいですけど、今回も流石ですね。

『ここにない足跡』

「★★★★」。

人気ユニット”青空とMARRY”(”志田愛佳”、”菅井友香”、”守屋茜”、”渡辺梨加”、”渡邉理佐”)の3作目となる楽曲ですね。

名曲『青空が違う』までは評価はつけられないけど、なかなかカッコいいメロディラインで爽やかで良い曲だね。ジワジワと良くなってくる感じがあるね。これも「★★★★★」でも良かったかもなあ。

作曲は”前迫潤哉”さん、”Dr.Lilcom”、”春川仁志”さんの共作曲で、アレンジは”Dr.Lilcom”さんが手掛けてますね。”前迫潤哉”さんと言えば、『W-KEYAKIZAKAの詩』以来ですね。”乃木坂46”でも『Another Ghost』を手掛けられたりしていて、個人的にも好印象の作曲家さんですね。

『永遠の白線』

「★★★★」。

”ひらがなけやき”の楽曲ですね。過去の”ひらがなけやき”の楽曲は比較的ストレートな曲が多いと思っているんですけど、今回もそうですね。これは戦略的に狙っている感じがしますね。

曲自体は直線的なキャッチーなメロディと分かりやすい普遍的な歌詞。ある意味、このストレートさがアルバムの中でアクセントになっているというのは面白いね。でもメロディがかなり優秀だよね。

評価は迷うけど、捻りが少ないこともあって★一つ減点したけど、ラストのギターも良いし、結構好きなんだよね。

作曲・編曲はアイドル系の楽曲提供が多い”石井健太郎”さんですね。こういうストレートな良い曲作るのって、結構難しいと思うんだけどねえ、いやー感心させられますねえ。

『バレエと少年』

「★★★★」。

こちらもユニット曲ですね。”156”・・・結局、イチコロで良いんだよね? ”上村莉菜”、”尾関梨香”、”小池美波”、”長沢菜々香”、”原田葵”、”米谷奈々未”と3列目を務めることが多い”欅坂46”にしてはアイドルっぽい可愛さを持つメンバーのユニットになっています。(別にバレエ経験者を集めたわけじゃないんだね)

これは”Queen”の『Bohemian Rhapsody』を彷彿させられるようなオペラティックで展開が凄まじい強烈な楽曲ですね。可愛らしいVocalやアレンジで隠されているけど、かなり攻撃的な曲ですよ。

かなり面白いし、楽しませてもらったけど、ちょい狙いすぎかな?

『1行だけのエアメール』に引き続き、”中村泰輔”さんによる楽曲ですね。いろんな曲作られるんだねえ。アレンジも良い仕事ですねえ。

では最後に本アルバムの総括を。

いやーDisc1のレベルを聴いて、新曲には若干の不安もあったけど、点数も思いのほか高くなったけど、やっぱりクオリティが異常に高いよ。

このレベルのアルバムをアイドルが出すって大事件じゃないかな?

今年のベストアルバムは決定したかもしれませんねえ。音楽性としてもかなりレベル高いし、凄いよ。このアルバムは全音楽ファン必携じゃないかな。

とにかくどんなファンにとっても楽しめる楽曲がいっぱいあるし、参ったね。これはしばらくヘビーローテだねえ。

超、オススメ!

特典映像編はコチラ↓

【欅坂46】 全曲レビュー⑥~『真っ白なものは汚したくなる』(特典映像編)
http://burning.doorblog.jp/archives/50446464.html

(2017.7.28 補記・追記)