ひなたざか アルバム

2019年にシングルデビューを果たした”日向坂46”のファーストアルバムです。

とはいえ、”けやき坂46”時代をカウントすると名盤「走り出す瞬間」もリリースしてますので、そこに迫るクオリティの曲があるかどうかが楽しみです。(逆にコレがないと特典映像しか楽しめない・・・)

またアルバムリリース前に敢えて、絶対的センター”小坂”ではなく、”美玲”にセンターを変更したリードトラック『アザトカワイイ』の意図もこのアルバムを分析する上でのポイントかなと深読みをしたりしてます。

【日向坂46】 『アザトカワイイ』フォーメーション発表
http://burning.doorblog.jp/archives/54905117.html

【日向坂46】 1st Album「ひなたざか」詳細決定!
http://burning.doorblog.jp/archives/54951648.html

初の無観客配信ライブも過去ベストと呼んでよい、素晴らしい出来だったし、初のドキュメンタリー映画も公開されましたしね。バラエティ番組も席巻しているし、グループとしてはかなりの勢いを持続してますね。

【日向坂46】「HINATAZAKA46 Live Online, YES!with YOU! ~“22人”の音楽隊と風変わりな仲間たち~」
http://burning.doorblog.jp/archives/54878843.html

【日向坂46】 「日向坂46ドキュメンタリー映画 3年目のデビュー」
http://burning.doorblog.jp/archives/54917689.html
 
恒例のヒット祈願企画も延長戦で何とかクリアしましたし、売上も初動3日間で13.4万枚と「走り出す瞬間」をギリギリ上回りそうな状況ですね。

基本的に新曲のみのレビューです。

過去の曲については、こちらで確認してください。

日向坂46 全曲レビュー
http://burning.doorblog.jp/archives/cat_1324167.html

1st Album「ひなたざか」(2020年)

『Overture』(全タイプ収録)

「★★★★★」

「坂道シリーズ」の『Overture』はいずれも力作ぞろいですが、”日向坂46”の『Overture』も文句なしで満点評価ですね。

”欅坂46”はロックテイストがあって(「デビューカウントダウンライブ」で使った『Overture』もお気に入りですが)、それ以外は近未来っぽい雰囲気の曲で大好きですね。これは嬉しい収録じゃないですかね。

作曲は”TomoLow”ですが、「坂道シリーズ」では”乃木坂46”の『言霊砲』以来の楽曲提供ですね。

アレンジはクレジット記載なしですが、”TomoLow”が携わっているのは間違いないと思いますけどね。

最後にコールとカウントダウンが出来るのも盛り上がるよね!

『アザトカワイイ』(全タイプ収録)



「★★★★」

先行でMV配信もされ、先日の「CDTVライブ!ライブ!」ではフルサイズ披露もされた、アルバムのリードトラック曲です。

全員による楽曲で先述の通り、”みーぱん”がセンターを務めています。

まあ、分かりやすいアイドルポップですよね。タイトルもそうだけど、「釣られてしまいました~」とか、捻りの無さが逆に清々しさを感じるほど、純度の高いアイドルポップです。

作曲は”浦島健太、NIYA、TETTA”となっており、”浦島健太”さんは「ホバーボード」所属のクリエーターで「坂道シリーズ」では常連になってきてますね。

”欅坂46”の『アンビバレント』をはじめ、”乃木坂46”の”白石”ソロ『じゃあね。』、『さゆりんご募集中』、『~Do my best~じゃ意味はない』あたりも彼の作品です。(彼は共作が多いね)

尚、編曲は”TETTA”個人のクレジットになっています。彼も「ホバーボード」所属で”乃木坂46”の『Sing Out!』の作曲もされていますね。(『アンビバレント』も”浦島健太”さんとの共作)

メロディは類型的ではあるんだけど、悪くないと思いますが、「走り出す瞬間」のリードトラック『期待していない自分』と比べちゃうとな~って感じで「★★★★」止まりの評価になりました。



『期待していない自分』での”みーぱん”の表現力はライブでも十二分に活かされていますが、何故、この曲を”みーぱん”センターにしたのかが見えづらいですね。正直、”小坂”センターでも良かったように思いますけどね。

こういうカワイイ路線もイケるんだよ!ってアピールなのかもしれませんが、もうちょっとパフォーマンスを見たりする必要があるかもしれませんね。ライブでは跳ねそうですしね。

『この夏をジャムにしよう』(Type-A収録)

「★★★★」

”上村”、”髙橋”、”森本”、”山口”という三期生曲ですね。

声だけ聴いていると”上村”と”髙橋”がダブルセンターっぽい感じなんでしょうか? ライブで確認しないとダメですけどね。”髙橋”の声が割と強いなという印象です。(外れてたらスイマセン)

曲は普通のアイドルポップですね。

夏っぽい爽快感があって、割と好きですね。

作曲は”pakorama”で、”HKT48”の『控えめI love you !』での楽曲提供くらいしか情報がないですね。懐かしいな~。フロント全員いなくなっちゃったしね。



まあライブで伸びると思うし、悪くないけどね~。やっぱり”日向坂46”は王道のアイドルポップ路線なんだな~とも思いましたけどね。(哀メロが楽しめる「走り出す瞬間」が好きだったのもあってね・・・)

しかし、新三期生には嬉しい楽曲だと思うし、これはライブで観てみたいね!(季節外れっぽいけど、「ひなくり2020」でもやって欲しいね。

『誰よりも高く跳べ!2020』(Type-A収録)

「★★★★」

リテイク曲ですが、ほぼ違いが分かりません。歌唱メンバーの声を入れ替えているくらいなんでしょうけどね。

オリジナルの評価は「★★★」にしてたんですけど、ライブの鉄板曲ですし、これを機に「★」を1個追加しましたが、ちょっとこのリテイクについてはガッカリですね。

聴き比べて、若干テンポあ落ちたかな・・・とかシンセの音が大きくなったかなとか、検証したけど、あんまり違いを感じられなかったので、何とも言いようがないですね。

作曲は”カミカオル、doubleglass”、編曲は”野中“まさ”雄一”さんとオリジナルと同様です。

こんなリテイクを入れるくらいなら、新曲を入れて欲しかったな~。

『日向坂』(Type-A収録)

「★★★★」

新三期生加入前の全メンバーでの楽曲で卒業した”柿崎芽実”さん、”井口眞緒”さんも参加しています。(休業中だった”影ちゃん”は参加してません)

ミドルテンポの楽曲で、どちらかと言えば、自グループの歴史を語りつつの、歌詞重視の曲という印象でしたけど、改めて聴くとメロディも悪くないし、心地良く聴けるけどね。その意味でも『W-KEYAKIZAKAの詩』に近い感じですが、メロディ、構成を評価すると満点にはならないかな。

作・編曲は”新屋豊”さんでアニソンなんかを手掛けられているけど、”NOKKO"の『人魚』のストリングスアレンジなんかもされてますね。「歌スタ!!!」も出てたんだね、記憶にないな~。

しかし、『日向坂』は、『約束の卵』、『車輪が軋むように君が泣く』といった”ひらがな”時代のエンディングに相応しい名曲もあるので、影は薄いけど、ライブでも聴いてみたいな・・・って、Type-Bの特典映像「日向坂46デビューカウントダウンライブ!! in 横浜アリーナ~日向坂46 FIRST LIVE~」で観れるけどね。



特典映像のダイジェストも公開されているので、気になる人はチェックしてくださいね。

『NO WAR in the future 2020』(Type-B収録)

「★★★★」

こちらも問題のリテイク曲ですが、同様に違いが分かりません。うーん。

とはいえ、ライブでは最高潮に盛り上がる鉄板曲であり、「★」は一つ追加しましたけどね。

こちらも特に書くことはないな~。

作曲、編曲共に”ツキダタダシ”さんです。

以上・・・。

『ただがむしゃらに』(Type-B収録)

「★★★★★」

『アザトカワイイ』同様に現時点でのフルメンバーでの楽曲です。

ミドルテンポのアイドルポップではありますが、ギターソロも最高だし、哀メロが効いているので、個人的には「★★★★★」の満点評価にするか、悩んだんだけどね。

このメロディはかなり良いし、ギターのジャカジャカジャンというリフからの流麗なメロディの流れはかなり好きなんだけどね・・・。長く楽しめそうな楽曲でもあるしね・・・。

って、悩んだけど、最終的に「★★★★★」にしました。

作・編曲は共に”古城康行”さんです。”AKB48”の『前しか向かねえ』が一番有名かな? 佳曲『マジすかロックンロール』の作曲も手掛けられてますね。(尚、クレジットは”Candy&Megane”名義)

十分に素晴らしいし、もう一歩で恐ろしい名曲になった気もするんだけど、それも愛おしいね。

これは音楽ファンには、是非、チェックして欲しいな。

『どうして雨だと言ったんだろう?』(Type-B収録)

「★★★★★」

”加藤”、”齊藤”、”美玲”という「走り出す瞬間」でソロ曲を披露した、一期生の中心メンバーの3名によるユニット曲です。

これさ、1回聴いただけで、「スゲー」ってなりました。

イントロの切なさ、情感溢れるメロディの素晴らしさ、曲としては、個人的には完璧に近いですね。

ちょっと「走り出す瞬間」収録の二期生3名のユニット曲『キレイになりたい』を思い出しました。

しかしこの素晴らしいメロディは誰が作ったのか、クレジット見てみたら、あの”杉山勝彦”さんでした! 流石です!

<”杉山勝彦”さんの「坂道シリーズ」への楽曲提供作品>

乃木坂46
『制服のマネキン』
『君の名は希望』
『サイコキネシスの可能性』
『私のために 誰かのために』
『僕がいる場所』
『ひとりよがり』
『羽根の記憶』
『きっかけ』
『サヨナラの意味』
『硬い殻のように抱きしめたい』
『ありがちな恋愛』
『もし君がいなければ』
『4番目の光』
『路面電車の街』
『時々 思い出してください』
『図書室の君へ』
『僕の思い込み』

欅坂46
『青空が違う』

けやき坂46
『沈黙した恋人よ』

現代の最強メロディメーカーですからね。変な曲になる訳もないんですけど、流石ですね。

尚、いつものように編曲は共作で”杉山勝彦、石原剛志、有木竜郎”との名義になってます。”有木竜郎”さんとのコンビでのクレジットは名曲しか生まないような気がするな・・・。

ちょっと”きょんこ”のソロの部分の歌唱が違和感あったんだけど、まあ慣れれば大丈夫ですけど、比較的声が強くて、特徴的な三人のVocalも魅力的です。

この名曲もライブで絶対に聴きたいね!

『My fans』(通常盤収録)

「★★★」

こちらも『アザトカワイイ』、『ただがむしゃらに』と同様に現時点でのフルメンバーでの楽曲です。

うーんでも、これって完全に”Billie Eilish”の『bad guy』にインスパイアされまくってますよね。



全体的に聴くとハード目のロックテイストのある佳曲だと思うんだけど、どうしても間奏部分のあのメロディとリズム展開が『bad guy』を想起させてね・・・。

曲自体は悪くないどころか、結構良いのにな~、こういうのは好きじゃないな~。

作・編曲はアイドルへの楽曲提供が多い”ムラマサヒロキ”さんですが、うーん。

困っちゃいますね。

『See Through』(通常盤収録)

「★★★★」

”小坂”、”金村”のユニット曲です。

この通常盤収録の新曲は割と強めの曲が収録されているんですけど、ロックっぽいリフがある一方で、ダンサブルなビートも効いてて、お洒落な感じもあって、悪くない出来だと思います。

この二人の個性とかが活かされているのかどうかも見えませんが、曲自体は良いのでね。

特にサビの「See Through!」のコーラスが耳に残りますし、ライブではファン全員でコールするんだろうなと思いながら、聴いてます。

作曲と編曲は「坂道シリーズ」ではお馴染みの”佐々木裕”さんです。アレンジャーのイメージが強いけどね。

<”佐々木裕”さんの「坂道シリーズ」への楽曲提供作品>

乃木坂46
『左胸の勇気』(編曲)
『行くあてのない僕たち』(編曲)
『誰かは味方』(編曲)
『傾斜する』(編曲)
『Rewindあの日』(編曲)
『知りたいこと』(作曲・編曲)

欅坂46
『W-KEYAKIZAKAの詩』(編曲)
『危なっかしい計画』(編曲)

けやき坂46
『ハロウィンのカボチャが割れた』(編曲)

日向坂46
『Dash&Rush』(編曲)

十分に楽しめるユニット曲ですね。

『約束の卵 2020』(通常盤収録)

「★★★★★」

こちらも問題のリテイク曲です。オリジナルと一緒・・・違いが分かりません。

哀愁のメロディメーカー”aokado”による、メロディの素晴らしさは変わらないので満点評価にしていますが、やっぱり今回のリテイク曲3曲はかなり残念・・・。

最後に総括です。

初出し音源こそ11曲ですが、『Overture』、『日向坂』を含め、純粋な新曲は8曲ですね。

3枚リリースにしては、ちょっと寂しいボリュームかな。

新たな名曲『どうして雨だと言ったんだろう?』、『ただがむしゃらに』は収穫でしたが、それ以外はちょっと不満を感じる内容でしたね。

まあ、新規ファンにはありがたい内容だと思うけどね。

個人的には特典映像のライブにこそ、今回の1st Albumの最大の価値を見出してますね。

想定はしてましたが、その意味でも残念な出来になったなというのが、個人的な印象です。

とはいえ、クオリティも高いし、気に入って聴いてはいますけどね・・・。

尚、特典映像編については十分にリピートしきれてないので、改めてレビューは書きます。

P.S.「走り出す瞬間」は凄かったんだな~。







日向坂
Sony Music Labels Inc.
2020-09-23