”乃木坂46”の全曲レビューシリーズの第28弾です。

当然のように、4年連続の紅白出場を決め、レコ大もV2が期待され、一般認知度の高まりと共にグループとしては坂道をまだ登っている印象ですが、2018年は過去最多となる7名の卒業と・・・、グループとしての勢いを左右しかねない分岐点に来ているとも捉えることが出来ます。

アイドルは儚い存在であり、いつまでもいる訳ではないことは当然理解しています。(サヨナラには強くなれませんが・・・)しかしながら、エースで”乃木坂46”がトップアイドルに躍進する原動力で、今やスターとなった”西野七瀬”の卒業は「乃木坂46の主人公」”生駒里奈”さん以上に衝撃を受けました。

そんな彼女のラストシングルは、当然のようにセンターで有終の美を飾ることとなり、2nd Album以来となるソロ曲も収録と、完全に卒業シングルとしてのパッケージになっています。11月に卒業する”若月佑美”も”西野”ほどではないにせよ、表題曲では二列目の裏センター、久々に「女子高カルテット」のカップリングも収録され、運営から愛されているのが良くわかります。(卒業セレモニーのチケットGetしました!)

とはいえ、トップアイドルが過去に目を向けているだけでは、そこで試合終了です。グループの未来を感じさせるカップリングも収録されていますので、そのあたりにも期待していきたいですね。

恒例の生写真は”あやティー”、”星野”、”向井”、”理々杏”という、可愛い系のラインアップでした。ではレビューいきましょう!

22th Single『帰り道は遠回りしたくなる』(2018年)
 
帰り道は遠回りしたくなる

『帰り道は遠回りしたくなる』(表題曲)



「★★★★★」。

既にMV公開時に少しコメントをしていますね。

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曲については『シンクロニシティ』っぽい感じの複雑な構成を持つトラックをベースに置きながら、かなり叙情的なメロディが乗る感じでかなり面白い作りですね。

しかし最初のAメロはかなり歌詞を詰め込んでいるし、途中のBメロでの低音パートは凄まじい声の低さでホラーかよってレベルだし、ブリッジはまた全然毛色の違うメロディだったりで、相当面白い作りで一筋縄ではいかない曲です。

その割にサビの締めはアイドルポップの王道的な感じだったりで、ヘンな感触があります。

一聴すると普通ぽく聴こえるかもしれないけど、かなり音楽的にレベルの高いことをやっていると思います。

【乃木坂46】 22th Single『帰り道は遠回りしたくなる』MV 公開中
http://burning.doorblog.jp/archives/52587842.html

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あれからかなり聴き込みましたが、MV公開時のコメントとほとんど感想は変わらないですね。

普遍的なアイドルポップのフォーマットに属する曲ではありますが、リズムの入れ方、曲展開の面白さなど、芳醇なメロディでコーティングされてはいますが、かなり緻密に計算されて作曲、編曲しているのは間違いないところですね。

特にBメロの低音パートが刺さりますね。サビへ切り替わる「ここではないどこかへ」の無音を上手く使ったリズムもそうですが、なんてことない感じの曲にしっかり深みを与えていて、かなり効果的な作りになっていると思いますね。

ブリッジも面白いし、そこからの流れも秀逸で、それでいて、”乃木坂46”らしさも感じられるのが素晴らしいし、やや低調に思えた今年の”乃木坂46”のリリースした全楽曲の中でもトップクラスの輝きを放っているように思います。

作曲は”ナスカ”か”シライシ紗トリ”さんかなと予想してましたが、アニメソングやアイドルソングを手がけられている”渡邉俊彦”さんという方で僕は全く知らなかったな。

アレンジは”渡邉俊彦”さんに加え、過去に”乃木坂46”では『風船は生きている』(編曲)、『忘却と美学』(作曲)に参加されている”早川博隆”の共編曲となっています。

初参加の作曲家の方がここまでグループコンセプトにピタッとはまった曲を書かれるのは凄いな~。「乃木坂工事中」のファン投票で1位に輝いた『サヨナラの意味』とはまた違った味わいがあって、良いですね。MVも感動的で綺麗にセンター”西野七瀬”を撮っていて、”若月”の活躍も沁みるし、”真夏”の「おかえり」の差し込みは本当に素晴らしいよね。”乃木坂46”との関わりも深い、”澤本嘉光”さんの脚本が効いているのかな?

これは文句なしで「★★★★★」の満点評価です。”西野七瀬”の卒業と希望に満ち溢れた旅立ちを祝うに十二分な名曲であり、この制作に関わった方、全員に感謝したいですね。

『キャラバンは眠らない』(全タイプ収録)



「★★★★」。

次世代とはいえ、そんなに遠くない”乃木坂46”の未来を担う16名による楽曲で、本シングルで最も注目していた、今後の”乃木坂46”を占ううえで大事な楽曲だと思います。

メンバーは3度の経験を持つ”齋藤飛鳥”をセンターに置き、”伊藤理々杏”、”岩本蓮加”、”梅澤美波”、”大園桃子”、”北野日奈子”、”久保史緒里”、”佐藤楓”、”鈴木絢音”、”寺田蘭世”、”樋口日奈”、”星野みなみ”、”堀未央奈”、”山下美月”、”与田祐希”、”渡辺みり愛”というメンバーになっています。

”渡辺みり愛”のみ選抜経験なしですが、MVでも結構フューチャーされていますので、そろそろ選抜入りのフラグでしょうかね?(『風船』でのアンダーセンターから、かなりのお預け状態ですけどね) MVも出来は悪くないと思いますが、16名をフューチャーするのは難しいよね。

歌詞はいかにもって、感じで好印象ですけどね。曲がな~、個人的には、前作の共通カップリングの『空扉』に近い印象なんだよね。明るくて、ポップでスピード感もあって、曲自体は決して悪くないんだけど、全体的にはイマイチなんですよね~。後でも記述するけど、本シングルはなかなか面白いテイストの曲が収録されていることもあってねえ。しかしながら、「★★★」までは下げられないかな。

作曲・編曲は初参加となる”CottON”ですが・・・誰???

メンバーの魅力に対して、楽曲が負けてる感じがするのが痛いのかな?

『つづく』(Type-A収録)



「★★★★」。

2nd Album「それぞれの椅子」収録の『光合成希望』以来の”西野七瀬”のソロ曲です。

ストリングスを主体としたバラードですが、メロディ自体は叙情的で好きなタイプなんですけど、サビでそこまで情動が揺さぶられる感じでもないのが惜しいですかね。

しかしながら、MVを意識したのか、それともMVで敢えて、そこに過去の”西野”のライブ映像を入れ、感動を生むようにフックをつけたのか、よくわかりませんが、このMVには表題曲以上に泣かされちゃいましたね。今となっては強烈に恥ずかしいと過去に酷評した『ごめんね、ずっと…』のMVですら、泣いちゃいそうです・・・。



どうしても感傷的になっちゃいますね。楽曲そのものだけでレビューすることが出来なかったので、評価は物凄く迷いましたが、「★★★★」にしておきます。

これで”西野”のソロ楽曲の評価は『ひとりよがり』、『釣り堀』が「★★★★★」で『ごめんね、ずっと…』、『もう少しの夢』、『光合成希望』、そして今回の『つづく』が「★★★★」になりましたね。でも、一番愛聴しているのは『ごめんね、ずっと…』だったりするんですよね。(今となっては『もう少しの夢』は「★★★」でも良かったかもしれませんが・・・)

作・編曲はお馴染みの”若田部誠”さんですね。

ライブでの披露は楽しみですね。個人的には卒業コンサートではもれなくソロ6曲やって欲しいっす。当たるかどうか分かんないけど、ライブビューイングも絶対やって欲しいな。

『日常』(Type-B収録)



「★★★★」。

22th アンダーメンバーによる楽曲で、センターは『アンダー』でのWセンターの経験はありますが、初の単独センターを務めることになった”北野日奈子”ですね。

個人的に”きいちゃん”には期待しかなくて、僕は勝手ながら、二期生トップは”堀”だけど、二期生エースは”きいちゃん”だと確信していて、”きいちゃん”の長期離脱は二期生の現在の不遇に大きな影を差したくらい、重要なポイントだと考えてます。

勿論、”堀”は人気メンバーで凄いんだけど、やっぱり”きいちゃん”と二人で二期生のトップ争いを続けていれば、二期生にはもっと早く陽が当たったように思うんだよね。

ここにきて”きいちゃん”は写真集発売もあり、勢いを取り戻しつつあり、嬉しいです。

前置きが長くなりましたが、そんな”きいちゃん”の初単独センター曲ですが、これが悪くないんだよね。

曲自体は”欅坂46”っぽいロックテイストを感じるんですが、リズムは変則的で”キスマイ”の『赤い果実』のような、僕も大好きな「ヴァイキング・メタル」っぽさがあって良いね。兵士が行進するような勇壮な楽曲が彼女たちらしくはないんだけど、僕の耳にはかなり刺さってきます。

作・編曲は”Akira Sunset”と、”野口大志”さんの共作となっています。”Akira Sunset”は久々だねえ~。流石だね~。いずれも「HOVERBOARD」所属のクリエーターですね。

いずれにしても、今回のアンダーメンバーは選抜での経験を積んだメンバーが成長していて、過去最強レベルに魅力的だと思うし、”北野日奈子”には注目だね!(アンダーライブのチケット取りたい!)

表題曲が素晴らしいから、カップリングが目立たないけど、これはかなりオススメですよ!

MVはごめんなさい。ちょっとピンときませんでした。

『告白の順番』(Type-C収録)



「★★★★」。

「女子高カルテット」と呼ばれる”秋元真夏”、”桜井玲香”、”中田花奈”、”若月佑美”によるユニット曲です。

この曲が軽めのブルーズっぽいテイストを盛り込んだ昭和歌謡っぽい曲調で良いんだよね。それでいてメロディはかなり構成力があって、かなり好きなんですよね。メリハリを効かせたアレンジもかなりキレてますよね。

初参加となる”安部純”さんの作・編曲です。様々なアーティストに、多くの楽曲提供をされているようで、Wikipediaでも調べましたけど、僕は『週末Not yet』くらいしか分からなかったな。

『週末Not yet』の100倍くらい凄い曲だと思いますね。MVも既視感はあるストーリー展開だけど、悪くない出来だと思いますよ。

これはライブで更に跳ねそうだねえ~。最高!

『ショパンの嘘つき』(Type-D収録)

「★★★★」。

”生田絵梨花”、”白石麻衣”、”松村沙友理”の3人によるユニット曲です。

タイトルからして、”生田絵梨花”をフューチャーした曲だとは思ってましたけど、ジャジーというのか、かなり実験的で面白い曲です。(特にAメロのバックトラックとか、サビ前の展開とか)

僕も大ファンの作曲家”山本加津彦”さんの作・編曲です。”乃木坂46”では名曲アルバムでも取り上げた『せっかちなかたつむり』以来ですかね。

【乃木坂46】 「名曲アルバム」⑰ 『せっかちなかたつむり』

”ゆいちゃんず”の『ゼンマイ仕掛けの夢』も彼の作品です。”けやき坂46”のアルバム収録曲で名曲『線香花火が消えるまで』を少し思い出す感じではありますが、いやー、最高だな。

僕の大好きな”山本加津彦”さんの曲の動画を貼っておきますね。





セリフが入るところも良いね。でもなぜ、この三人だったのかな?

『知りたいこと』(通常盤収録)

「★★★★」。

”齋藤飛鳥”、”星野みなみ”、”山下美月”、”与田祐希”によるユニット曲です。

これも思った以上に良い曲でねえ。デジタルポップっぽい疾走感が心地よいし、それぞれの歌唱の特徴も出ているし、2018年の『偶然を言い訳にして』、『でこぴん』あたりのラインを狙った感じなんでしょうかね?

23th以降の”乃木坂46”はいずれにせよ、”飛鳥”が核となるのは間違いないでしょうし、それを”与田”、”山下”あたりが支える構図にはなっていくと思いますので、固い組み合わせですが、ここに”みなみ”が割り込んでいるのは今後を見るうえで重要なポイントかもしれませんね。22thでシレッと福神復帰もしてますしね。

お馴染みのアレンジャー”佐々木裕”さんが作・編曲を手がけられています。

これもライブが楽しみですね~。今回はライブ映えしそうな曲が多いな~。

特典映像ですが、久々の選抜メンバー限定での個人PVですね。初のBlu-rayリリースということもあって、映像は綺麗なのですが、肝心の作品としての出来は今ひとつの印象です。

良かったのは、パワハラ西野が見れる「西野七瀬」、個人的にツボった「松村沙友理」、ほっこりさせられた冬っぽい佳作「衛藤美彩」、コンスタントに良い映像作品を出している「佐藤楓」あたりですかね。ロリータファッションにやられる「白石麻衣」も好きな人は多そうだね。

でも何と言っても目玉はType-D収録の「Documentary of 西野七瀬 〜あなたとあの季節に出逢えてよかった〜」一択ですね。これはメチャクチャ素晴らしい作品で正直、こればっかりリピートしてみてますよ。22thの選抜発表の裏側や年末音楽特番での楽屋風景などが見れるのも良いし、表現者、クリエーターとしての”西野七瀬”に触れることが出来、”生駒里奈”さん以上に周囲の方から愛される存在なんだなと改めて思いましたね。親交の深いメンバーのインタビューもかなりヤバイ出来です。

最後の『ごめんね、ずっと…』は生歌ですかね、完全に涙腺崩壊ですね。いやー、この映像を見るためだけでもType-Dは買ったほうがいいと思うくらいですね。

さて、今回のシングルの総括ですが、”西野七瀬”、”若月佑美”の卒業シングルというメッセージでの一点突破に見えますが、個人的には『インフルエンサー』以来、ずっと収録されていた三期生曲の収録が途絶えたのがトピックです。三期生を初めて選抜三列目で使ったこともそうですが、一時は別働隊的な活動もさせていましたが、完全にグループ本体の中心戦力になった現れであり、運営からの強いメッセージではないかな?

こうなると四期生の投入も時間の問題でしょうね。三期生登場時のような驚愕のインパクトは四期生には高いハードルになっちゃいましたね。(ひらがな二期生も今となっては凄い目利きだったけどね)

いずれにせよ、これからも応援するし、”きいちゃん”の復活もあったし、23thでは”みり愛”の選抜も期待できそうだし、”琴子”にもそろそろチャンスがなあ~・・・。

ダメダメ、今回のシングルはあくまで卒業シングルです。グループを牽引してくれた”西野七瀬”、”若月佑美”に対する感謝がまずは一番です。

その本質を見失わず、23th以降の新たなグループにも期待しつつ、素晴らしい最期をしっかり見届けたいね。年末の歌番組でタップリ聴くことになるだろうけど、今回の表題曲は本当に素晴らしいし、誇らしいね。

P.S.評価は表題曲のみ「★★★★★」にしましたが、『日常』、『告白の順番』、『ショパンの嘘つき』も「★★★★★」にしても良かったかもね・・・。

最近のサブで入る”蘭世”が美しすぎて、けしからん・・・そんな風に思えて仕方ないです。『バズリズム2』の観覧、行きゃあ良かったな・・・。