”乃木坂46”の全曲レビューシリーズの第24弾です。

前作『逃げ水』は出足こそ前作割れとなってましたが、結果的には二曲連続のミリオンヒットを記録し、グループ自体は相変わらず勢いがありますね。11月7日、8日の「真夏の全国ツアー2017」の東京ドームでのファイナル公演を控え、トップアイドルとしてしっかり足固めをしている感じがします。

そんな彼女たちの映画「あさひなぐ」の主題歌でもある19th Singleとしてリリースされたのが『いつかできるから今日できる』ですね。

映画「あさひなぐ」は見に行く予定にしてますが、まだ見ておりませんので、純粋な楽曲としての評価を書きたいと思います。

映画を見ている前なので特典映像については映画を見てから確定版として、追記して記事をアップします。尚、MVも表題曲しか見れてないです。

いつも通り発売日前日にAMAZONから届いておりましたが、仕事がドタバタしている時期でしたので遅くなりましたが、ようやく聴き込みが終わったので、レビューを書きたいと思います。

勿論、今回も全タイプ購入です。

特典の生写真は”琴子”、”絢音”、”真夏”、”愛未ちゃん先輩”という組み合わせで三期生はナシでした。

さて、レビュー行きましょうか!

19th Single『いつかできるから今日できる』(2017年)

いつかできるから今日できる(4枚)

『いつかできるから今日できる』(表題曲)

「★★★」。



うーん、最初に「MUSIC STATION」で聴いたときからそこまで印象は変わってないですね。「ザ・乃木坂」って感じの曲調でメロウですし、決して悪くないんですけど、そこまで評価できてないんだよねえ・・・。映画を見ている人はその名場面とシンクロしたりして、評価が高くなりそうですが・・・。(僕も映画を見たら印象変わるかもね)

過去の楽曲と比べたら、普通の出来かな? メロディアスな楽曲は大好物ですし、『ハルジオンが咲く頃』以来となる”Akira Sunset”さんと『overture』の作曲でも有名な”京田誠一”さんの共作・編曲なので期待してたんですけどねえ。今年発売のシングルや過去のディスコグラフィーと比較しても心があまり踊らないんだよねえ。Aメロ~Bメロの展開なんかは面白いし、サビも悪くないんですけどねえ。

MVも映画のシーンを入れたりで、綺麗な映像でメンバーの美しさが際立っているけど、いかにものアイドル楽曲のMVで王道過ぎて、僕には少し物足りない感じなんだよねえ。僕はそもそも天邪鬼だし、特に映像の評価は感覚的なものになるので難しいけどね。

それでもクオリティは十分に高いし、ライブで聴くとまた印象も変わる気もするけどね。表題曲ではなんと7th Single『バレッタ』以来となる普通評価になっちゃいましたね。トップアイドルとして置きにいっている感じがするのも減点かな。沁みるメロディもあるし、良い曲なんだけどねえ。アレンジも無難なんだよねえ。

”西野”と二度目のセンターとなる”飛鳥”の組み合わせも良いんだけどねえ。今回はごめんなさい。

『不眠症』(全タイプ収録)

「★★★★」。

メンバーは”秋元真夏”、”生田絵梨花”、”生駒里奈”、”伊藤万理華”、”井上小百合”、”衛藤美彩”、”大園桃子”、”久保史緒里”、”齋藤飛鳥”、”桜井玲香”、”白石麻衣”、”新内眞衣”、”高山一実”、”西野七瀬”、”星野みなみ”、”堀未央奈”、”松村沙友理”、”山下美月”、”与田祐希”、”若月佑美”の20名です。

センターは三期生の”久保史緒里”と”山下美月”です。

非常に興味深いメンバー選定ですねえ。ここ数作の選抜常連メンバーにセンター経験者及び未来のセンター候補の三期生を4名加えた編成で、それこそ18thでの三期生Wセンターの流れを受けた選抜メンバーじゃないの?って勘ぐっちゃいそうですね。

今回の19thは三期生を選抜に入れずに「あさひなぐ」プロジェクトの選抜だったのは明白ですからね。このメンバー編成は明らかに意図を感じますね。

曲もスピード感があって、勇壮で芳醇なメロディが楽しめるし、なかなか良いんだよね。

これはライブで聴いてみたいよね。

作曲・編曲はいずれも”大貫和紀”さん、河原レオ”さん、”高木龍一”さんの共作です。”深川麻衣”さんのソロ曲『強がる蕾』以来の楽曲提供ですねえ。前はフォークソングだったけど、今回はロックの要素もあるし、アレンジも大仰になり過ぎない程度に冒険していて、効果的で良いですね。

『まあいいか?』(Type-A収録)

「★★★★」。



まさかの”秋元真夏”と”白石麻衣”のデュオ曲です。番組などでは対決場面もあったりして、意外な組み合わせなのかもしれないけど、実際は仲良いんだろうけどね。

サンバっぽいリズムをベースにした能天気に明るいポップソングにラップっぽい感じでVocalが乗る、冬シングルなのに夏っぽさ満点の曲になってますね。サビにかけて良い感じでまったり、ゆったりして和むのも良いんじゃない。

後半のメロディは結構沁みるし、クセになりそうな曲ですね。

作曲は”HRK”、編曲は”原広明”さんとなってますが、同一人物でクレジットだけ変えているみたいです。彼の楽曲提供作品では”東方神起”の『Together』くらいしか分からないな。

センス良い楽曲だとは思います。

『失恋お掃除人』(Type-B収録)

「★★★」。



突如結成された「若様軍団」のユニット曲です。メンバーは”若月佑美”を軍団長に、三期生の”梅澤美波”、”阪口珠美”、”山下美月”となかなか強メンが揃った構成です。

「必殺仕事人」っぽいビジュアルイメージの写真を見て、期待してたんですけどねえ。うーん、曲自体は歌謡曲っぽさがあるベタな感じがするアイドルポップですね。

”秋元康”さんがお遊び的にタイトルをつける時は名曲の期待が出来るフラグなんですけど、今回は空振りかな。それでもライブとかでは盛り上がりそうな気がします。

個人的には普通評価ですね。”づっきー”、”たまちゃん”、”みなみん”と三期生の贅沢なメンバーを率いての「若様軍団」ではありますが・・・ちょっと勿体ない気も・

作・編曲は”さいとうくにあき”さんで2nd Album「それぞれの椅子」収録の『失恋したら、顔を洗え!』以来ですね。

『My rule』(Type-C収録)

「★★★★」。



19th Singleアンダーメンバーによる楽曲でセンターは二度目のアンダーセンターとなる”樋口日奈”が務めていますね。前作のアンダー曲『アンダー』が歌詞、MVを含め、素晴らしかったのが災いして「★」を一つ減らしましたけど、今回もかなり良い曲ですよ。曲だけなら同レベルかもね。(歌詞、MVで『アンダー』は評価が上がっているからね)

今回のシングルでは一番のお気に入りかな。ギターが紡ぐ哀メロが一杯詰まったフレーズがグッとくるのもあって、かなり好きなんだけど、「★★★★★」まではつけられないかな。

ネットではアンダー楽曲の素晴らしさが語られているコメントも良く見かけますけど、大名曲『あの日 僕は咄嗟に嘘をついた』を筆頭に素晴らしい曲も一杯ありますけど、表題曲、カップリング曲とそこまで大きな差はないんじゃないかなと僕は思ってます。ハズレは少ないけどね。(まあ、そもそも”乃木坂46”の楽曲はハズレが少ないし、クオリティが高いですからね)

作・編曲は楽曲初提供となる”藤田卓也”さんですね。「ZAZA」に所属されている若そうな(?)クリエーターですね。”大江千里”に”KAN”が好みだそうでなかなか良いセンスでこれからも期待したいですね。

”ひなちま”はこういうのが本来合うんだろうね。初のアンダーセンター曲『シークレットグラフィティー』とはガラッと印象変わるけど、彼女はいろんな魅力を持っていて、長くアンダーにいるのが勿体ないね。そろそろ選抜に定着しても良さそうだけどね。三期生の勢いに負けないで独自のポジションを確立していってほしいね。

『僕の衝動』(Type-D収録)

「★★★★」。



既に4曲目となる三期生曲ですね。センターは”伊藤理々杏”ですね。三期生は某雑誌でも全員がセンターを張れるなんてコメントを見かけましたが、僕も全く同感です。

本体のセンターを務めた”大園”、”与田”は勿論ですが、”山下”、”久保”は次世代の”乃木坂46”を引っ張るエースとしての期待も大きいし、”理々杏”が5番手なんですかね。”梅澤”、”岩本”あたりは握手人気もエグイことになってますし、僕が最近気になっている”たまちゃん”にも頑張ってほしいしね。キラキラしている三期生はアンダーというハコには入れずに独自に展開していくのは良い決断だね。(”ひらがなけやき”もそうなりそうだね、アンダーという概念がなくなりそう)

三期生曲は『三番目の風』以降は可愛らしいアイドルポップが続いてましたけど、今回はカッコいい系というか、アニソンぽい勇壮でキャッチーなメロディが楽しめて手応えありますね。サビのところでのリズムの入れ方も良いですね。ラス前の「Oi~ Oi~」は『三番目の風』のコールと被りそうで良いよね。まあ、楽曲に合わないくらい、声が可愛すぎるところもあるけどね。

過去の三期生曲の中でもトップクラスの出来じゃないかな?

こちらも楽曲初提供となる”石井伸昂”さんの作・編曲ですね。アニソン、声優への楽曲提供が多い方みたいですけど、こういう良い作曲家って世に一杯いるんだよねえ。凄いね。

乃木坂三期生の底力を見せつけられた感じの楽曲ですね。彼女たちには輝かしい未来しかないね。

『新しい花粉~ミュージカル「見知らぬ世界」より~』(通常盤収録)

「★★★★」。

”乃木坂46”のディスコグラフィーでは二曲目となるミュージカル系の曲ですね。”生田絵梨花”と”久保史緒里”による舞台では無双状態になる二人のデュエットなんですけど、”生田”の声が強すぎて、ソロっぽく聴こえるのがちょっと残念かな。

『カメムシ』の時は普通評価にしたんですけど、今回はメロディの扇情力がかなり強くて、「★」一つプラスさせてもらいました。暗いんだけど、サビのメロディは本当に素晴らしいね。

正直言うと「★★★★★」の満点評価にしたいくらいのメロディ構成でねえ。個人的には本シングル収録曲では一番のお気に入りですね。個人的にはセリフはなくても良かったかなあ~。(それじゃミュージカルじゃないか~)

作曲はこちらも初提供となる”新田目翔”さんで大学院を出たインテリで徹底的に分析して楽曲作りをされるようで面白いクリエーターですね。その割にこれだけの扇情力のあるメロディが書けるのも凄いね。アレンジはお馴染みの”若田部誠”さんでやっぱり安心感があるし、素晴らしい仕事ですね。

では19th Singleの総括をしたいと思いますが、一言で述べると「手固い」ですねえ。18thの時も似たようなことを書いているんですけど、賛否両論が巻き起こりそうな楽曲やMVを出すのも面白い時期だと思うんですけどねえ。トップアイドルに君臨している”乃木坂46”が盤石とも言える横綱相撲を取っているだけなんですけどねえ。それはそれで凄いけど、面白味にかける気もします。

表題曲こそ「★★★」評価にしましたが、平均以上のクオリティを持つ楽曲が収録されていて、既存ファンにも、新規ファンにも安心の出来ですが、個人的にはもうちょっと冒険して欲しかったな。

姉妹グループの”欅坂46”の5thはあの”シライシ紗トリ”を起用して、『不協和音』とはまた違うロックテイストの楽曲で、MVではスーツスタイルで強烈なステップを踏みながら、過去の「笑わないアイドル」を笑い飛ばすように笑顔全開で振り切ってますからね。

そろそろ年間楽曲ベスト5を決めなきゃなあ。どちらもシングルではなく、アルバム収録曲がメインの戦いになりそうだなあ。悩む・・・。皆さんはどの曲が好きですか?

【ひとこと】 坂道シリーズ 2016年 楽曲ランキング一位は・・・
http://burning.doorblog.jp/archives/49003300.html