『キュン』

”日向坂46”が念願のシングルデビューを果たしました~。(パチパチ)

しかも女性アーティストの1st Singleによる初週売上枚数歴代1位(46.7万枚)を記録と華々しいデビューを飾りましたね。ちなみに2018年のオリコン年間ランキングが下記の通りです。

  1位:Teacher Teacher/AKB48 推定累積売上数:1,819,237
  2位:センチメンタルトレイン/AKB48 推定累積売上数:1,471,958
  3位:シンクロニシティ/乃木坂46 推定累積売上数:1,306,247
  4位:ジコチューで行こう!/乃木坂46 推定累積売上数:1,281,625
  5位:NO WAY MAN/AKB48 推定累積売上数:1,213,501
  6位:ジャーバージャ/AKB48 推定累積売上数:1,172,399
  7位:帰り道は遠回りしたくなる/乃木坂46 推定累積売上数:1,160,784
  8位:ガラスを割れ!/欅坂46 推定累積売上数:1,021,450
  9位:アンビバレント/欅坂46 推定累積売上数:970,268
10位:シンデレラガール/King & Prince 推定累積売上数:688,112
11位:夏疾風/嵐 推定累積売上数:538,150
12位:FAKE LOVE/Airplane pt.2/BTS (防弾少年団) 推定累積売上数:471,083

年間売上でトップ10に迫るレベルの売上を記録しているんですよね。「売上=ヒット」の時代ではありませんが、こりゃ「紅白」、「レコ大新人賞」も射程圏だね。

こないだ記事を書きましたけど、”日向坂46”が”AKB48”を「紅白」から引き摺り下ろすことになるかもしれませんね。

【日向坂46】 ”日向坂46”のライバルは・・・
http://burning.doorblog.jp/archives/53198950.html

今回もシングルはType-A、B、Cを購入、通常盤収録曲はダウンロードしました。尚、生写真は”富田”、”濱岸”、”高本”というラインアップでした。

では発売から少し遅れましたが、全曲レビューいきますね!

1st Single『キュン』(2019年)

『キュン』(表題曲)



「★★★」。

全メンバー参加の楽曲でセンターは二期生の”小坂菜緒”が務めています。

記念すべきデビュー曲なんですけどね。王道アイドルポップでとにかく明るくてキャッチーで聴いてて恥ずかしく感じるくらいで、最初からあまり印象が良くなかったんですよね。ご丁寧に曲間に萌えセリフまで入れちゃったりしてね。

”けやき坂46”名義でのアルバム「走り出す瞬間」を2018年の年間ベストアルバムに選出したほど素晴らしい出来だったこともあって、個人的にはレビュー前からネガティブに捉えてました。

【けやき坂46】 全曲レビュー①「走り出す瞬間」(新曲編)

【特集】 2018年 MY BEST SELECTION
http://burning.doorblog.jp/archives/52889906.html

聴き込んでいくと、派手めのシンセリフが繰り返され、当初は違和感があったけど、耳に馴染んでくるとそれが心地よくなってくるし、メロディ自体も決して悪くないし、パフォーマンスで縦に”小坂”と”ひなの”が並ぶ姿も壮観だし、デビューの期待も込め、「★★★★」評価にしようとも考えましたが、他の楽曲評価のバランスを考慮し、「★★★」にしておきます。

作・編曲は「坂道シリーズ」では”乃木坂46”の『扇風機』のアレンジ以来の参加となる”野村陽一郎”さんですね。アレンジャーとしての仕事が多い方ですね。関わった楽曲をWikiで一通り見ましたが、『キュン』が代表作になりそうですね。

王道アイドル路線を敢えて避けてきた「坂道シリーズ」が王道アイドルポップで攻めてきたことは個人的には驚きでしたけど、その路線で言えば『ひらがなで恋したい』があまりにも素晴らしかったこともあって、比較論的に評価が下がっているかもしれません。王道アイドルポップでも冒険は欲しいところですね。シンセリフくらいじゃ個人的には物足りません。

スタジオライブやMTVスペシャルライブでも見たけど、実際のライブでは跳ねるのかな? 全国握手会ライブで確認したいと思いますけど、僕は現時点ではそんなに好みの曲ではないです。彼女たちの良さ、個性を十二分に惹き出せてないと思います。好きな方、ゴメンね。

MVもザ・アイドルって感じの王道の仕上がりですね。綺麗な絵でメンバーも可愛く撮れているとは思うけど、面白味はないかな・・・。

『JOYFUL LOVE』(全タイプ収録)



「★★★★」。

こちらも全メンバー参加の楽曲ですね。残念ながら、レコーディングは”ひなの”加入前ですね。

「メチャカリ」のCMソングにも起用され、ライブでも既に定番となっている曲ですね。甘めのメロディではありますが、AORっぽい爽やかさも感じるミドルテンポの佳曲だと思いますね。

普通にキャッチーなメロディなんですけど、聴くたびに耳馴染みが良くなる感じがあって、スルメっぽい魅力もある長く楽しめそうな雰囲気です。

本作の作曲は”前迫潤哉”さん、Dr.Lilcom”のコンビですね。”前迫潤哉”さんは”けやき坂46”の『イマニミテイロ』、”乃木坂46”の『Another Ghost』、”欅坂46”の『W-KEYAKIZAKAの詩』、『ここにない足跡』なども手掛けられている方ですね。最近では”AKB48”の『NO WAY MAN』も彼の作品ですね。(『ここにない足跡』以外は”Yasutaka.Ishio”との共作です)

”Dr.Lilcom”は上記以外ですと”乃木坂46”の『憂鬱と風船ガム』、『空扉』を提供されていますね。

ライブで盛り上がるタイプの曲ではないと思いますが、僕は結構好きですね。タイアップでのプレゼントシングル的な扱いでしたけど、こうやって”日向坂46”名義で正式音源としてリリースされたのは嬉しいですよね。

MVも原色のグラデーション衣装も効果的だし、綺麗な映像で良いけど(特にプールでの映像の美しさは凄いね)、こちらも完全に王道アイドル路線ですね。撮影は中国かと思ってましたが、岐阜県の「養老天命反転地」というところみたいですね。行ってみたいな。

『耳に落ちる涙』(Type-A収録)

「★★★★★」。

こちらは一期生による楽曲ですね。センターは”加藤史帆”ですね。

今回のシングル収録曲では僕の最もお気に入りの楽曲です。

哀愁タップリの慟哭のメロディが堪らないし、サビの『耳に~』のフックが強烈でそこだけで涙がにじむような感じでかなりヤバイ出来ですね。Aメロ、Bメロも悪くないし、”かとし”の声がかなり効いてますね。

ブリッジがやや淡泊なのが残念なのと、もう少し全体的にグッとくる構成になっていれば、今年のベストチューン候補になりそうでしたけどね。でも素晴らしい楽曲だと思いますよ。

作曲は”西井昌明”さんという方で「坂道シリーズ」は初参加ですね。大阪のクリエーターみたいですけど、このメロディセンスは期待大ですね。編曲はお馴染みの”若田部誠”さんで手堅いけど、もうちょっと冒険しても良かったように思います。

『耳に落ちる涙』はそんなにライブ映えはしなさそうだけど、僕は100%感動しちゃうな。MVがないのが残念に思える秀逸な出来です。

『Footsteps』(Type-B収録)



『★★★★』。

こちらは”加藤史帆”、”佐々木久美”、”佐々木美玲”、”高本彩花”、”小坂菜緒”のユニット曲です。センターは史上初ですかね、”高本彩花”が務めています。

軽快なリズムの上で流暢なメロディが流れる「坂道シリーズ」得意の楽曲パターンですけど、曲の全体的な明るさがグループのコンセプトにも合ってますね。最初は「★★★」評価にしようかなとも思いましたが、”乃木坂46”の『シークレットグラフィティー』っぽい昭和っぽいメロディも好印象だったので★一つおまけしました。

作・編曲を手掛ける”野井洋児”さんは「坂道シリーズ」初参加で僕が知る中では”BOA”の佳曲『七色の明日~brand new beat~』くらいかな。でも良いメロディだし、効果的なアレンジになっていると思いますね。

”おたけ”推しの人は必聴だね。

MVはこちらも王道アイドルっぽい作りですね。

『ときめき草』(Type-C収録)



「★★★」。

こちらも全メンバーによる楽曲ですね。こちらもセンターは”こさかなちゃん”ですね。

哀愁度の高いメロディを持つ曲でファンからは人気っぽいですけど、個人的には同系統のメロディを持つ『耳に落ちる涙』と比べたのが大きいと思いますけど、普通評価にしちゃいましたね。サビのメロディがやや単調に感じちゃいますね。もう一捻り欲しかった感じです。「ときめき草」というタイトルが良いだけに、メロディがちと残念に感じちゃう。

でもライブではかなり盛り上がりそうだし、後半の畳み掛けるような流れはグッとくるし、十分に高品質なんですけどね。まあ、好みの問題かもしれませんね。

作・編曲”は御子柴リョーマ”さんというクリエーターが手がけられています。Twitterに書かれていた「ただのサラリーマン」って本当ですかね?

”美鈴”の声が強く印象に残ります。

『沈黙が愛なら』(通常盤収録)

「★★★★」。

こちらは二期生による楽曲ですね。こちらもセンターは”こさかな”ですね。名曲『半分の記憶』と同じようなポジションですね。

二期生曲はハズレなしなので期待してましたけど、過去の二期生曲の名曲と比べるとやや落ちちゃうかもね。でも十分に良い曲だよね。

かなり考えられていて、フックもしっかりあって、美味しいメロディ展開もあるので、好きなんですけどね。「★★★★★」まではいかないかな?

作・編曲は”けやき坂46”のアルバム収録曲『ハロウィンのカボチャが割れた』も提供された”サトウシンゴ”さんですね。尚、編曲は”長田直也”さんとの共作ですね。

ブリッジ部分の早口パートも効果的だし、「走り出す瞬間」に収録されていても良いような雰囲気とクオリティですので、個人的には好印象ですね。

さて、特典映像「けやき坂46ストーリー ~ひなたのほうへ~」については二回ほど見ました。

完全に「Documentary」でメンバー一人一人の歴史を、キャラクターを振り返るような感じでドラマティックな仕上がりになっています。”けやき坂46”時代に区切りをつけるような感じですので、新人ぽさは皆無ですけどね。メンバーの影の部分をフューチャーしていて、しっかり一本のドラマとして仕上げているので、推しは更に推しちゃうんじゃないかな。これは何度も見ちゃうし、かなり良い出来だと思いますね。いやー気合入っているなあ。最初の”井口”から感動です!

どれも良かったけど、特に良かったのは”佐々木美玲”、”井口眞緒”、”柿崎芽実”、”加藤史帆”、”佐々木久美”、”宮田愛萌”、”富田鈴花”(推し補正あり)あたりですかね。

”宮田愛萌”の初の二期生曲『半分の記憶』でのポジション発表の場面は衝撃的だったな。いやー、仲良く見えるし、実際仲良いんだろうけど、裏ではいろんな厳しい戦いがあるんだよね。

”高本彩花”の”長濱ねる”への想いを語る場面はグッと来たな~。やっぱりこうやってみていくと彼女たちの置かれた漢字欅のアンダー的な位置づけ、二期生追加、”ねる”の漢字専任は大きな出来事だったんだね。その辛い時期があったからこその「ハッピーオーラ」なのかな? 影が深いほど、光を放つものだし、残酷かもしれないけど、その歴史も今となっては美しいですね。

最後に1st Singleの総括です。

王道アイドルポップ『キュン』を主体にしたシングルではありますが、カップリングは「坂道シリーズ」定番の哀メロチューンが多くて、楽曲の路線自体は”けやき坂46”時代と大きく変わってないので安心しました。MVは露骨に王道アイドルのMVを意識的に制作していることもあって、作品としての深みや面白さは感じられませんが、これはこれで戦略的にはOKなんでしょう。(僕の好みではありませんが・・・)

とはいえ、楽曲クオリティで言えば、至極の出来だったアルバムに比べるとやや落ちるかもしれません。しかしながら、「★★★」評価にした楽曲も「★★★★」にするか、悩んだうえで評価をつけているのでちょっとした好みの問題かもしれません。

でも彼女たちの勢い、個性に対して、楽曲が負けてしまっている印象はありますね。その意味でもガツンと来るような名曲が欲しいね。既にライブでは強力に盛り上がるチューンがタップリあるし、そこに割り込んでくるような曲を制作するというのはかなり高いハードルかもしれないけど、僕はそれを期待したいし、あっさり乗り越えてくれそうな勢いを”日向坂46”には感じるんだよね。

いずれにせよ、今年最注目の新人ですし、音楽ファンの皆さん、要チェックですよ!

P.S.タイトルデザインもジャケ写も完全に王道アイドル路線だね。気が早いけど、”上村ひなの”が本格参戦するであろう2ndは更に期待かもね。GWの全国握手会が楽しみ!

キュン(TYPE-A)
日向坂46
SMR
2019-03-27


キュン(TYPE-B)
日向坂46
SMR
2019-03-27


キュン(TYPE-C)
日向坂46
SMR
2019-03-27


キュン(通常盤)
日向坂46
SMR
2019-03-27