今回の名盤レビューは”HAWAIIAN6”の2002年発表の1st フルAlbum「SOULS」を紹介します。

HAWAIIAN6「SOULS」

すっかり「坂道シリーズ」のブログのようになってますが、あくまで音楽評論ブログだと思ってます(笑)

「坂道シリーズ」の一番の魅力は音楽にあり、ライブは特に素晴らしいし、それでいて推せるメンバーがたくさんいるというのが凄いところかなと思ってます。ですので、あくまで音楽ファンとして好きです。(写真集等は一切買ってません)

ですので、このお盆休みはいろいろと音楽記事を書きたいと考えてます。

メロディ派で「HM/HR」やJ-Popを中心に音楽を聴いてますけど、ちょっと好みとは違うジャンルではあるんですけど、個人的名盤を今回は取り上げてみたいと思います。

”HAWAIIAN6”は日本のスリーピースバンドです。ジャンルで言うと「メロコア」ですかね。

「メロコア」とはメロディック・ハードコア (Melodic Hardcore)の略なんですけど、僕自身はメロディ派を公言してますけど、ことハードコアについては全く興味がないんですよね。

”Napalm Death”とかさ、世界一速い曲と呼ばれた『You Suffer』とかさ、ネタ的には聴いて大笑いしたこともあるけど、もはや曲じゃないしね。



パンクもそうなんだけど、アティチュード重視で音楽的な魅力が薄いケースが多いんだよね。音も軽かったりするしね。

とはいえ、メロディを重視する「メロコア」は過去にレビューでも取り上げてますけど、ピンポイントで好きな曲やアルバムがある程度ですので、そこまで好きなジャンルではないですね。

【名曲】 Offspring 『The Meaning Of Life』



そんな僕が大好きなメロコアの名盤が”HAWAIIAN6”の1st Full Album「SOULS」です。

ひたすら疾走していて、しかもメロディがクサくて、殺傷力、扇情力が強烈でリリースから20年近く経った今でも聴いてますね。

では全曲レビュー行きます!

01.『LIGHT AND SHADOW』

「★★★★★」



オープニングから強烈な疾走感です。

音が軽いのが「HM/HRマニア」の僕からすると少し気になるところではありますが、メロディの泣きが強烈なのでそんなの関係ないくらいエモいです。エモ過ぎて気持ち悪くなりそうなくらいの名曲です。

ギターがザクザクリフを刻みながら、慟哭のメロディが展開するのは本アルバムの基本ラインですが、その最も美味しいところが聴ける一曲だと思いますね。

02.『AN APPLE OF DISCHORD』

「★★★★★」

入りこそ、スローでややメロウな展開で始まるものの、Bメロからは一曲目の『LIGHT AND SHADOW』の勢いを落とすことなく、こちらも一気に突っ走っていきますね。メロディの起伏も十分で少しスローに展開する流れもかなりカッコいい!

後半部分もガンガンに叩くドラムに乗せ、メロディ展開も秀逸でしっかり盛り上がって終了です。

この2曲で既に完全にハートをガッチリつかまれた感じがしましたね。

歌詞は反戦のメッセージを持つそうですが、そんなのは関係なく、普通に良い曲だと思います。

03.『THE BLACK CROWS LULLABY』

「★★★★★」

いきなりの爆音スタートの3曲目ですが、歌謡曲的なクサめのメロディに派手なリズムセクションが絡む佳曲ですね。

サビのウネリのあるメロディはどこかで聴いたこともありそうなんですけど、そんなの関係なく、ヘドバンしたくなります。

味わい深いBメロ~サビのメロディ展開が最高です。こちらもギターソロは欲しかったな~。

04.『ETERNAL WISH, TWINKLE STAR』

「★★★★★」

本アルバムでも最もファストなチェーンじゃないかな?

クサいメロディでひたすら疾走する感じが最高で、極め付けっぽい感じで叩きのめされます。

リズムチェンジしてからの重めの展開も良いね。

個人的にはここまでで既に昇天している感じですね。

爆音とスピードに包まれるのが最高!

05.『FLOWER』

「★★★★」

ここまで暗めのメロディが続いてましたが、少し明るい感じのメロディで雰囲気が変わります。

リフ展開は引き続きカッコいいです。

ロックンロールっぽいテイストがあって、サビはシンガロング系の流れで一緒に歌いたくなる感じも良いですね。

06.『MY UNIVERSE』

「★★★★★」

またも一気にギアを上げ、突進型のファストチューンですね。これも良い曲だね。

メインリフがかなりカッコいいんですけど、それでいてサビのメロディが複雑な組み立てなんですけど、クサくて沁みるのも凄い!

途中のオイパンクっぽいパートも効果的ですね。

07.『TINY SOUL』

「★★★」

バンドは元々”Hi-STANDARD”のコピーバンドから活動をスタートしたそうなのですが、その”Hi-STANDARD”の”横山健”さんが楽曲を提供したのも一部界隈では話題になりましたね。

1分ちょっとの凄い短い曲ですが、勢いは凄いですし、メロディも少し単調ですが、聴いてて爽快感があるので好きな人も多そうですけどね。

08.『YOUR SONG』

「★★★★」

展開がやや複雑ではありますが、こちらも基本的に突っ走るファストチューンです。

泣けるメロディもあるし、キレの良いリズムも良いし、十二分に楽しめます。

サビのコーラスの畳み掛けも良いね。

3分ちょっとあって、本作では長めの曲なんですけど、もうちょっと聴きたい気もします。

09.『CHURCH』

「★★★★」

スタートこそ「バラード?」って雰囲気ですが、すぐにリフが切り込んできて、突っ走っていきます。

演歌(艶歌)と比較したくなるような艶っぽいメロディが楽しめ、ブリッジの展開なんかも大仰なんですけどね。それがクセになっていきます。

リフもカッコいい!

最後は”Metallica”っぽい太めの演奏で終了するのは笑っちゃうけど、それも良いね。

10.『AUTUMN LEAVES』

「★★★★」

シャンソンのスタンダード曲『枯葉』(原題:Les Feuilles mortes)のカバーです。

入りの部分はそれっぽいムードを感じますが、すぐに疾走していくので、笑っちゃいますけどね。

メロディは言うまでもなく最高だし、物悲しいメロディが疾走していくのは凄いカタルシスです。

本アルバムの中では良いアクセントになっていると思いますよ。

11.『PROMISE』

「★★★★」

こちらもやや明るめのメロディを持ち、ポップな雰囲気もあるシンガロング系のロックナンバーですね。

それでもボーカルメロディの展開は一筋縄ではいかなく、フックになってますね。スピードこそ抑え目ですけど、十分に魅力的です。歌唱のバックの切り刻むリフが面白い!

ラストは大団円的な感じのコーラスで盛り上がって終了ですね。

12.『HEARTBEAT SYMPHONY』

「★★★★」

ここまでにないテイストのJ-Popっぽい感じのスタートです。リズムセクションも疾走することなく、普通に進行していきます。

その意味でも本作で最も異彩を放つ曲かもしれません。

サビのフックはなかなか強烈です。

メロディは相変わらず畝っていて、心地いいんですが、後半に入り、疲労感も出る中で良い感じで一息つけるようにも思います。

個人的には満点評価にしたいくらいお気に入り。

13.『DISTANCE』

「★★★」

こちらも疾走チューンです。

全体的にメロディがやや弱いのが残念かな。

ややスローなブリッジの展開から、後半一気に畳み掛けるのは面白いですけどね。

14.『A LOVE SONG』

「★★★★」

ラストナンバーです。勿論、疾走してます。

明るめのメロディで中盤以降はコーラスも入り、より盛り上がっていく感じですね。

サビ以降のブリッジのメロディとリズム展開も面白いです。

14曲で37分。このスピード感が堪らないのは勿論ですが、合わせて慟哭の泣きのメロディが堪能できるのが最高です。

特にアルバム前半(01~04)の充実度が凄くて、僕にとっては清涼飲料水のような威力をいつでも発揮してくれますね。似たような曲が続くし、丸々聴くと少し疲労感も出るかもしれないけど、僕にとっては”Offspring”の「Ixnay on the Hombre」と”HAWAIIAN6”の「SOULS」は僕にとってのメロコア最高峰の1枚として記憶に刻まれてます。

「疾走感」、「慟哭のメロディ」、このあたりに興味を持ってくれた人は是非、一度視聴してみて欲しいな。

P.S.『LIGHT AND SHADOW』を聴いて良いなと思った人、ほとんどそんな曲ばっかですよ(爆笑)

SOULS
HAWAIIAN6
PiZZA OF DEATH RECORD
2002-08-07


SOULS
PIZZA OF DEATH RECORDS
2010-06-09