J-Popの名盤

【名盤】 BUCK-TICK 「SEXUAL xxxxx !」

SEXUAL xxxxx !

今回の名盤レビューは”BUCK-TICK”の1987年発表のメジャーデビューアルバム「SEXUAL xxxxx !」を紹介します。(尚、インディーズ時代のアルバムを入れると2nd Albumです)

【ひとこと】 ”櫻井敦司”さん 急逝
http://burning.doorblog.jp/archives/57924842.html

未だにショックが抜けきれませんね…。

個人的に”BOØWY”が大好きだったこともあって、ポスト”BOØWY”を探していた時期がありましたね。その中に同郷の”BUCK-TICK”の存在もありました。

【名盤】 BOØWY 「“GIGS”JUST A HERO TOUR 1986」
http://burning.doorblog.jp/archives/45643197.html

【ひとこと】 KYOSUKE HIMURO LAST GIGS
【特集】 BOØWYについて語りたい!
http://burning.doorblog.jp/archives/53861887.html

【名曲】 BOØWY 『TEENAGE EMOTION』
http://burning.doorblog.jp/archives/53907244.html

特にメジャーデビューを飾った「SEXUAL xxxxx !」にはメチャクチャ思い入れがあります。

パンクっぽい匂いはしますが、ひたすらスピードを追いかけたり、ポップセンスが炸裂する曲があったりと僕はかなりお気に入りでメチャクチャ聴きこみましたよ。

まさか、追悼でこのアルバムを紹介するとは思わなかったですが…。

01.『EMPTY GIRL』

「★★★★★」

A面の1曲目ですね。

常軌を逸する、支離滅裂なパンクロックチューン。

かなりのスピードで畳みかけるんだけど、メロデイ展開も複雑でリズムチェンジなども入れながら、個性たっぷりの楽曲に仕上がってます。

今、聴くと若さが暴発しているような感じですが、かなりカッコいい!

是非、若い音楽ファンに試してほしい名曲!

02.『
FUTURE FOR FUTURE』

「★★★★」

ミドルテンポのメランコリックな曲です。

AORっぽい、甘めのメロディ展開なのですが、”櫻井”さんの野太いVocalが入るとロックしちゃうのが面白いね。

青春ロックの名曲と言って良いでしょう。

こういうメロディセンスも彼らの魅力ですね。

03.『DREAM OR TRUTH』

「★★★★」

ブギーっぽい匂いもする、ポンプロック系の曲です。

ロックバンドの曲にしては、かなりメロディアスなんだけど、やっぱり良いね。

ギターソロもしっかり弾いてて、カッコいいし、こういうタメが効いた曲を作れるのは、並みの新人ではできないんじゃない?

04.『DO THE "I LOVE YOU"』

「★★★★」

シャッフルビートが心地よいパンクチューン。

サビの歌唱がかなり特徴的です。

間奏も工夫してますし、ギターソロの入れ方も面白いっすね。

05.『ILLUSION』

「★★★★」

本アルバムの楽曲の作詞・作曲は全てギターの”今井寿”さんなんですよね~。(尚、編曲は”BUCK-TICK”名義です)

本作の作詞は”桜井敦司”(当時のクレジットのまま)さんが手がけています。

パワーバラードと言っていいのかな? 大きめのメロディが心地よい曲です。

ここからがB面ですね。

06.『SEXUAL×××××!』

「★★★★」

アルバムタイトルがつけられているリード曲なのかな?

普通にスピード感のあるパンクチューンです。

硬派っぽい作りなんだけど、やっぱりメランコリックなメロディ展開でノレますね。

尚、本作も作詞を”桜井敦司”さんが手がけています。

07.『SISSY BOY』

「★★★★」

うねるようなギターで始まる、リズムが効いたロック曲。

ライブでは、サビで大合唱が起こりそうな曲ですね。(ライブは未経験です)

キラキラしたギターのメロディが効いてますし、聴きやすいのはメロディセンスの賜物。

08.『MIS-CAST』

「★★★★★」

僕が本作で一番好きな曲です。

最初の入りからカッコいい、徹頭徹尾ロックしていて、一気に駆け抜けるスピードチューン。

単なるスピードだけで終わらないのが彼ららしい。

特にBメロからサビに行くときの勇壮なメロディに痺れます。

最も”BOØWY”に近い曲だなと、当時はかなり愛聴しました。懐かしい!

09.『HYPER LOVE』

「★★★★」

ダークな雰囲気を持つ、彼らの今後を匂わせる曲です。

それでもメロディセンスがあるので、この曲調でも重苦しくなり過ぎず、心地よく聴けるのが凄いですし、それがこのバンドの個性と言えるかもね。

Aメロ、Bメロ、サビとそれぞれにフックポイントを入れているのも流石です。

10.『MY EYES & YOUR EYES』

「★★★★」

ラストは明るいメロディを持つ、ロックチューンです。

Vocalメロディが良いので、一本調子で終わらず、味わい深い曲になってますね。

ギターもカッコいいし、締めくくりに相応しい曲です。

またリピートしたくなるんだよね。ラストでインストが長めなのも良いよね~。

全10曲、40分ちょっとのアルバムですが、捨て曲なんかありません。

メロディが充実していて、しかも彼らならではの個性的な展開もあり、飽きずに聴けます。

その後、『JUST ONE MORE KISS』でブレイクを果たし、レコ大新人賞も獲ったりしてましたが…。

『惡の華』で復活を遂げ、移り変わりの激しい、日本のロックシーンでメンバーチェンジもなく、コンスタントに活動をし続け、孤高の存在となっていたのに…。

残念ですが、バンドは継続するということですので、これを機に”BUCK-TICK”を知った人はいろいろとチェックして欲しいね。

僕は本作と「TABOO」と「悪の華」と「殺シノ調べ This is NOT Greatest Hits」しか持ってないし、熱心なファンではないかもしれないけど、ビジュアルのインパクト以上に素晴らしいアルバムを楽しませてくれて、感謝しかないです。

謹んでご冥福をお祈り致します。

バンドの今後に幸あれ!

SEXUAL XXXXX!
BUCK-TICK
ビクターエンタテインメント
1987-11-21


【名盤】 KUWATA BAND 「NIPPON NO ROCK BAND」

NIPPON NO ROCK BAND

約3年ぶりとなる名盤レビューです(汗)。

先日の”サザンオールスターズ”の45周年!!を祝う、ライブ配信特番「それ、何年? そうねだいたいね」での感動を受け、改めて自分にとっての”サザンオールスターズ”に関連する名盤をご紹介しようと思い、改めて聴き直しました。

”サザンオールスターズ”については、本サイトでは未レビューですし、”桑田”さんのソロも取り上げてないハズ…。

と、調べてみたら、”桑田佳祐”さんのソロ『悲しい気持ち』は別企画で取り上げてましたね。

【ひとこと】 祝! 緊急事態宣言解除で聴きたい15曲
http://burning.doorblog.jp/archives/54661101.html

僕は「KEISUKE KUWATA」も大好きでこちらも名盤レビュー候補です!

歴史を遡ると、僕の”サザンオールスターズ”との出会いは「ザ・ベストテン」でした。

「今週のスポットライト」のコーナーでライブハウスで『勝手にシンドバッド』をパフォーマンスする姿を見たのが最初だった記憶があります。

正直、その際の司会とのやり取りやパフォーマンスの印象が強くて、コミックバンドのイメージがついてしまって、その後の『いとしのエリー』のヒットを受けても僕自身の印象はそんなに変わらず、耳にするヒット曲は認識しているものの、そこまでハマった記憶はありません。

”サザン”のアルバムを初めて買った(レンタルだったかな?)のは7th Album「人気者で行こう」です。(レコードは全部処分しちゃったので、調べようがありませんが…)

アルバムを買った理由は『ミス・ブランニュー・デイ (MISS BRAND-NEW DAY)』が大好きだったからですね。未だに凄い曲だと思いますし、”原由子”さんのイントロのキーボードに40年近く痺れっぱなしです。一生のうちに一度はライブで「Oh~!」と拳を振り上げたい!

その次の2枚組アルバム「KAMAKURA」も買って、メチャクチャ聴いたんですが、このアルバム発表後にバンドはソロ活動に移行していくんですよね~。「バラッド2 '83〜'86」も愛聴してたし、各メンバーのソロもそれなりに追いかけてましたね。

アルバム単位だと「稲村ジェーン」あたりまでは追いかけてましたが、その後は気に入ったシングルを買ったり、レンタルする程度のお付き合いになってますが…『みんなのうた』で復活したあたりも、よく覚えてます。

既に「国民栄誉賞」、「人間国宝」を与えられてもおかしくないくらいの存在のバンドになっていて、その活動については、本当にリスペクトします。

マンネリ、ワンパターン、昔のほうが良かった・・・ネガティブな声もあるようですが、これだけ活動が長くて、しかもVocalistの個性が強いだけに歌唱を聴くだけで、あ、”サザン”の曲だってわかる人が国民の相当割合いるだけでも凄い存在だと思いますけどね。しかもあんなに攻撃的な歌詞やライブパフォーマンスを続けてですからね。

そんな国民の宝のようなバンドではありますが、本ブログで、”サザンオールスターズ”を本格的に紹介するのは後に取っておきます。名曲が多すぎて、間違いなく20曲以上のレビューは書かなきゃいけないからね…。

ひとまず初のソロ活動に挑んだ”桑田佳祐”さんの第一歩となった"KUWATA BAND”の最初で最後のアルバムを取り上げてみたいと思います。(ライブ盤「Rock Cocert」も合わせておススメ!)

”サザンオールスターズ”の音楽性は現代風に言えば、ミクスチャーロックのジャンルに入ると思いますが、そのカラフルな楽曲群はロックの範疇すら遥かに超えており、非常にバリエーション豊かなのが特徴です。しかも独特のクセ(Vocalとメロディ構成)があって、どんな楽曲も”サザン”らしさがあり、唯我独尊と感じさせるのも凄いです。

そんな”桑田佳祐”さんがソロ活動をするにあたり、改めて「ロック」に本気で向き合い、全曲英詩で制作し、海外進出まで視野に入れて活動した”KUWATA BAND”は個人的には、凄く印象に残ってます。決して大成功とはなりませんでしたけどね…。

では全曲レビューしていきますね。

01.SHE'LL BE TELLIN'(真夜中へデビューしろ!!)

「★★★」

アルバムの冒頭を飾る曲で、ピッチもそこそこ速めで、ノリの良さを感じます。古典的な匂いのする純度高めのロックンロールナンバーです。これを聴いて、”サザンオールスターズ”や”桑田佳祐”さんをパッと思い浮かべる人は少ないんじゃないかな?

02.ALL DAY LONG(今さら戻ってくるなんて)

「★★★★」

グルーブ感のあるミドルテンポの楽曲です。Aメロあたりの展開が”サザン”、”桑田”さんらしさを感じます。味わい深い曲に仕上がっていると思いますね。

03.ZODIAK(不思議な十二宮)

「★★★」

”桑田”さんのロックな歌唱が味わえるスピードロックチューンです。サビは勇壮でシンガロング必須ですが、メロディよりも勢い優先の曲なので、個人的には普通です。

04.BELIEVE IN ROCK'N ROLL(夢見るロック・スター)

「★★★★」

ポジティブな空気が流れるロックソングです。何曲かのパーツを繋げたような複雑な曲展開を見せますが、違和感なく聴けるのは流石です。個人的にはBメロが好きです。

05.PARAVOID(彼女はパラボイド)

「★★★」

”Black Sabbath”の名曲『Paranoid』を間違いなく意識したであろうタイトルですね。

グルーブ感のあるロックで、ヘヴィロック感は多少ありますが、聴きやすいです。派手なエンディングは面白い!

06.YOU NEVER KNOW(恋することのもどかしさ)

「★★★★」

こちらもミドルテンポのロックですが、楽曲的には最も”サザンオールスターズ”ぽいメロディ展開なんじゃないかな~。

ブルージーなギターソロにキーボード(というかオルガン?)が絡んでいくのも面白いです。

07.RED LIGHT GIRL(街の女に恋してた)

「★★★★」

”桑田”氏の怒りの成分を含む力強いVocalが聴きどころで、合間に入るホーンも効果的ですし、オルガンソロも面白い! ブルーズをベースにしたヘヴィロックという感じですが、サビは流石のフックを持ってますが、オールディーズっぽい匂いが味わい深さをブレンドしている感じです。

08.GO GO GO(愚かなあいつ)

「★★★」

重めのロックが続いた後、爽やかな感じで始まりますが、サビでは力強いロックに変化する曲です。サックスが良い仕事してますね。ギターソロも悪くないです。

09.BOYS IN THE CITY (ボーイズ・イン・ザ・シティ) 

「★★★★★」

心地よいギターリフから始まる曲です。Bメロからの展開は”桑田”さんらしさを感じます。

シンガロングのパターンでいくかと思いきや少し抜け感のあるサビも良いです。いにしえのロックのスタイルが感じられてカッコイイです。

10.DEVIL WOMAN (デビル・ウーマン) 

「★★★★」

ピッチを落としたヘヴィロックです。身体を揺らしながら、このグルーヴに浸るのが心地良いです。

サビは類型的な感じもするけど、メロディも悪くないし、60~70年代前半のハードロックを想起させるし、ライブで聴きたくなる曲ですね。

11.FEEDBACK(理由なき青春)

「★★★」

シャッフルのリズムが印象的なロックチューン。

Guitarの”河内淳一”さんがVocalを務めています。バックの演奏がカッコいいっすね。ライブのような歓声が被せられているのも面白いですが、そんなに珍しいアレンジでもないかな~。

12.I'M A MAN(アイム・ア・マン・フロム・ザ・プラネット・アース)

「★★★★★」

アルバムの最後を締めくくるメロディアスなロックチューンです。ほどよいドライブ感があって、”サザンオールスターズ”の美味しいメロディ展開に、純度高めのロックを組み合わせた、個人的には最強レベルの楽曲じゃないかなと愛聴してます。

個々の楽曲に関しての採点は自分の思い入れ以上に厳しくなっちゃいましたね…。

アルバム自体は”桑田”さんのルーツを匂わせた古式ロックが続き、地味な出来と思う方も多いと思いますが、最後の最後に彼らしいロックチューンが出てくる構成にある意味でコンセプトアルバムで味わえるような凄みを感じます。

楽曲自体の出来は、粒揃いとは言えないかもしれませんが、日本のトップミュージシャンがこの時代にここまでチャレンジしてくれたことが嬉しいし、ラストの『I'M A MAN』の素晴らしさはサイコーですので、是非、一度聴いてみて欲しいですね。

「日本人にとってのロックとは何か」

先人たちが取り組んできた一つの回答として、楽しんだらいいんじゃないかな~。

その意味でレビューした”RCサクセション”の「カバーズ」も合わせて聴いてほしいな!

【名盤】 RCサクセション 「カバーズ」
http://burning.doorblog.jp/archives/45621880.html

P.S.尚、”KUWATA BAND”のシングル4枚はいずれも”サザンオールスターズ”の延長戦とも言える作品ですが、出来はかなり良いですよ~ 「ROCK COCERT」はカバーの出来も良いよ!

NIPPON NO ROCK BAND
KUWATA BAND
ビクターエンタテインメント
2001-06-25


ROCK CONCERT
KUWATA BAND
ビクターエンタテインメント
2001-06-25

 

【名盤】 佐野元春 「VISITORS」

今回の名盤レビューは”佐野元春”の1984年発表の4th Album「VISITORS」を紹介します。

佐野元春 『VISITORS』

最近はすっかり「坂道シリーズ」ファンのブログになっていますが、本来は単なる音楽ファンですので、常に良い曲を世代に関係なく、様々なジャンルで貪欲に探しているだけなんですけどね。

たまたま「坂道シリーズ」の素晴らしい楽曲に出会って、聴きまくっているだけで「良い音楽ありき」というのは言い訳でも何でもなく、自分のポリシーです。ですので、曲のクオリティが落ちたり、自分の好みでなくなれば、自然に離れていくと思ってます。

そんな僕の音楽遍歴を改めて語ると元々は「ザ・ベストテン」をはじめとする音楽番組が大好きでとにかく耳にする色んな音楽を聴きまくってましたが、その中心はテレビでしたね。

以前にもレビューで取り上げている”渡辺真知子”さんや”世良公則とツイスト”だったり、どちらかと言えば歌謡曲の領域でテレビ出演しているアーティストがメインでしたね。(”サザン”や”ゴダイゴ”等もそうだけどね)

【名曲】 渡辺真知子 『迷い道』
http://burning.doorblog.jp/archives/52588894.html

【名曲】 世良公則 & ツイスト 『宿無し』

前にも書いてますけど、”渡辺真知子”さんの歌の上手さに酔いしれたり、”世良公則”さんのロックなパフォーマンスに心を躍らせてましたね。ですので、小学生の頃から歌謡曲で育ってます。

当時はカセットテープで音楽を聴くのが普通だったので、ラジカセ(懐かしい)をテレビの前に置いて、家族に静かにしてって録音してそれを延びるまで聴いてたな~。

母親と従兄と中学校の先生の影響で中学生からはニューミュージックやフォークにハマりました。当時はカセットテープで音楽を聴くのが普通だったので、ミュージックテープを買ってそれを聴いてました。レコードプレイヤーもあったし、ステレオもあったけど、自分の部屋で音楽が聴けないので、レコードよりはテープだったな~。そもそも古いステレオだったのでオープンリールのデッキしかなかったような気がします。

その後は”松田聖子”さんや”中森明菜”さん、ジャニーズ系のアイドルなどのブームもあったりして、友達とお金を出し合ってレコードを借りて、テープにダビングしてもらったりして聴いている日々でしたね。

で、そんな僕は音楽をとにかく聴きたいけど、レコードやテープを買うお金もないのでラジオに夢中になります。NHK-FMとかの番組をチェックして、ラジカセで録音して、それを楽しんでましたね。

その頃はジャンル云々関係なく、とにかく流れる音楽をエアチェック(懐かしい!)しては聴いてた気がします。

そんな僕に衝撃を与えてくれたのがNHK-FMの「サウンドストリート」でDJを務めていた”佐野元春”さんでした。

「Motoharu Radio Show~」って知っている人、ファン以外にどれくらいいるんだろう?

僕が初めて自分でお金を出してレコードを買ったのが”佐野元春”さんの「VISITORS」です。(それまではおねだりして親にミュージックテープを買ってもらってました)

ベスト盤の「No Damage」のテープは親に買ってもらって、『アンジェリーナ』や『ガラスのジェネレーション』や『Someday』が大好きになってたのは勿論ですが、「VISITORS」はFM誌の高い評価にも後押しされて、買ったような記憶があります。

【名曲】 佐野元春 『Someday』

最初は「え、全然曲調違う!」、「ナニコレ?」ってネガティブな印象を持った記憶もあります。でもお小遣いを貯めて買ったし、とにかく聴かなきゃと思い、聴きまくり、気が付けば大好きになったアルバムです。

では全曲レビューをしていきますね。

01.『COMPLICATION SHAKEDOWN』



「★★★★★」。

いやー、たぶん人生で初めて聴いたラップでしたね。「なんじゃこの曲?」って思ったし、こんなの曲じゃない、歌じゃない・・・なんて最初は拒絶反応もあったくらいです。

ちなみにシングルカットもされているんですが、最先端の音楽に触れた感覚は今でも忘れられないし、とにかく衝撃的でした。歌謡曲やニューミュージックやフォークに馴染み深かった自分でしたが、その頃は洋楽にも手を出し始めてましたけどね。

とにかく自分にとっては新しかったし、しゃべるようなVocalにも違和感バリバリでしたね。

そんな僕が聴き込むにつれ、カッコいいって思うように変化したのは、自分で驚きましたけどね。

今となっては何の物珍しさもないかもしれませんが、1984年当時は新鮮でした。

とにかくクールでニューヨークの都会的な冷めた雰囲気が想起されるのがいいですね。音作りも当時にしてはソリッドでアレンジも工夫されていて、35年経った今でも古さは感じません。

うねるリズムとメロディがクセになります。ソウルとデジタルミュージックとラップの融合って感じですかね。個人的には曲のクオリティ云々よりも衝撃度で満点評価にしちゃいました。いやー今聴いても十分カッコいい!

ちなみに本アルバムでは4曲がシングルカットされているのですが、本作は2枚目にシングルカットされてます。

02.『TONIGHT』



「★★★★★」。

映像はちょっと渋すぎるバージョンなので、参考にならないかもしれませんが、とにかく軽快でスピード感のあるお洒落なポップスです。

メロディ展開もかなり美味しくて、僕は大好きな曲ですね。音作りも工夫されていますし、本アルバムでは比較的ストレートな部類で、過去の楽曲の延長線上にある曲でもありますので、好きだって人は多そうな気がします。

それでも最初に聴いたときはオシャレすぎる感じもして、自分好みではない感覚はありましたけどね。

でもやっぱり”佐野”さんの歌唱が良いんだよね~。

ちなみに本アルバムでは先行シングルとしてもリリースされてます。

03.『WILD ON THE STREET』

「★★★★」。

ソウルフルでダンサブルな曲です。

リズムが利いていて、ちょっと”James Brown”あたりを思い出すような黒っぽいR&Bナンバーでノリは良いし、出来も良いと思います。

サビでの歌唱が熱いですね。リズムの音も良いし、コーラスの入れ方もカッコいいっすね。

僕の好みの曲調ではありませんが、日本語でここまでこの時代にやっちゃっているのはやっぱり凄いですね。

尚、本作はシングルカットされた『COMPLICATION SHAKEDOWN』のカップリング曲でした。

04.『SUNDAY MORNING BLUE』

「★★★★」。

LPではA面ラストとなる哀愁度の高いバラードです。

都会的な洗練した雰囲気のバックトラックの渋さが良い味わいです。

個人的には『情けない週末』とか『グッドバイからはじめよう』のようにグッと来るメロディ展開のほうが好きですけど、こういうのも浸れて良いね。

ラストにかけての展開も面白いですね。

歌詞は”John Lennon”の死がテーマとなっているそうです。

こちらはシングルカットされた『VISITORS』のカップリングでした。

05.『VISITORS』

「★★★★★」。

アルバムタイトルトラックです。LPではB面の一曲目でしたね。

この曲はスピード感もあるし、メロディも良いし、結構好きでしたね。

”佐野”さんのVocalは冷淡で機械的な質感はあるけど、そのお洒落でウィットな歌詞を紡ぐこともあって、ホッとしたり、グッときたりするのが面白いですね。

本アルバムでは3枚目のシングルカットされてます。

07.『SHAME ー君を汚したのは誰』

「★★★★」。



ライブでのパフォーマンスが話題になった記憶がありますが、僕はライブはアルバムでしか経験してません。

彼のライブは楽曲のアレンジを大幅に変えたりして、それも良いんですよね。『アンジェリーナ』や『Young Bloods』のバラードバージョンとかね。

『HEART BEAT』や『Rock & Roll Night』などのライブの定番曲もあったりして、セットリストの組み方等も様式美っぽい雰囲気もあるんだよね。

話が少し横道に逸れたので、戻しますが、静かなる怒りを表現したこの曲は本作ではやや異質ではありますけど、良い曲だと思いますよ。

尚、本作は先行シングル『TONIGHT』のカップリング曲でした。

08.『COME SHINING』



「★★★★」。

これも新鮮だったな~。「R&B」というか黒っぽいリズムに淡白なメロディが乗るだけでループしてる感じなんですけど、そこでエモーショナルなVocalも入ったりで楽しめますね。

こういうノレる曲というのも僕は新鮮に感じてたと思いますね。シンセの使い方もセンス良いね。

シングル『NEW AGE』のカップリング曲でした。

09.『NEW AGE』



「★★★★★」。

応援ソングぽくもあり、メッセージソングのようなムードもあります。

タイトル通り、若者の代弁者的な曲と言っていいでしょう。

”佐野元春”さんの歌唱にロックスピリッツも感じられて、それでいてニューウェイヴっぽい新しさもあって、サビは勿論ですが、ブリッジ以降から、高揚感が出てくるのが好きです。

本アルバムでは一番最後にシングルカットされた曲です。

改めて聴き直しましたが、アレンジも秀逸だし、当時の最高峰のレコーディング技術もあって、今でも十二分に刺激的な音になっていると思います。

トータルコンセプトというか、全体を包み込む都会的な雰囲気が良いですね。

今となっては、”松任谷由実”さんや”大瀧詠一”さんや”山下達郎”さんといった「J-Pop」の進化、レベルアップに貢献された方々の音楽も後追いで聴いたりしていていますので、『No Damage』までは多少ロック色はあっても、基本はナイアガラ路線の曲、アルバムだったのかなと捉えることもできますが、そこからオリジナリティのある、新しい音楽性を追求していくターニングポイントとなったのが本作だったように思います。

その後、『Young Bloods』でシングルで初のトップ10ヒットを記録、クリスマスソングの名曲『CHRISTMAS TIME IN BLUE -聖なる夜に口笛吹いて-』をリリース、その後は3枚のシングルリリースから「Café Bohemia」とこの時期くらいが僕が一番ハマってた頃ですね。

カセットブック「ELECTRIC GARDEN」も買った気もするし、今どこにあるのかも分かりませんが・・・。

アルバムで言えば本当に良いなと思えたのは「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」までかな。その後もちょろちょろとは聴いてはいますけどね。

【名曲】 佐野元春&雪村いづみ 『トーキョー・シック』
http://burning.doorblog.jp/archives/48080669.html

僕の人生においてのカリスマでもあるし、”ダウンタウン”や”とんねるず”と共演する”佐野元春”さんの姿も楽しんでみてますけどね。

先進的で常に刺激的なロッカー”佐野元春”さんは日本の音楽史を語るうえで外せない人だと思いますので、是非、若い音楽ファンにはしっかり聴いてほしいね。

P,S最初に買うなら彼の初期の代表曲が詰まった「No Damage」をおススメしますが、「VISITORS」だったら、お蔵入りとなった『CONFUSION』も聴けるDELUXE EDITIONが良いと思いますが、入手が厳しいかもね。

VISITORS
佐野元春
ソニー・ミュージックダイレクト
2013-02-20


VISITORS DELUXE EDITION(DVD付)
佐野元春
ソニー・ミュージックダイレクト
2014-10-29


VISITORS
Sony Music Direct(Japan)Inc.
2016-07-13




Cafe Bohemia
佐野元春
ソニー・ミュージックダイレクト
2013-02-20

 
NO DAMAGE:DELUXE EDITION(DVD付)
佐野元春
ソニー・ミュージックダイレクト
2013-12-25

【名盤】 HAWAIIAN6 「SOULS」

今回の名盤レビューは”HAWAIIAN6”の2002年発表の1st フルAlbum「SOULS」を紹介します。

HAWAIIAN6「SOULS」

すっかり「坂道シリーズ」のブログのようになってますが、あくまで音楽評論ブログだと思ってます(笑)

「坂道シリーズ」の一番の魅力は音楽にあり、ライブは特に素晴らしいし、それでいて推せるメンバーがたくさんいるというのが凄いところかなと思ってます。ですので、あくまで音楽ファンとして好きです。(写真集等は一切買ってません)

ですので、このお盆休みはいろいろと音楽記事を書きたいと考えてます。

メロディ派で「HM/HR」やJ-Popを中心に音楽を聴いてますけど、ちょっと好みとは違うジャンルではあるんですけど、個人的名盤を今回は取り上げてみたいと思います。

”HAWAIIAN6”は日本のスリーピースバンドです。ジャンルで言うと「メロコア」ですかね。

「メロコア」とはメロディック・ハードコア (Melodic Hardcore)の略なんですけど、僕自身はメロディ派を公言してますけど、ことハードコアについては全く興味がないんですよね。

”Napalm Death”とかさ、世界一速い曲と呼ばれた『You Suffer』とかさ、ネタ的には聴いて大笑いしたこともあるけど、もはや曲じゃないしね。



パンクもそうなんだけど、アティチュード重視で音楽的な魅力が薄いケースが多いんだよね。音も軽かったりするしね。

とはいえ、メロディを重視する「メロコア」は過去にレビューでも取り上げてますけど、ピンポイントで好きな曲やアルバムがある程度ですので、そこまで好きなジャンルではないですね。

【名曲】 Offspring 『The Meaning Of Life』



そんな僕が大好きなメロコアの名盤が”HAWAIIAN6”の1st Full Album「SOULS」です。

ひたすら疾走していて、しかもメロディがクサくて、殺傷力、扇情力が強烈でリリースから20年近く経った今でも聴いてますね。

では全曲レビュー行きます!

01.『LIGHT AND SHADOW』

「★★★★★」



オープニングから強烈な疾走感です。

音が軽いのが「HM/HRマニア」の僕からすると少し気になるところではありますが、メロディの泣きが強烈なのでそんなの関係ないくらいエモいです。エモ過ぎて気持ち悪くなりそうなくらいの名曲です。

ギターがザクザクリフを刻みながら、慟哭のメロディが展開するのは本アルバムの基本ラインですが、その最も美味しいところが聴ける一曲だと思いますね。

02.『AN APPLE OF DISCHORD』

「★★★★★」

入りこそ、スローでややメロウな展開で始まるものの、Bメロからは一曲目の『LIGHT AND SHADOW』の勢いを落とすことなく、こちらも一気に突っ走っていきますね。メロディの起伏も十分で少しスローに展開する流れもかなりカッコいい!

後半部分もガンガンに叩くドラムに乗せ、メロディ展開も秀逸でしっかり盛り上がって終了です。

この2曲で既に完全にハートをガッチリつかまれた感じがしましたね。

歌詞は反戦のメッセージを持つそうですが、そんなのは関係なく、普通に良い曲だと思います。

03.『THE BLACK CROWS LULLABY』

「★★★★★」

いきなりの爆音スタートの3曲目ですが、歌謡曲的なクサめのメロディに派手なリズムセクションが絡む佳曲ですね。

サビのウネリのあるメロディはどこかで聴いたこともありそうなんですけど、そんなの関係なく、ヘドバンしたくなります。

味わい深いBメロ~サビのメロディ展開が最高です。こちらもギターソロは欲しかったな~。

04.『ETERNAL WISH, TWINKLE STAR』

「★★★★★」

本アルバムでも最もファストなチェーンじゃないかな?

クサいメロディでひたすら疾走する感じが最高で、極め付けっぽい感じで叩きのめされます。

リズムチェンジしてからの重めの展開も良いね。

個人的にはここまでで既に昇天している感じですね。

爆音とスピードに包まれるのが最高!

05.『FLOWER』

「★★★★」

ここまで暗めのメロディが続いてましたが、少し明るい感じのメロディで雰囲気が変わります。

リフ展開は引き続きカッコいいです。

ロックンロールっぽいテイストがあって、サビはシンガロング系の流れで一緒に歌いたくなる感じも良いですね。

06.『MY UNIVERSE』

「★★★★★」

またも一気にギアを上げ、突進型のファストチューンですね。これも良い曲だね。

メインリフがかなりカッコいいんですけど、それでいてサビのメロディが複雑な組み立てなんですけど、クサくて沁みるのも凄い!

途中のオイパンクっぽいパートも効果的ですね。

07.『TINY SOUL』

「★★★」

バンドは元々”Hi-STANDARD”のコピーバンドから活動をスタートしたそうなのですが、その”Hi-STANDARD”の”横山健”さんが楽曲を提供したのも一部界隈では話題になりましたね。

1分ちょっとの凄い短い曲ですが、勢いは凄いですし、メロディも少し単調ですが、聴いてて爽快感があるので好きな人も多そうですけどね。

08.『YOUR SONG』

「★★★★」

展開がやや複雑ではありますが、こちらも基本的に突っ走るファストチューンです。

泣けるメロディもあるし、キレの良いリズムも良いし、十二分に楽しめます。

サビのコーラスの畳み掛けも良いね。

3分ちょっとあって、本作では長めの曲なんですけど、もうちょっと聴きたい気もします。

09.『CHURCH』

「★★★★」

スタートこそ「バラード?」って雰囲気ですが、すぐにリフが切り込んできて、突っ走っていきます。

演歌(艶歌)と比較したくなるような艶っぽいメロディが楽しめ、ブリッジの展開なんかも大仰なんですけどね。それがクセになっていきます。

リフもカッコいい!

最後は”Metallica”っぽい太めの演奏で終了するのは笑っちゃうけど、それも良いね。

10.『AUTUMN LEAVES』

「★★★★」

シャンソンのスタンダード曲『枯葉』(原題:Les Feuilles mortes)のカバーです。

入りの部分はそれっぽいムードを感じますが、すぐに疾走していくので、笑っちゃいますけどね。

メロディは言うまでもなく最高だし、物悲しいメロディが疾走していくのは凄いカタルシスです。

本アルバムの中では良いアクセントになっていると思いますよ。

11.『PROMISE』

「★★★★」

こちらもやや明るめのメロディを持ち、ポップな雰囲気もあるシンガロング系のロックナンバーですね。

それでもボーカルメロディの展開は一筋縄ではいかなく、フックになってますね。スピードこそ抑え目ですけど、十分に魅力的です。歌唱のバックの切り刻むリフが面白い!

ラストは大団円的な感じのコーラスで盛り上がって終了ですね。

12.『HEARTBEAT SYMPHONY』

「★★★★」

ここまでにないテイストのJ-Popっぽい感じのスタートです。リズムセクションも疾走することなく、普通に進行していきます。

その意味でも本作で最も異彩を放つ曲かもしれません。

サビのフックはなかなか強烈です。

メロディは相変わらず畝っていて、心地いいんですが、後半に入り、疲労感も出る中で良い感じで一息つけるようにも思います。

個人的には満点評価にしたいくらいお気に入り。

13.『DISTANCE』

「★★★」

こちらも疾走チューンです。

全体的にメロディがやや弱いのが残念かな。

ややスローなブリッジの展開から、後半一気に畳み掛けるのは面白いですけどね。

14.『A LOVE SONG』

「★★★★」

ラストナンバーです。勿論、疾走してます。

明るめのメロディで中盤以降はコーラスも入り、より盛り上がっていく感じですね。

サビ以降のブリッジのメロディとリズム展開も面白いです。

14曲で37分。このスピード感が堪らないのは勿論ですが、合わせて慟哭の泣きのメロディが堪能できるのが最高です。

特にアルバム前半(01~04)の充実度が凄くて、僕にとっては清涼飲料水のような威力をいつでも発揮してくれますね。似たような曲が続くし、丸々聴くと少し疲労感も出るかもしれないけど、僕にとっては”Offspring”の「Ixnay on the Hombre」と”HAWAIIAN6”の「SOULS」は僕にとってのメロコア最高峰の1枚として記憶に刻まれてます。

「疾走感」、「慟哭のメロディ」、このあたりに興味を持ってくれた人は是非、一度視聴してみて欲しいな。

P.S.『LIGHT AND SHADOW』を聴いて良いなと思った人、ほとんどそんな曲ばっかですよ(爆笑)

SOULS
HAWAIIAN6
PiZZA OF DEATH RECORD
2002-08-07


SOULS
PIZZA OF DEATH RECORDS
2010-06-09


【名盤】 Perfume 「GAME」

今回のアルバムレビューは”Perfume”の2008年発表の1st オリジナルアルバム「GAME」を紹介します。

Perfume 『GAME』

”Perfume”はすっかりアイドルという肩書を取っ払い、ここ10年ほど「J-Pop」シーンのトップアーティストに君臨し、活躍し続けていますねえ。彼女たちのライブパフォーマンスは本当に凄いし、海外展開の可能性もあるしねえ。

ブログを始めた初期に”Perfume”はレビューを書いているんですけど、今回は彼女たちの初のオリジナルフルアルバム「GAME」をアルバムレビューで紹介したいと思います。

【名曲】 Perfume 『エレクトロ・ワールド』

僕が”Perfume”を知ったのは上記のレビュー記事 に書いている通りなんですけど、「Perfume ~Complete Best」があまりに素晴らしかったこともあって、「GAME」は予約して買ったんだよねえ。『ポリリズム』、『Baby cruising Love/マカロニ』でブレイクしつつあった当時の”Perfume”の勢いは僕の想像を超え、アルバムでの初のオリコン1位は歓喜したなあ。

そのアルバムはポップでありながらも、”中田ヤスタカ”氏らしい緻密で刺激的な音作りが強烈で、2000年以降の「J-Pop」の名盤として評価されるに相応しい、高いクオリティを持つ作品になっています。

ではレビュー行きましょうか!

01.『ポリリズム』



”Perfume”の出世作となった5th Single表題曲ですね。NHKと公共広告機構による共同キャンペーン「リサイクルマークがECOマーク。」のCM曲でしたね。この曲で”Perfume”を知った人は多いでしょうね。

楽曲自体の構成は極めてシンプルでAメロとサビのみをループさせる感じで、「J-Pop」のフォーマットらしからぬ、無機質で音自体はかなり凝っていて、重低音がビンビン下半身に響いてくる、キラーチューンですね。

文句なしの「★★★★★」ですね。このオープニングは強烈だね。

02.『plastic smile』

明るさのある、ポップなダンスチューンですね。でもバックトラックは01同様にかなり刺激的です。ヘッドホンで細かく音像を聴くとかなり印象が変わりますね。なかなかの佳曲ですけど、曲自体の評価は「★★★」にしておこうかな。

03.『GAME』



アルバムのタイトルトラックであり、”Perfume”史上最もへヴィーな部類に入る楽曲だと思います。カッコいいリフで、ベースがブンブン唸り、変則リズムのバックで彼女たちのコーラスがチョコっと入るだけで実質インストのような曲ですけど、スリリングですねえ。アイドルという枠を完全に飛び出した革新的な楽曲で、こちらも「★★★★★」ですね。

04.『Baby cruising Love』



両A面の6th Singleの1曲ですね。一聴するとアイドルっぽい、また歌謡曲っぽい、馴染みやすいメロディを持つ曲で、ある意味、”Perfume”らしからぬ曲と言えるかもしれませんね。とはいえ、バックトラックやVocal エフェクトは異質で一筋縄ではいかない感じがありますけど、個人的には「★★★」の普通評価かな。ちょっとこの曲聴いて、”Perfume”への熱が冷めそうになったんだよね。

05.『チョコレイト・ディスコ』



完全生産限定盤『Fan Service[sweet]』として、CDとDVDをパッケージにしたシングルのメイントラックで、彼女たちの代表曲の一つと言えるでしょう。「バレンタインデー」にちなんだ曲としては、超定番曲”国生さゆり”の『バレンタイン・キッス』と並ぶ、代表的な楽曲になりましたね。

なんてことないシンプルな構成の曲なんだけど、バックトラックは相変わらずかなり攻撃的な仕上げで、良い曲なんだよな。減点する要素もないけど、あまりに定番化していて、聴き過ぎて若干食傷気味な感じもするので、天邪鬼な僕は「★★★★」にしておきます。

06.『マカロニ』



04の『Baby cruising Love』と両A面扱いでリリースされた楽曲で彼女たちからすると初のチャレンジとなる、ブルージーな雰囲気を持つ音数少なめのポップソングですね。でもリズムトラックは音の冴えが凄くて、カッコいいんですよね。ブルーズの持つ人間的な温かみと機械的で刺激的なリズムトラックの組み合わせは難易度高そうですけど、意外なほど、すんなり聴けるのは本当に天才的ですね。

メロディも展開も普通っぽいんですが、Vocal エフェクトも印象的で、僕はこの曲が大好きです。MVもなかなか良かったよね。

こちらは文句なしで「★★★★★」ですね。

07.『セラミックガール』



前半はシングル曲が続いたのもあって、ベストアルバムっぽい雑多な雰囲気もありましたが、ここからがこのオリジナルアルバムの聴きどころだと思ってます。

スピード感のあるポップチューンで言葉数もかなり多くて、「セラミックガール~」のサビ前のタメが効いてますね。何度聴いてもこの曲はアガりますね。

BSフジの『スミレ16歳!!』のドラマ主題歌にもなってます。

評価は「★★★★」にしておきましょうか?

08.『Take me Take me』

無機質な感じの曲でメロディもタンパクなんだけどね。Vocalの入れ方はかなり工夫されていて、これもクセになる曲なんだよなあ。ラストにかけ、ドラムの音だけが響く中、Vocalが戻ってくる展開も面白いね。

こちらも評価は「★★★★」かな。

09.『シークレットシークレット』



僕はこの曲が本作では一番好きかも。キャッチーでウネリのあるメロディはメチャ好みだし、ズンズン来る重低音のリズムトラックも良いよね。全体的なバランスも良いんだよね。

単なるアルバム収録曲ですが、「pino」のCMソングにも起用され、MVも制作されていますね。

文句なしの「★★★★★」。

10.『Butterfly』

無機質なバックトラックにシンプルで心地よいメロディを刻むVocalが心地よいんですけど、二番からはキラキラ感のあるシンセのフレーズが乗っかってきて、トリップしそうな感覚が堪らないですね。

曲の後半は更にそのキラキラしたフレーズが大きくなって、軽く聴き過ごせない感じも面白いね。

いやー、クセになる曲ですよ。評価は「★★★★」にしておきます。

11.『Twinkle Snow Powdery Snow』

いやー、これも名曲だねえ。キャッチーで掴みもバッチリで冬っぽさが良い感じで出ているんだよね。それこそ、”広瀬香美”さんの「アルペン」のCMソングと取って代わっても良いような雰囲気だけど、相変わらずバックトラックは強烈でねえ。

サビラストのVocal エフェクトも効果的ですね。勿論、「★★★★★」。

12.『Puppy love』

ベースソロからスタートするエンディング曲ですね。アイドルソングっぽい、可愛らしい雰囲気を持つ曲でキュンキュンさせられる感じもありますが、音の構成はかなり緻密で相変わらず”中田ヤスタカ”氏の才能を感じちゃいますね。サビのメロディも良いんですけど、ウィスパーっぽい感じのVocalも効果的ですね。

評価は「★★★★」かな。

タイトルトラックの「GAME」が象徴的ですが、シングル曲が5曲も収録されている割に聴後はチャレンジングな印象が残るアルバムになっています。

シングル曲も勿論悪くないんですけど、やっぱり後半の流れが良いですね。

『シークレットシークレット』を筆頭に佳曲満載で”中田ヤスタカ”氏のこだわりの音作りは今聴いても十二分に刺激的です。

「テクノポップ」自体には興味はないんですけど、耳に強烈に残る、この音の「暴力」は全世界で聴いてもらうだけの価値があると思います。

頭で考えるのではなく、身体で感じる音の芸術。是非、ワールドワイドに聴いて欲しいね。

”中田ヤスタカ”氏はどこへ向かうんでしょうかね? 見逃せないね。

P.S.最近の最新技術を投入したライブ映像も良いけど、「GAME」ツアーのライブDVDも良い出来です。個人的には「Fan Service bitter」に軍配を上げるけどね。(これはDVDレビューしたい出来だね)

GAME
Perfume
徳間ジャパンコミュニケーションズ
2008-04-16





Perfume First Tour 『GAME』 [DVD]
Perfume
徳間ジャパンコミュニケーションズ
2008-10-15


Perfume First Tour『GAME』 [Blu-ray]
Perfume
徳間ジャパンコミュニケーションズ
2013-08-14


Fan Service bitter Normal Edition [Blu-ray]
Perfume
徳間ジャパンコミュニケーションズ
2013-08-14


GAME
徳間ジャパンコミュニケーションズ
2015-04-29


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