【欅坂46】 全曲レビュー「黒い羊」

【欅坂46】 全曲レビュー⑩~『黒い羊』(暫定版)
http://burning.doorblog.jp/archives/53092845.html

遅くなってしまいましたが、ようやく確定版をアップします。

しかしライブ当たらんな~。

アニラは勿論、東京スペシャルもアッサリ落選、連敗続きですよ。(逆に”乃木坂46”は最近当たりまくってるんですけどね。)

暫定版で書き忘れちゃいましたが、今回もType-A、B、C、Dを購入、通常盤収録曲はダウンロードしました。生写真は”上村”、”石森”、”高本”、”平手”というラインアップでした。

楽曲自体の評価に変化はありませんが、特典映像中心に追記していきますね。

【欅坂46】 8th Single 発売決定!

【欅坂46】 8th Single『黒い羊』MV公開中

「坂道合同オーディション」を終え、二期生が加入しましたが、メンバーの相次ぐ卒業等、アンダー的な位置づけであった”日向坂46”の別グループ化、”欅坂46”というグループ自体が大きく揺らいでいる中、負傷したセンター”平手友梨奈”の復帰を経て、ようやくリリースされたシングルって感じですよね。(遅れてなければ、春シングルに『ごめんね クリスマス』なんて曲は入れないよね。)

リリース遅れの影響がそのまま収録曲にも出ているのは、メンバーが多忙で録り直す時間的な余裕がない、もしくは制作サイド(”秋元康”さんかな)の問題もあるんでしょうけどね。

作品がちゃんとリリースされるのは嬉しいですが、年3枚のシングルをリリースしている”乃木坂46”に比べ、”欅坂46”は既に年2枚のシングルリリースとなっていますね。(3枚出す予定で進めていたが、2017年はアルバムリリースに過酷なライブツアーによるメンバーの消耗、2018年は平手の負傷でずれ込みが続いているのかもしれません)

個人的には”欅坂46”は、アイドルとしてではなく、アーティストとして捉えているので、年3枚のシングルリリース、握手会などよりも、アルバム制作やライブを重視して欲しいと考えてますけどね。

ではレビューへいきましょう!

8th SIngle『黒い羊』(2019年)

『黒い羊』(表題曲)



「★★★★★」。

”欅坂46”の8th SIngle選抜メンバーによる表題曲ですね。

最初の印象は表題曲にしては暗すぎる、メロディが今ひとつ・・・そんな感想を持っていました。ですので、今回の全曲レビューではポジティブな評価は出来そうにないと思ってたんですけどねえ。

いやいや、まさしく「スルメ曲」ですね。

聴けば聴くほど、メロディや歌詞が心の奥深いところまで沁み込んでくる感覚があるし、曲が持つ悲しみ、切なさが増幅していくんですよね。

特に「全部、僕のせいだ」、ラス前の無音パートを挟んでからの「白い羊~」部分は鳥肌モノの恐怖とか悲しみが溢れ出るようで、身体が震えるような感覚に陥ります。

当初は何故メンバーがこんなに暗い『黒い羊』を絶賛している、涙を流しているのか、今ひとつ分からなかったのですが、今となっては少し理解できた気がします。

これは”ナスカ”の素晴らしいソングライティングと秀逸なアレンジが大きな手柄なんでしょうけど、絶対的センター”平手友梨奈”の天才的な表現力も大きな影響を与えているように思えます。

”ナスカ”は2017年の「My Best Selection」のソングライター部門で1位にした大好きなソングライターです。それは『エキセントリック』、『危なっかしい計画』があまりに素晴らしすぎて、その音楽的な新しさに身震いさせられたんですけどね。

2018年はその”ナスカ”のペンによる”乃木坂46”の『ジコチューで行こう!』が典型的なアイドルポップであまりに捻りがなく、「そのジャンルも出来るのね」くらいでガックリしたんですよね。聴き込みましたが、アーティスティックな要素は皆無で、個人的に印象は良くなかったんですけどね。いやー、これは凄いな。

この世界観、深みの凄さをどれだけ世間で評価されるかは何とも言えませんが、アイドルがリリースする曲じゃないし、このクオリティには降参ですね。文句なしの満点評価にしました。ライブでもノリノリのファンを一斉に地蔵にしてしまうような強烈な世界観が繰り広げられ、ライブでこそ、実力を発揮する恐ろしい曲ですね。

流石です。どこまで世間で評価されるのかが楽しみですね。

MVも歌詞、曲と同一の世界観であり、解釈は人それぞれとしてもグッとくる出来だと思います。

『君に話しておきたいこと』(全タイプ収録)



「★★★」。

こちらは既に別グループとして動き出す”けやき坂46”(”日向坂46”)の楽曲で「CoCo壱番屋」のCMソングにも起用されていましたし、昨年末の「ひらがなくりすます」でも披露されましたね。

尚、センターは二期生の”小坂菜緒”ですね。

曲自体は悪くないし、爽やかなメロディも楽しめるんだけど、この刺激的なシングルの中では普通評価になっちゃうかな。ライブでもさほど伸びしろは感じなかったのも減点ですね。

個人的には”前迫潤哉、Dr.Lilcom”のペンによる『JOYFUL LOVE』のほうが好きですね。



作・編曲は『それが大事』で180万枚ものメガヒットを記録した”大事MANブラザーズバンド”の”立川俊之”さんですね。こないだの”吉本坂46”のデビューシングルでの元”チェッカーズ”の”鶴久政治”さんの起用もそうですが、いろんな作曲家が取り上げられることは良いと思います。

彼女たちにはデビューシングル『キュン』に期待したいねって、既に『キュン』のレビューを書いてましたね。

【日向坂46】 全曲レビュー①~『キュン』
http://burning.doorblog.jp/archives/53219563.html

『Nobody』(Type-A収録)



「★★★★」。

”欅坂46”の8th SIngle選抜メンバーによる表題曲ですね。

ブルーズっぽいテイストを持っている古めのロックソングで、かなり楽しめる曲ですし、結構好きなんですけど、満点まではいかないかな。

尚、作曲は”Dr.Kay、Gold Driver、BonoBono”となっていますが、不明です。海外のコンポーザーかと思いましたが、そうではなさそうですね。

編曲の”APAZZI”さんが良い仕事をされているように思いますね。

ライブでも最高だったし、満点評価にしようとも思ったけどね。70~80年代のロックテイストを感じるMVも素晴らしいし、これはヤバイ出来です。

個人的にはこの路線の楽曲を毎シングル収録して欲しいくらいです。

『抱きしめてやる』(Type-B収録)

「★★★★」。

こちらも”けやき坂46”(日向坂46)の新曲ですね。センターは二期生の”小坂菜緒”でしたね。

実は最初にラジオか何かの音源を聴いた時から、ガッツポーズものだったんですよね。

個人的にはサビでドラムがビートを刻む、スピード感が堪らないです。とはいえ、メタルというよりはパンクっぽい感じで音自体はかなり軽めで、メロディ自体も甘々ですし、展開がプログレっぽい部分もあるけど、うまく整合性を取った感じがします。

ある種、計算し尽くされた、ヘンな曲ではありますね。尚、こちらの作曲は”欅坂46”ファンにはお馴染みの”バグベア”でしたね。アレンジも常連の”若田部誠”さんですね。

最初は「★★★★★」にするつもりでしたが、聴き込むごとに音の軽さが気になって、★1つ減点しました。

ライブでも盛り上がってましたが、スピード感についていけてないファンが多かったような気もします。僕はサイリュウムを持ちながら、ヘドバンしてましたけどね。

『ヒールの高さ』(Type-C収録)



「★★★★」。

”菅井友香、守屋茜”のキャプテン、副キャプテンのユニット曲ですね。

ドラマティックな展開も素晴らしいし、メロディも十分に魅力的だし、シンセサイザーを効果的に使い、リズムのキレが良いし、イマドキっぽい感じです。

二人の声も改めて聴くと良いね。

「坂道シリーズ」初参加となる、”ヤマハミュージックエンターテインメントホールディングス所属の鶴﨑輝一”さんが作・編曲を手掛けられています。

MVは二人の魅力をしっかり伝えているし、静止画をうまく使ったりで良い仕上がりだと思います。

ライブでも盛り上がってましたし、今回のシングルで最も過去の”欅坂46”の楽曲のテイストに近い曲ではないでしょうかね?

『ごめんね クリスマス』(Type-D収録)



「★★★★★」。

ユニット曲ですね。

尚、メンツは”上村莉菜”、”尾関梨香”、”長沢菜々香”、”渡辺梨加”とややフワフワしたような可愛さを持つメンバーが選出されてますね。仲良しコンビを2つ組み合わせたような感じなんでしょうかね。

仲良しコンビが『会いに行けなくてごめんね、最後のクリスマス』なんて歌うのは面白い世界観ではありますけどね。

このメロディの扇情力が凄まじくて、完全にノックアウトさせられましたね。

声の組み合わせも素晴らしくてさ。特に”むー”、”ぺーちゃん”の声が良いね。

この曲が2018年のクリスマスまでにリリースされていたら、めちゃくちゃヘビロテしてたと思います。

作曲は『微笑みが悲しい』以来となる”フジノタカフミ”さんですね。”乃木坂46”の『春のメロディー』、『太陽に口説かれて』、”NMB48”の『イビサガール』も彼の作品ですね。

アレンジも”島田尚”さんとの共編曲となってますね。

ライブも意外に盛り上がったんだよね~最高!

MVも歌詞、メロディに合った世界観だし、一人一人の魅力が出ていて良いんじゃないかな。

『否定した未来』

「★★★」。

2nd Single収録の『また会ってください』、1st Album収録の『100年待てば』”長濱ねる”のソロですね。”ねる”の声にあった、可愛らしい曲ですね。

メロディは難解な組み立てなんですが、フレンチポップっぽい都会的で洗練された楽曲ですし、スカっぽいリズムが合わさり、耳に心地よく感じさせるのは、かなり考えて作られている感じがします。

「坂道シリーズ」では”乃木坂46”の『地球が丸いなら』を楽曲提供された”山下孝之”さんの作曲・編曲です。ケーナ演奏家としても有名な方みたいですね。こういう曲も作られるんですね。



個人的にはそこまで好みの曲ではないので、普通評価にしましたが、決して悪い曲ではないと思います。全握ミニライブではひたすら可愛かったけどね。

これが”ねる”の卒業曲になるとは思いもしなかったな~。

【欅坂46】 長濱ねる 卒業発表!!!!!

【名曲】 長濱ねる 『100年待てば』
http://burning.doorblog.jp/archives/53118060.html

特典映像についてはMVは上に追記してましたので、そちらをご覧ください。

「KEYAKI HOUSE」はぬるさ、ゆるさの極致でしたが、これはこれで楽しめましたね。料理の上手いメンバーが意外だったり・・・”尾関”作の手羽先が美味しそうだったな。

「欅共和国2017」を楽しそうに見るメンバーの姿が個人的には一番良かったかな。『PARCO~』で恥ずかしそうに一時停止する”平手”とか、『割れたスマホ』で爆笑するメンバーとかね。

他にも”佐藤”が一生懸命喋っている横でけん玉をする”土生”も面白かったな。

「坂道テレビ」でも流れてましたが、最後にみんながプールに入ってはしゃぐのも面白かったですね。「水中 不協和音」からの「水中 アンビバレント」はファン必見だね。

この企画は「坂道シリーズ」全部でやって欲しいね。

”けやき坂46”の特典映像は「けやきちゃんと。」です。インタビューを中心に進行していきます。”くみてん”の夢に出てくる”けやきちゃん”の話を核にして、いろいろとメンバーの想いが聴けるのが興味深いですね。”井口”のインタビュー中、話している途中でブチ切ったのは面白かったな。最後にメンバーが”くみてん”の話をして終わるのがグッと来ましたね。

欅坂46二期生の特典映像「Avenir」は3人一組でそれぞれ自己紹介をメインにゆるく進行していく感じですね。最近は”保乃”ちゃんと”夏鈴”ちゃんが気になります。尚、「Avenir」とはフランス語で「未来」の意味だそうです。

「ひなのなの」は勿論、”ひなの”の自己紹介的な映像です。可愛くて文句なしですね。

8th Singleを総括するとやっぱり表題曲『黒い羊』が凄すぎます。

どんな風に世間評価されるのかが楽しみですが、決して耳当たりの良い曲ではありませんので、チャート的には苦戦しそうなんですが、こんな曲が全うに評価される時代が僕は来てほしいと願ってますね。(暗いだけなんて最初に書いたのは大反省ですね)

一応書いておくと、好みの曲ではありません。しかし、全体的な芸術性の高い完成度に脱帽し、圧倒され、評価せざるを得ないという意味です。『不協和音』もそれに近いかもしれません。

「心の底から好きと言えないけど、心が揺さぶられる」

そんな感じですかね。

カップリングではメロディ派必聴の『ごめんね クリスマス』が一番好きですね。これは季節外れ云々関係なく、個人的に今年のベストチューン候補になりますね。

『Nobody』の持つ、古式ロックの素晴らしさは「★★★★★」にしようか悩んだけど、初志貫徹で評価は変えませんでしたが、本当にカッコいいよね!

『ヒールの高さ』、『抱きしめてやる』はライブでも映えるし、やっぱり全体的なクオリティは異常に高いですね。

全国握手会のミニライブでも圧倒的だったのは『黒い羊』で『Nobody』もかなりのものでしたね。
※詳細は下記の記事をご覧ください

【欅坂46】 8th Single『黒い羊』発売記念 全国握手会 @幕張メッセ(千葉)
http://burning.doorblog.jp/archives/53114549.html
 
「坂道シリーズ」内でも圧倒的な芸術性、ロック性を合わせ持つ彼女たちには、音楽的に最も大きな期待をしていますが、二期生の投入でどんな新たな色を魅せてくれるのか、それも楽しみですね。

ライブ全然当たらないので、映像作品にも期待してますよ!

P.S.素の”平手”が「KEYAKI HOUSE」で見れて、ホッとしたな。カリスマなんて言われても普通の女の子だもんね。