前回に引き続き、”HOUND DOG”特集の第5回目です。こちらで最終回となります。
今回の名曲レビューは”HOUND DOG”の1985年発表の9th Album(オリジナルアルバムとしては7thですが、当時バンドはライブアルバムも含め、枚数を換算していたので、それに準拠します)「SPIRITS!」収録の『ラスト・シ-ン』を紹介します。
【名曲】 HOUND DOG 『BRIDGE〜あの橋をわたるとき〜』
【名曲】 HOUND DOG 『Only Love』
http://burning.doorblog.jp/archives/54549943.html
【名曲】 HOUND DOG 『AMBITIOUS』
http://burning.doorblog.jp/archives/54552565.html
【名曲】 HOUND DOG 『嵐の金曜日』
http://burning.doorblog.jp/archives/54556714.html
当初、”HOUND DOG”の特集記事は3回か4回は書こうと思ってる、なんて書いてましたが、結局5回になっちゃいました。
また時系列で過去に遡りながら書きますと言いながら、デビュー曲を取り上げた後に、最後の最後は彼らの最も有名な楽曲『ff (フォルティシモ)』と同時リリースとなったアルバム収録曲を紹介し、本特集をエンドとします。
最後なので、彼らの悲しい終焉について書きたいと思います。
2005年、当時の所属事務所「マザーエンタープライズ」と”大友”氏の間で確執が生まれます。
俳優としての仕事も並行していた”大友”氏は個人事務所「イエホック(iehok)」を設立し、4月に独立します。
それを受け、「マザーエンタープライズ」は2005年7月の日本武道館公演をもって、”HOUND DOG”に関する一切の業務を終了する事を発表します。
メンバーを全員「イエホック」に移籍させ、バンド活動を継続したかった”大友”氏はそれに反発するのですが、事務所移籍に消極的だった”蓑輪”氏、”鮫島”氏がバンドを脱退します。
「バンド内に将来に対する考え方の違いが生まれた」と「イエホック」は二人の脱退を表明するのですが、”蓑輪”、”鮫島”の両氏は「脱退はしていない」とコメントし、その後、法廷闘争へもつれ込みます。
俳優としての仕事も並行していた”大友”氏は個人事務所「イエホック(iehok)」を設立し、4月に独立します。
それを受け、「マザーエンタープライズ」は2005年7月の日本武道館公演をもって、”HOUND DOG”に関する一切の業務を終了する事を発表します。
メンバーを全員「イエホック」に移籍させ、バンド活動を継続したかった”大友”氏はそれに反発するのですが、事務所移籍に消極的だった”蓑輪”氏、”鮫島”氏がバンドを脱退します。
「バンド内に将来に対する考え方の違いが生まれた」と「イエホック」は二人の脱退を表明するのですが、”蓑輪”、”鮫島”の両氏は「脱退はしていない」とコメントし、その後、法廷闘争へもつれ込みます。
そして、2名を除いた残りの4名(”大友”、”八島”、”橋本”、”西山”)で”HOUND DOG”としての活動を続けることを表明するのですが、2006年6月には「ハウンドドッグを守るため」自分ひとりで活動を続けると”大友”氏が表明し、実質的に残りの3名を解雇するに至ります。
2006年7月、”大友”氏とサポートメンバーで、”HOUND DOG”名義のライブが大阪野音で行われたのですが、解雇された3名が自腹でチケットを購入して現れ、会場は騒然となったというエピソードもありました。
また、元の6人での活動を求めるファンにより、署名活動が行われたり、「日刊スポーツ」に6人での活動再開を求める意見広告を掲載したり等の出来事もありました。
その後、「マザーエンタープライズ」は「イエホック」と残った4名に訴訟を起こし、法廷闘争が続きましたが、2009年に終焉。
その後は”大友康平”氏=”HOUND DOG”として、活動を継続しています。
2005年当時のインタビューで”大友康平”氏はこんな風に語っていたようです。
「ハウンドドッグは僕のものですから。大学時代にオレがつくった。ぶっちゃけ言っちゃうと、オレだけだっていい。オレが歌えばハウンドドッグですから」
デビューから何度もメンバーチェンジを繰り返してきたバンドですので、バンドの創始者である”大友康平”氏”の考えはある意味、正しいのかもしれません。
一介のバンドのVocalistで収まる才能ではないのも分かりますが、これだけの素晴らしい楽曲を生み出し、凄いライブを重ねてきたバンドの終焉としては、あまりに悲しい結末となったのは残念です。
現在も活動しているし、これだけの揉め事があった中で、99.9%、元メンバーでの再結成はあり得ないと思いますが、ファンの想いをもう少し受け止めてくれていれば、もう少しちゃんとした結末が用意できたように思います。
過去4回の記事でも書いてますが、”HOUND DOG”の魅力は”蓑輪単志”、”八島順一”という二人の天才メロディメーカーによる素晴らしい楽曲群と”大友康平”さんの唯我独尊と言える個性的でロッキングなVocalにあると思います。
新たな歩みを進めることはなく、2005年までにストックされた素晴らしい楽曲でライブはこれからも続くのかもしれませんが、やっぱりバンドとしては2005年に終焉しているんですよね。
これだけのバンドをこんな終わり方をさせてしまったのは、やっぱりマネージメントの問題だと思いますけどね。(今となっては犯人捜しをしても意味はありませんしね)
日本の音楽史上、最も残念な終わりをファンに見せ、ファンを悲しませたのは大きな「罪」だと思います。
さて、最後は彼ら屈指のバラードで終わりにします。
こちらはギターの”八島順一”さんの楽曲です。作詞は名作詞家の”松井五郎”さんですね。
とにかくメロディが強いし、ただならぬ哀愁が凄いんですよね。まさに男の中の男が歌うべき、ラブバラードと言っていいでしょう。
残念な最期を迎えたバンドへの鎮魂歌として、この曲で締めたいと思います。
曲もホンモノだったし、ライブバンドとしても凄かったバンドには感謝しかありません。
願わくば、彼らの素晴らしい楽曲が時代を経ても、評価されて欲しいし、知ってもらいたいな。
個人的な意見ですが、『ラスト・シーン』は自分が最期を迎えた時、流して欲しい曲の筆頭であり、まさしく人生の1曲です。
5回に亘り、ご覧頂いた皆様、ありがとうございました。
この紙ジャケ盤もプレミア価格か・・・。このアルバムは買い直したいんだよな~。