名盤レビュー

【名盤】 BUCK-TICK 「SEXUAL xxxxx !」

SEXUAL xxxxx !

今回の名盤レビューは”BUCK-TICK”の1987年発表のメジャーデビューアルバム「SEXUAL xxxxx !」を紹介します。(尚、インディーズ時代のアルバムを入れると2nd Albumです)

【ひとこと】 ”櫻井敦司”さん 急逝
http://burning.doorblog.jp/archives/57924842.html

未だにショックが抜けきれませんね…。

個人的に”BOØWY”が大好きだったこともあって、ポスト”BOØWY”を探していた時期がありましたね。その中に同郷の”BUCK-TICK”の存在もありました。

【名盤】 BOØWY 「“GIGS”JUST A HERO TOUR 1986」
http://burning.doorblog.jp/archives/45643197.html

【ひとこと】 KYOSUKE HIMURO LAST GIGS
【特集】 BOØWYについて語りたい!
http://burning.doorblog.jp/archives/53861887.html

【名曲】 BOØWY 『TEENAGE EMOTION』
http://burning.doorblog.jp/archives/53907244.html

特にメジャーデビューを飾った「SEXUAL xxxxx !」にはメチャクチャ思い入れがあります。

パンクっぽい匂いはしますが、ひたすらスピードを追いかけたり、ポップセンスが炸裂する曲があったりと僕はかなりお気に入りでメチャクチャ聴きこみましたよ。

まさか、追悼でこのアルバムを紹介するとは思わなかったですが…。

01.『EMPTY GIRL』

「★★★★★」

A面の1曲目ですね。

常軌を逸する、支離滅裂なパンクロックチューン。

かなりのスピードで畳みかけるんだけど、メロデイ展開も複雑でリズムチェンジなども入れながら、個性たっぷりの楽曲に仕上がってます。

今、聴くと若さが暴発しているような感じですが、かなりカッコいい!

是非、若い音楽ファンに試してほしい名曲!

02.『
FUTURE FOR FUTURE』

「★★★★」

ミドルテンポのメランコリックな曲です。

AORっぽい、甘めのメロディ展開なのですが、”櫻井”さんの野太いVocalが入るとロックしちゃうのが面白いね。

青春ロックの名曲と言って良いでしょう。

こういうメロディセンスも彼らの魅力ですね。

03.『DREAM OR TRUTH』

「★★★★」

ブギーっぽい匂いもする、ポンプロック系の曲です。

ロックバンドの曲にしては、かなりメロディアスなんだけど、やっぱり良いね。

ギターソロもしっかり弾いてて、カッコいいし、こういうタメが効いた曲を作れるのは、並みの新人ではできないんじゃない?

04.『DO THE "I LOVE YOU"』

「★★★★」

シャッフルビートが心地よいパンクチューン。

サビの歌唱がかなり特徴的です。

間奏も工夫してますし、ギターソロの入れ方も面白いっすね。

05.『ILLUSION』

「★★★★」

本アルバムの楽曲の作詞・作曲は全てギターの”今井寿”さんなんですよね~。(尚、編曲は”BUCK-TICK”名義です)

本作の作詞は”桜井敦司”(当時のクレジットのまま)さんが手がけています。

パワーバラードと言っていいのかな? 大きめのメロディが心地よい曲です。

ここからがB面ですね。

06.『SEXUAL×××××!』

「★★★★」

アルバムタイトルがつけられているリード曲なのかな?

普通にスピード感のあるパンクチューンです。

硬派っぽい作りなんだけど、やっぱりメランコリックなメロディ展開でノレますね。

尚、本作も作詞を”桜井敦司”さんが手がけています。

07.『SISSY BOY』

「★★★★」

うねるようなギターで始まる、リズムが効いたロック曲。

ライブでは、サビで大合唱が起こりそうな曲ですね。(ライブは未経験です)

キラキラしたギターのメロディが効いてますし、聴きやすいのはメロディセンスの賜物。

08.『MIS-CAST』

「★★★★★」

僕が本作で一番好きな曲です。

最初の入りからカッコいい、徹頭徹尾ロックしていて、一気に駆け抜けるスピードチューン。

単なるスピードだけで終わらないのが彼ららしい。

特にBメロからサビに行くときの勇壮なメロディに痺れます。

最も”BOØWY”に近い曲だなと、当時はかなり愛聴しました。懐かしい!

09.『HYPER LOVE』

「★★★★」

ダークな雰囲気を持つ、彼らの今後を匂わせる曲です。

それでもメロディセンスがあるので、この曲調でも重苦しくなり過ぎず、心地よく聴けるのが凄いですし、それがこのバンドの個性と言えるかもね。

Aメロ、Bメロ、サビとそれぞれにフックポイントを入れているのも流石です。

10.『MY EYES & YOUR EYES』

「★★★★」

ラストは明るいメロディを持つ、ロックチューンです。

Vocalメロディが良いので、一本調子で終わらず、味わい深い曲になってますね。

ギターもカッコいいし、締めくくりに相応しい曲です。

またリピートしたくなるんだよね。ラストでインストが長めなのも良いよね~。

全10曲、40分ちょっとのアルバムですが、捨て曲なんかありません。

メロディが充実していて、しかも彼らならではの個性的な展開もあり、飽きずに聴けます。

その後、『JUST ONE MORE KISS』でブレイクを果たし、レコ大新人賞も獲ったりしてましたが…。

『惡の華』で復活を遂げ、移り変わりの激しい、日本のロックシーンでメンバーチェンジもなく、コンスタントに活動をし続け、孤高の存在となっていたのに…。

残念ですが、バンドは継続するということですので、これを機に”BUCK-TICK”を知った人はいろいろとチェックして欲しいね。

僕は本作と「TABOO」と「悪の華」と「殺シノ調べ This is NOT Greatest Hits」しか持ってないし、熱心なファンではないかもしれないけど、ビジュアルのインパクト以上に素晴らしいアルバムを楽しませてくれて、感謝しかないです。

謹んでご冥福をお祈り致します。

バンドの今後に幸あれ!

SEXUAL XXXXX!
BUCK-TICK
ビクターエンタテインメント
1987-11-21


【名盤】 KUWATA BAND 「NIPPON NO ROCK BAND」

NIPPON NO ROCK BAND

約3年ぶりとなる名盤レビューです(汗)。

先日の”サザンオールスターズ”の45周年!!を祝う、ライブ配信特番「それ、何年? そうねだいたいね」での感動を受け、改めて自分にとっての”サザンオールスターズ”に関連する名盤をご紹介しようと思い、改めて聴き直しました。

”サザンオールスターズ”については、本サイトでは未レビューですし、”桑田”さんのソロも取り上げてないハズ…。

と、調べてみたら、”桑田佳祐”さんのソロ『悲しい気持ち』は別企画で取り上げてましたね。

【ひとこと】 祝! 緊急事態宣言解除で聴きたい15曲
http://burning.doorblog.jp/archives/54661101.html

僕は「KEISUKE KUWATA」も大好きでこちらも名盤レビュー候補です!

歴史を遡ると、僕の”サザンオールスターズ”との出会いは「ザ・ベストテン」でした。

「今週のスポットライト」のコーナーでライブハウスで『勝手にシンドバッド』をパフォーマンスする姿を見たのが最初だった記憶があります。

正直、その際の司会とのやり取りやパフォーマンスの印象が強くて、コミックバンドのイメージがついてしまって、その後の『いとしのエリー』のヒットを受けても僕自身の印象はそんなに変わらず、耳にするヒット曲は認識しているものの、そこまでハマった記憶はありません。

”サザン”のアルバムを初めて買った(レンタルだったかな?)のは7th Album「人気者で行こう」です。(レコードは全部処分しちゃったので、調べようがありませんが…)

アルバムを買った理由は『ミス・ブランニュー・デイ (MISS BRAND-NEW DAY)』が大好きだったからですね。未だに凄い曲だと思いますし、”原由子”さんのイントロのキーボードに40年近く痺れっぱなしです。一生のうちに一度はライブで「Oh~!」と拳を振り上げたい!

その次の2枚組アルバム「KAMAKURA」も買って、メチャクチャ聴いたんですが、このアルバム発表後にバンドはソロ活動に移行していくんですよね~。「バラッド2 '83〜'86」も愛聴してたし、各メンバーのソロもそれなりに追いかけてましたね。

アルバム単位だと「稲村ジェーン」あたりまでは追いかけてましたが、その後は気に入ったシングルを買ったり、レンタルする程度のお付き合いになってますが…『みんなのうた』で復活したあたりも、よく覚えてます。

既に「国民栄誉賞」、「人間国宝」を与えられてもおかしくないくらいの存在のバンドになっていて、その活動については、本当にリスペクトします。

マンネリ、ワンパターン、昔のほうが良かった・・・ネガティブな声もあるようですが、これだけ活動が長くて、しかもVocalistの個性が強いだけに歌唱を聴くだけで、あ、”サザン”の曲だってわかる人が国民の相当割合いるだけでも凄い存在だと思いますけどね。しかもあんなに攻撃的な歌詞やライブパフォーマンスを続けてですからね。

そんな国民の宝のようなバンドではありますが、本ブログで、”サザンオールスターズ”を本格的に紹介するのは後に取っておきます。名曲が多すぎて、間違いなく20曲以上のレビューは書かなきゃいけないからね…。

ひとまず初のソロ活動に挑んだ”桑田佳祐”さんの第一歩となった"KUWATA BAND”の最初で最後のアルバムを取り上げてみたいと思います。(ライブ盤「Rock Cocert」も合わせておススメ!)

”サザンオールスターズ”の音楽性は現代風に言えば、ミクスチャーロックのジャンルに入ると思いますが、そのカラフルな楽曲群はロックの範疇すら遥かに超えており、非常にバリエーション豊かなのが特徴です。しかも独特のクセ(Vocalとメロディ構成)があって、どんな楽曲も”サザン”らしさがあり、唯我独尊と感じさせるのも凄いです。

そんな”桑田佳祐”さんがソロ活動をするにあたり、改めて「ロック」に本気で向き合い、全曲英詩で制作し、海外進出まで視野に入れて活動した”KUWATA BAND”は個人的には、凄く印象に残ってます。決して大成功とはなりませんでしたけどね…。

では全曲レビューしていきますね。

01.SHE'LL BE TELLIN'(真夜中へデビューしろ!!)

「★★★」

アルバムの冒頭を飾る曲で、ピッチもそこそこ速めで、ノリの良さを感じます。古典的な匂いのする純度高めのロックンロールナンバーです。これを聴いて、”サザンオールスターズ”や”桑田佳祐”さんをパッと思い浮かべる人は少ないんじゃないかな?

02.ALL DAY LONG(今さら戻ってくるなんて)

「★★★★」

グルーブ感のあるミドルテンポの楽曲です。Aメロあたりの展開が”サザン”、”桑田”さんらしさを感じます。味わい深い曲に仕上がっていると思いますね。

03.ZODIAK(不思議な十二宮)

「★★★」

”桑田”さんのロックな歌唱が味わえるスピードロックチューンです。サビは勇壮でシンガロング必須ですが、メロディよりも勢い優先の曲なので、個人的には普通です。

04.BELIEVE IN ROCK'N ROLL(夢見るロック・スター)

「★★★★」

ポジティブな空気が流れるロックソングです。何曲かのパーツを繋げたような複雑な曲展開を見せますが、違和感なく聴けるのは流石です。個人的にはBメロが好きです。

05.PARAVOID(彼女はパラボイド)

「★★★」

”Black Sabbath”の名曲『Paranoid』を間違いなく意識したであろうタイトルですね。

グルーブ感のあるロックで、ヘヴィロック感は多少ありますが、聴きやすいです。派手なエンディングは面白い!

06.YOU NEVER KNOW(恋することのもどかしさ)

「★★★★」

こちらもミドルテンポのロックですが、楽曲的には最も”サザンオールスターズ”ぽいメロディ展開なんじゃないかな~。

ブルージーなギターソロにキーボード(というかオルガン?)が絡んでいくのも面白いです。

07.RED LIGHT GIRL(街の女に恋してた)

「★★★★」

”桑田”氏の怒りの成分を含む力強いVocalが聴きどころで、合間に入るホーンも効果的ですし、オルガンソロも面白い! ブルーズをベースにしたヘヴィロックという感じですが、サビは流石のフックを持ってますが、オールディーズっぽい匂いが味わい深さをブレンドしている感じです。

08.GO GO GO(愚かなあいつ)

「★★★」

重めのロックが続いた後、爽やかな感じで始まりますが、サビでは力強いロックに変化する曲です。サックスが良い仕事してますね。ギターソロも悪くないです。

09.BOYS IN THE CITY (ボーイズ・イン・ザ・シティ) 

「★★★★★」

心地よいギターリフから始まる曲です。Bメロからの展開は”桑田”さんらしさを感じます。

シンガロングのパターンでいくかと思いきや少し抜け感のあるサビも良いです。いにしえのロックのスタイルが感じられてカッコイイです。

10.DEVIL WOMAN (デビル・ウーマン) 

「★★★★」

ピッチを落としたヘヴィロックです。身体を揺らしながら、このグルーヴに浸るのが心地良いです。

サビは類型的な感じもするけど、メロディも悪くないし、60~70年代前半のハードロックを想起させるし、ライブで聴きたくなる曲ですね。

11.FEEDBACK(理由なき青春)

「★★★」

シャッフルのリズムが印象的なロックチューン。

Guitarの”河内淳一”さんがVocalを務めています。バックの演奏がカッコいいっすね。ライブのような歓声が被せられているのも面白いですが、そんなに珍しいアレンジでもないかな~。

12.I'M A MAN(アイム・ア・マン・フロム・ザ・プラネット・アース)

「★★★★★」

アルバムの最後を締めくくるメロディアスなロックチューンです。ほどよいドライブ感があって、”サザンオールスターズ”の美味しいメロディ展開に、純度高めのロックを組み合わせた、個人的には最強レベルの楽曲じゃないかなと愛聴してます。

個々の楽曲に関しての採点は自分の思い入れ以上に厳しくなっちゃいましたね…。

アルバム自体は”桑田”さんのルーツを匂わせた古式ロックが続き、地味な出来と思う方も多いと思いますが、最後の最後に彼らしいロックチューンが出てくる構成にある意味でコンセプトアルバムで味わえるような凄みを感じます。

楽曲自体の出来は、粒揃いとは言えないかもしれませんが、日本のトップミュージシャンがこの時代にここまでチャレンジしてくれたことが嬉しいし、ラストの『I'M A MAN』の素晴らしさはサイコーですので、是非、一度聴いてみて欲しいですね。

「日本人にとってのロックとは何か」

先人たちが取り組んできた一つの回答として、楽しんだらいいんじゃないかな~。

その意味でレビューした”RCサクセション”の「カバーズ」も合わせて聴いてほしいな!

【名盤】 RCサクセション 「カバーズ」
http://burning.doorblog.jp/archives/45621880.html

P.S.尚、”KUWATA BAND”のシングル4枚はいずれも”サザンオールスターズ”の延長戦とも言える作品ですが、出来はかなり良いですよ~ 「ROCK COCERT」はカバーの出来も良いよ!

NIPPON NO ROCK BAND
KUWATA BAND
ビクターエンタテインメント
2001-06-25


ROCK CONCERT
KUWATA BAND
ビクターエンタテインメント
2001-06-25

 

【特集】 Crazy Ken Band 「好きなんだよ」

2021年9月8日にリリースされた”Crazy Ken Band”の初のカバーアルバム「好きなんだよ」が素晴らしい出来です。

CKB

以前も記事に書いてますが、”Crazy Ken Band”は大好きなんですよね~。

”Crazy Ken”こと、”横山剣”さん関連の楽曲について、3曲も名曲レビューを書いちゃってます。

【名曲】 Crazy Ken Band 『ガールフレンド』
http://burning.doorblog.jp/archives/44089242.html



【名曲】 CRAZY KEN BAND 『クリスマスなんて大嫌い!! なんちゃって♥』
http://burning.doorblog.jp/archives/51284999.html



【名曲】 クールスRC 『シンデレラ・リバティ』
http://burning.doorblog.jp/archives/48137593.html



若かりし頃の”剣”さんが愛おしいけど、声もVocalも今と変わんないのが凄いな~。ホント名曲。

ホントに凄まじい数の名曲を持つバンドなので、曲単位では整理つかないので、アルバム単位でオススメすると「グランツーリズモ」か「Brown Metallic」かな? 初期のアルバムは名盤揃いですので、是非、聴いて欲しいバンドですね。(特に昭和世代の皆様にこの熟成したワインのような奥深い音楽に浸って欲しいね)

ちなみに僕の一押しはDVDの「CRAZY KEN BAND LIVE AT STUDIO COAST」です。
(↓ 上記のDVD映像とは違いますが、前説~『美人』~”Crazy Ken”登場からの『香港グランプリ』の流れはホントにヤバいし、”ライムスター”の共演も楽しい)



『GT』はこのDVDに収録されている動画がありました。



さて、今回のカバーアルバムには下記の曲が収録されています。

01.モンロー・ウォーク(南佳孝)
02.ルビーの指環(寺尾聰)
03.プラスティック・ラブ(竹内まりや)
04.DOWN TOWN(シュガー・ベイブ)
05.冬のリヴィエラ(森進一)
06.eye catch * Kokoro kara kimiwo
07.スカイレストラン(ハイ・ファイ・セット)
08.やさしさに包まれたなら(荒井由実)
09.接吻-kiss-(ORIGINAL LOVE)
10.時間よ止まれ(矢沢永吉)
11.夏のクラクション(稲垣潤一)
12.eye catch *Aishiteruyo
13.最後の雨(中西保志)
14.雨に泣いてる(柳ジョージ&レイニーウッド)
15.横須賀ストーリー(山口百恵)
16.よこはま・たそがれ(五木ひろし)
17.空港(テレサ・テン)
18.難破船(加藤登紀子、中森明菜)
19.eye catch * Motto yokumisete
20.アフリカ象とインド象(朱里エイコ)
21.あまい囁き(中村晃子)

↓ アルバムのティーザー動画もありました。



いかにもって感じの『横須賀ストーリー』、『よこはま・たそがれ』は想定内の選曲でしたが、最近(と言っても90年代)の曲もカバーされていて、興味深く聴かせてもらいました。

ちなみに僕が名曲レビューで取り上げているのは『雨に泣いてる』のみでした。

【名曲】 柳ジョージ&レイニー・ウッド 『雨に泣いてる…』
http://burning.doorblog.jp/archives/46829256.html

でも1、4、5、9、11あたりは名曲レビューの候補ですので、ホントに素晴らしい楽曲のオンパレードです。

特に驚いたのは”剣”さんのイメージと違う『最後の雨』、『夏のクラクション』、『難破船』あたりですかね。まあ、「AOR」系はお手の物だし・・・でも”明菜”さんのカバーはやっぱり意外、しかも”おトキさん”作の『難破船』とは渋い選曲ですね。

割と原曲に忠実なアレンジなのも聴きやすいし、気が付けば何度もリピートしちゃってますね。

最近、昭和のリバイバルブームで昭和歌謡が若い人に聴かれたりしているみたいですが、是非、本作を聴いて欲しいですね。

本作で”CKB”に興味を持った、あなたは是非、オリジナルも聴いてみてください! 絶対後悔させませんよ。

流石、「東洋一のサウンドマシーン」!

好きなんだよ (初回限定盤)(DVD付)
クレイジーケンバンド
Universal Music
2021-09-08


好きなんだよ (初回限定盤)(Blu-Ray付)
クレイジーケンバンド
Universal Music
2021-09-08


好きなんだよ (通常盤)
クレイジーケンバンド
Universal Music
2021-09-08


CRAZY KEN BAND LIVE AT STUDIO COAST [DVD]
Rhymester
サブスタンス
2004-03-03


【名盤】 Grand Slam 「Hit The Ground」

今回の名盤レビューは”Grand Slam”の2019年発表の1st(?) Album「Hit The Ground」を紹介します。

Hit The Ground

ちょっと前に”Thin Lizzy”の名曲レビューを書きました。

【名曲】 Thin Lizzy 『Dedication』
http://burning.doorblog.jp/archives/54286886.html

その際に”Phil Lynott”が結成した”Grand Slam”の話も書いたんですけど、実はその”Grand Slam”のアルバムが「Marshall Records」からリリースされたんですよね。

驚きましたね~。しかも某専門誌の独自の輸入盤チャートで一位でしたからね。

<Grand Slam オリジナルメンバー 1984-1985>

Vocals&Bass:”Phil Lynott”(ex.Thin Lizzy)
Guitar:”Laurence Archer”(ex.Stampede、UFO)
Guitar:”Doish Nagle”(ex.The Bogey Boys)
Keyboards:”Mark Stanway”(ex.Magnum) 
Drums:”Robbie Brennan”(ex.SKID LOW)

<Grand Slam 現メンバー 2009~>

Guitar:”Laurence Archer”
Vocals:”Mike Dyer”
Bass:”Dave Boyce”
Drums:”Benjy Reid” 

オリジナルメンバーは”超絶激レア盤「L.A.」で有名な”Laurence Archer”しかいないんですが、かの”Phil Lynott”と”Laurence Archer”が共作した幻の名曲が聴けるだけで凄いことですし、早速買いましたよ。

Laurence Archer

これが意外なほどに良かったんですよね~。

味わい深い良い曲が最新の技術により、クリアな音源で楽しめる訳ですから、カッコいいに決まってますよね。尚、全10曲で5曲は”Phil Lynott”と”Laurence Archer”の共作で、それ以外は新曲とのことです。(詳細は海外の公式HPもチェックしましたが、良く分かりません)

では、全曲レビューします!

01.『Gone Are The Days』

「★★★★★」





このオープニングを飾るロックナンバーは最高ですね。

最初の明るくて、美味しいメロを奏でるギターフレーズだけでノックアウトされます。

ブギーっぽいロックナンバーで一気に70~80年代にトリップしたような感覚に陥りますが、ホントにカッコいいし、ノレるんだよね。

”Mike Dyer”の歌唱は力強く、味わい深いんだけど、”Phil Lynott”の声質にも近い感じで泣ける。また”Laurence Archer”のギターはホントに僕のツボを綺麗に突いてくれて、アドレナリンが沸騰しちゃう。

これ新曲だよね、凄いな~。

いやー、この1曲が聴けただけで、十分に元は取れるよ。本来”Rock 'n' Roll”系の音楽は好きじゃない僕でもハマっちゃうので、是非、その手が好きな人はチェックして欲しいな。

02.『19』

「★★★★★」





1985年に”Phil Lynott”のソロシングルとして発表された「Nineteen」ですね。

"Bad 4 Good"によるカバーを既に名曲レビューしてますので、勿論「★★★★★」の満点評価です。

【名曲】 Bad 4 Good 『Nineteen』
http://burning.doorblog.jp/archives/46919591.html

こちらもカッコいいロックナンバーでリフの切れ味が良いんだよね。

問答無用の”Rock 'n' Roll”はいつ聴いても最高!

03.『Hit The Ground』

「★★★★★」



タイトルトラックです。

たぶん新曲なんだろうけど、非常にシンプルな作りのシンガロング系の”Rock 'n' Roll”ですが、メロディが素晴らしいんだよね。

ギターもカッコいいし、これも文句なしで「★★★★★」の満点評価!

04.『Military Man』

「★★★★」





「The Studio Sessions」に収録されている曲で、リフが重めのハードロック曲です。

リズムが心地よいので、そこまで重苦しい出来になっていないのは凄いですね。

こういうセンスが素晴らしいんだよな。メロディも悪くないよね。

”Laurence Archer”のギターソロも良いね!

05.『Crazy』

「★★★★」



本作では、最もスピード感のあるストレートなロックナンバー。

こちらも1曲目と同様に、単なるロックではなく、ブギーっぽい臭いがするのが良いんだよね。

ブルーズっぽいフレーズを聴かせる”Laurence Archer”のソロも良いね。

これも新曲かな。

06.『Dedication』

「★★★★★」





”Thin Lizzy”のベストアルバムにも収録されている、僕も名曲レビューで取り上げた素晴らしい楽曲です。

今回のバージョンは若干ピッチを落として、ウネりを持たせた感じの演奏になっていますが、それもカッコいいし、元々、音質が良くなかったのが、こうやって蘇っているのが嬉しいな。

何度聴いてもやっぱり好きだな~。

『Dedication』最高!!!

07.『Long Road』

「★★★★」

やや土臭い臭いも残る、哀愁のバラードナンバー。

シンプルな構成でさして展開に起伏もないんですけど、メロディの良さでしょうか、沁みるんですよね。

最後のギターソロに泣かされちゃう。

アルバムの良いアクセントになっていると思いますね。

こちらも新曲かな。

08.『Sisters of Mercy』

「★★★★」



「The Studio Sessions」に収録されている曲ですね。

本作の中では唯一の7分を超える長尺の曲です。

バラードっぽい始まりですが、徐々に展開していきます。

09.『Crime Rate』

「★★★★」





こちらも同様に「The Studio Sessions」に収録されている曲です。

ウネりのあるミディアムテンポの曲なんですが、独特の臭みのあるメロディが良いんだよね~。

クセになりますよ~。

10.『Grand Slam』

「★★★★」

バンド名をタイトルにした曲ですが、なんとコチラはハードロックっぽい重ためのリフが続く、インスト曲です。

でもリフはカッコいいし、中盤からのスパニッシュギターっぽいソロからの泣きの展開も魅力的です。

割と良いと思いますが、なぜアルバムのラストの位置だったのかは意味不明。

ライブのオープニングでジャムっぽい感じで演奏するのにハマりそうだけどね。
 
新曲ですかね。

シンプルな3、4分のロックナンバーが並び、トータルで50分を切る、非常に爽快感があるアルバムかと思います。

「アイルランドの伝説」、「ザ・ロッカー」”Phil Lynott”が凄いのは当たり前の話であり、”Laurence Archer”との共作による楽曲が素晴らしいですが、それ以上に新曲の出来が良いんだよね。

”Laurence Archer”は只者じゃないね。

死ぬまでに「L.A.」聴きたいな~って、再発してよ!

昔、”Whitesnake”の元メンバーによる”THE SNAKES”を聴いた時のノスタルジー、”Jørn Lande”の見事なまでの”David Coverdale”のモノマネ(って誰も知らない?)とは違うバンド感、「今」感があるのが良いね。

僕自身も”Thin Lizzy”にそこまで思い入れもないんだけど、同様の「HM/HR」ファンは多いと思うんだよね~。”Grand Slam”は試してみる価値あると思うよ!

P.S.金ピカのアナログレコードも出ているみたいだけど、保存用に欲しいな!

Hit The Ground
Grand Slam
Marshall
2019-11-22


Live Document
Phil Lynott's Grand Slam
Sonic Boom
2020-03-15


Hit The Ground [Analog]
Grand Slam
Marshall
2019-11-22


【名盤】 Heavens Gate 「Livin’ in Hysteria」

今回の名盤レビューは”Heavens Gate”の1991年発表の2nd Albumである「Livin’ in Hysteria」を紹介します。

Heaven's Gate 「Livin in Hysteria」

久しぶりの名盤レビューの記事です。

自分にとって一番好きな音楽ジャンルは「HM/HR」であるのは変わりませんが、アルバム1枚楽しめる作品と言うのはそんなに毎年コンスタントに出てくる訳ではありませんので、名盤レビューは数が増えていかないのが残念なので、名曲レビューも合わせて書いてます。

キラーチューンが数曲含まれる「名盤」も多かったりしますが、真の「名盤」はアルバム全体が高水準でまとまっていて、その中でもギラリと存在感のあるキラーチューンも含まれていて、トータルで好きと言えるアルバムを指すと思います。

今回は後者にあたる「名盤」です。

某専門誌の表紙を飾ったこともある”Heavens Gate”の名盤を紹介します。

”Heavens Gate”はドイツのMelodic Power Metalバンドであり、いわゆる「ジャーマンメタル」の代表的バンドと言えるでしょう。

僕が彼らを知ったのは”キャプテン 和田誠”さんの本だったか、ラジオで強力にプッシュされていたのを知って、輸入盤屋でデビューアルバム「In Control」を購入したのが最初です。

冒頭の「The Gate」が「ジャーマンメタル」の王道と言えるクラシカルで荘厳なオープニングで期待したのですが、タイトルトラックである『In Control』が典型的なスピードメタルではなく、「え、これでジャーマン?」なんて思った記憶があります。何度か聴き込むごとに、そのリフの重さ、カッコ良さに打ちのめされていきましたが、当時の輸入盤屋でこぞって書かれていた”Helloween"フォロワーの肩書で売られていた”Blind Guardian”、”Rage"、”Scanner”、”Chroming Rose”等とは。異なる音楽性を持つバンドだと認識しました。

【名盤】 Helloween Better Than Raw

【名曲】 Helloween 『Livin' Ain't No Crime』
http://burning.doorblog.jp/archives/52959062.html

【名盤】 Blind Guardian Tales From The Twilight World」
http://burning.doorblog.jp/archives/43975899.html

【名盤】 Rage Secrets in a Weird World

【名盤】 Chroming Rose 「Pressure」

”Scanner”は未レビューか、どっかで書こう。



当時は”Helloween”、”Blind Guardian”の疾走チューンがお気に入りだったので、『In Control』もまずまずのスピードで重めで悪くないけど、飛び抜けた良い曲がないな~なんて思ってました。今改めて聴いても『Tyrants』はなかなかのスピードチューンだと思うし、『Shadows』なんて哀愁度抜群の叙情バラードも素晴らしい出来なんだけどね。

B級とまでは言わないし、典型的な「ジャーマンメタル」でもないけど、チェックすべきバンドだなとは思いましたね。あとは”Thomas Rettke”が当時の「ジャーマンメタル」界では、かなり上手いシンガーだとも認識はしましたけどね。バンド自体はそんなに好きにはなれなかったな~。

その僕が目の色を少し変えたのが、ミニアルバム「Open the Gate and Watch!」ですね。

オープニングを飾る『Open the Gate and Watch!』~『Touch the Light』を聴いたときに、スゲー成長したと思ったんですよね。



若干スペーシーで音が軽く感じるかもしれないけど、この疾走感とメロメロの展開がたまんなく好きになって、これは期待できるバンドに成長したなあと思いましたね。

ミドルテンポでメロディ展開が秀逸な『Picture In The Mirror』を当時の”キャプテン”は良くラジオで取り上げてたけど、僕にとってはこの『Touch the Light』一択でメチャクチャ聴いてましたね。

それでも最後のサビ前のカウベルは最初聴いたときはズッコケちゃったんだけど、このユニークさも彼らの魅力なんでしょうね。聴き慣れた今となってはなくてはならない音になりましたけどね。

そんな彼らが満を持してニューアルバムを出した訳ですが、「化けた」って思いましたよ。とにかく曲の完成度が高くて、バラエティもあって、『Touch the Light』を上回る疾走チューンまで収録されているんですから、降参です。

では全曲レビュー行きましょう!

01.『Livin’ in Hysteria』

「★★★★★」





タイトルトラックであり、疾走曲です。オープニングのSEはありませんが、”Thomas Rettke”の力強い歌唱が素晴らしいですね。しかし、コーラスを絡めてのブリッジの作り方もユニークですね、それでいてツインリードの奏でるソロも素晴らしいね。典型的な「ジャーマンメタル」のクサメロではなく、もっと正統的なメロディですけどね。これは今聴いても十分カッコいいね~。文句なしの満点評価です。

02.『We Got the Time』

「★★★★」



だいたい良いアルバムでも二曲目でテンションが下がるものですが、この名盤はそんなことはありません。

スピード感もあって、それでいて複雑な構成があって、キャッチーなメロディが踊る、なかなかの佳曲です。聴き込むごとにかなり味わいの出る名曲だと思いますね。

ツインリードソロもカッコいいし、「★★★★★」でも良かったかもね。

03.『The Neverending Fire』

「★★★★」



叙情的なメロディが舞うミドルテンポの楽曲です。メロディの良さもあってか、十二分に楽しめる楽曲になっており、スピードが下がっても、高いテンションは維持されたままですね。

04.『Empty Way to Nowhere』

「★★★★」



三連のリズムが心地よいミドルテンポの楽曲。勇壮なメロディが楽しめますよ。

05.『Fredless』

「★★★★★」



インスト曲ですが、これは「HR/HR」史に残る最強のインスト曲だと思います。この緊張感、キレ・・・今聴いても身震いしちゃいますね。

06.『Can’t Stop Rockin`』

「★★★★」

彼らのアルバムには1曲は収録されている典型的なヘヴィロックチューンですね。ミニアルバム収録の『Rock On』にも近いですが、重めのドラムが心地良いし、ノレますね。

07.『Flashes』

「★★★★」



ややメロディ展開が単調なのが残念ですが、”Judas Priest”っぽい疾走チューンですね。ストレートですが、カッコいいのはカッコいいんですけどね。

08.『Best Days of My Life』

「★★★★★」





彼ら屈指の名バラードですね。このバラードが収録されていることで、このアルバムの完成度が更に高まったように個人的には捉えています。ミニアルバム「More Hysteria」には同曲のアコースティックバージョンが収録されてますが、そちらも良い出来ですよね。

09.『We Want It All』

「★★★★」



哀愁のギターから始まるミドルテンポの楽曲。「ジャーマンメタル」どころか、メタルっぽさも薄いものの、これがかなりの佳曲なんですよね。

良いアルバムはやっぱりこういうミドルテンポの佳曲がファストチューンやバラードの脇を固めるのが重要だと思いますね。

10.『Gate of Heaven』

「★★★★★」



彼ら屈指の哀メロを持つファストチューン。「ジャーマンメタル」、「メロディックパワーメタル」のマニアを一撃でノックアウトできる曲。僕も一発でやられましたけどね・・・。

メロメロで疾走していて、彼ら最強の1曲と言えますし、「ジャーマンメタル」の理想形の1曲でしょう。比較対象としては”Helloween”の『Eagle Fly Free』や”Gamma Ray”の『Lust For Life』、”Rage”の『Invisible Horizon』あたりになってしまうレベルの大名曲です。まさにこれを聴かずに死ねない名曲。

これがSEからの2曲目という典型的な構成ではなく、ラストに置いたのもこのアルバムが個性的であり、素晴らしい出来にしているんだと思います。聴いた後に「サイコー」って思えますよね。

一縷の隙も無いホントに完璧なアルバムだと思います。その意味でも「ジャーマンメタル」、「メロディックパワーメタル」の金字塔的なアルバムであり、このクオリティに打ちひしがれて欲しいですね。

惜しむらくは音質ですね。(リリース当時も感じてましたけど・・・)

このアルバムで一気に名前を売った後、彼らはミニアルバム「More Hysteria」をリリースするんですが、出来の良いファストチューン3曲に『Best Days of My Life』のアコースティックバージョンでメタルファンの期待を更に膨らませたんですよね~。そして満を持してフルアルバム「Hell for Sale!」をリリースし、それがあまり評価されなかった、どころか酷評されちゃったんですよね~。

でも割と僕は「Hell for Sale!」好きなんですけどね。日本を歌ってくれた『Rising Sun』は明るめですが、なかなかの出来のファストチューンですし、そもそも「ジャーマンメタル」の枠に収まらない彼らの音楽性が高いクオリティで表現されていると思いますが、『America』なんて普通のハードロックが収録されていたり、カバーの『Always Look on the Bright Side of Life』(良いカバーだけどね)等、純度の高いメタルファンに総スカンをくらっていたのが残念です。

でもそれ以降にリリースしたアルバムよりは遥かに高品質だと思うので、是非、聴いてみて欲しいな。(隠れた名盤とまではいわないけど、そんなに批判されるほど悪い作品ではないし、試して欲しいな)

いずれにせよ、「Livin’ in Hysteria」と「More Hysteria」は全メタル必聴のアイテムだと思いますので、「ジャーマンメタル」、「メロディックパワーメタル」を毛嫌いされるようなファンも是非、聴いてみて欲しいです。

化けたバンドによる一世一代の名盤。

P.S.メンバーの”Sascha Paeth”は名プロデューサーに成り上りましたが、”Thomas Rettke”は何をしているんでしょうかね?

Livin' in Hysteria
Limb Music
2013-12-20


モア・ヒステリア
ヘブンズ・ゲイト
ビクターエンタテインメント
1991-12-16


Best for Sale!
Heavens Gate
Limb Music
2015-08-21


イン・コントロール+オープン・ザ・ゲイト・アンド・ウォッチ
ヘブンズ・ゲイト
ビクターエンタテインメント
1990-08-21


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