J-Popの名盤

【名盤】 BOØWY 「“GIGS”JUST A HERO TOUR 1986」

今回のアルバムレビューは”BOØWY”の1986年発表の「“GIGS”JUST A HERO TOUR 1986」を紹介します。

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”BOØWY”は僕の音楽史においては、最も熱狂的ファンになったバンドのひとつです。現在ではメロディを冷静にチェックして、曲単位で音楽を聴いてはいますが、とにかく当時は”BOØWY”好きで好きで仕方なかったですね。

”BOØWY”は1980年に6人組で結成されますが、当時の音楽シーンではアイドル歌謡全盛期でジャニーズをはじめ、”松田聖子”、”中森明菜”といったトップアイドルなどを筆頭に、演歌勢も頑張っていた時期でした。ヒット曲が普通にヒット曲として老若男女に口ずさまれている良い時代だったなあと思います。

1982年に”BOØWY”の記念すべき1st Album「MORAL」が発表されます。彼らの代表曲『IMAGE DOWN』、『NO.NEW YORK』なども収録されていますが、アルバム自体の完成度は決して高くないですが、『On My Beat』に象徴される荒削りでパンキッシュなロックが主に収録されていて、勢いは凄かったですね。ちなみに僕は後追いで「MORAL+3」としてリリースされたアルバムを購入しました。

そして1983年には4人組となり、2nd Album「Instant Love」を発表します。新宿有線で『FUNNY-BOY』が3週連続1位を記録し、話題になりますが、アルバム自体は様々なタイプの楽曲が収録されていて、ある意味散漫な印象を受けますが、やっぱり勢いや暴力性を感じる仕上がりになっています。後追いにはなるのですが、個人的には結構お気に入りのアルバムです。

そして1985年には”東芝EMI”にレコード会社を移籍し、セルフタイトルの3rd Album「BOØWY」を発表します。プロデューサーは”佐久間正英”を起用、更にエンジニアには”マイケル・ツィマリング”を採用し、ドイツでのレコーディングを行い、このアルバムで”BOØWY”の音楽スタイルがほぼ固まったと思います。名プロデューサー”佐久間正英”さんの才能が開花されたのもここがスタートですね。

そして1986年に「JUST A HERO」が発売され、オリコン最高位5位を記録し、ブレイクを果たします。実験的で彼らのやりたい音楽性を追求したアルバムと言われてはいますが、十分にポップで聴き応えのある内容になっていると思います。

僕が最初に”BOØWY”を聴いたのはその頃ですね。決して早くから”BOØWY”に注目していたわけではありませんでした。ラジオでシングルカットされた『わがままジュリエット』が掛かったのを聴いたのが最初かな、そんなにピンと来なかったのですが、とりあえずチェックでもしておこうかとレンタル屋へ行って、”BOØWY”を借りようと思ったのですが、ちょうど「“GIGS”JUST A HERO TOUR 1986」のレコードが置いてあって、それを借りたんですよね。勿論、テープにダビングしたんですけど、これがカッコ良くて、完全にハマっていきましたね。

1986年にリリースされた、ヒットを狙いにいったと言われている、5th Album「BEAT EMOTION」が狙い通りオリコン1位を獲得。『B・BLUE』、『ONLY YOU』もシングルヒットし、”BOØWY”人気が爆発します。10万枚限定でリリースされた「“GIGS”JUST A HERO TOUR 1986」はその頃にはレアアイテムとなっており、入手不能になりました。

僕はテープが伸びそうになるくらい「“GIGS”JUST A HERO TOUR 1986」を聴きまくり、旧作を全部揃え、その後、リリースされた”BOØWY”の作品を買い漁っていくのですが、人気の絶頂期の1987年12月に渋谷公会堂のライブ中にいきなり”解散”を発表。(その場面はDVD「1224」に収録されています)NHKがバンド解散の臨時速報を出すほどに大きくなったバンドは1988年には東京ドームで「LAST GIGS」を2日間開催した後に、あっさりと解散します。

その10年にも満たない活動期間で日本の音楽史に大きなインパクトを与え、伝説と化した”BOØWY”は本当にカッコイイバンドでしたね。その後の”氷室京介”、“布袋寅泰”はソロでも活躍し、音楽シーンのトップに君臨し続け、カッコイイ音楽を引き続き制作していきます。

ではレビューに行きましょう。

1曲目:『PROLOGUE』。ライブのオープニングSEですね。でもなかなか幻想的でカッコイイ曲で素晴らしいオープニングになっていると思います。

ここからA面はメドレーのような形式で淀みなく、楽曲が流れていきます。実際には3曲目までは1986年7月の武道館公演なのですが、それ以外は別のライブからの収録のようです。それでいて、Liveの勢いが継続されているのは凄いですね。

2曲目:『BAD FEELING』。ギターのカッティングがカッコイイ、スピーディーでノリの良いリズムが印象的な曲ですね。

3曲目:『ROUGE OF GRAY』。リフがカッコイイ、ミドルテンポの楽曲ですね。メロディが沁みて、個人的にはお気に入りです。

4曲目:『BLUE VACATION』。スピーディーでメロディもなかなか秀逸で構成もしっかりしている素晴らしい曲だと思っています。個人的には”BOØWY”の楽曲の中でもベスト5に入る出来だと思ってます。

5曲目:『JUSTY』。スピード感があって、ストレートなロックチューンですね。さほど捻りはないですが、キャッチーでなかなかのメロディだとは思いますね。

6曲目:『BABY ACTION』。シャッフルのリズムが心地よい、ややコミカルなナンバーです。個人的に『BABY ACTION』は”BOØWY”の楽曲の中でもトップクラスで大好きな曲です。

7曲目:『ホンキー・トンキー・クレイジー-HONKY TONKY CRAZY-』。”TONKY”のスペルミスはご愛敬というところですが、こちらは”BOØWY”の中でも最もポップな部類の楽曲ですね。 シングルカットもされているのも納得ですが、世間の”BOØWY”のイメージとは少しズレている感じの曲だと思いますね。以前から”BOØWY”にはかなりキャッチーでポップな曲もありますし、彼らの音楽性の一面でもあるんですけどね・・・。

さあ、ここまでがA面です。ではB面へ行きましょう。

8曲目:『わがままジュリエット』。シングルカットもされたバラード曲です。”氷室京介”が一人で作詞・作曲をしています。哀愁漂うメロディが素晴らしいですね。まあでもバラードなら”Cloudy Heart”には適わないかな?

9曲目:『DREAMIN'』。歌詞が印象的なスピードチェーン。ライブでも人気の曲ですね。今聴くと歌詞もかなりクサイ感じがしますが、当時はカッコイイなあと思ってましたね。印象的なリフが良いですね。

10曲目:『IMAGE DOWN』。”氷室京介”の名セリフ「Live House武道館へようこそ」が聴けますね。いやあ、カッコイイですね。「LAST GIGS」は観客に歌わせ過ぎて少しバランスが悪く感じたのですが、このバージョンは良いと思います。

11曲目:『NO.NEW YORK』。このあたりの流れは強力ですね。セットリストでも『IMAGE DOWN』とセットでやっているケースが多いですね。今聴くと恥ずかしい歌詞ではあるのですが、メロディはなかなかでカッコイイです。

12曲目:『JUST A HERO』。最後はしっとりとしたミディアムテンポのナンバーで締めですね。このエンディングはなかなかの構成だと思いますね。

いわゆるヒット曲は一切収録されてませんが、トータルの流れも良いですし、”BOØWY”の音楽的な美味しいところを堪能できる最適なアルバムではないかなと思っています。正直、オリジナルよりもカッコイイ仕上がりになっているのも特筆ものですね。さすがライブバンドとして鳴らしただけのことはありますよね。

更にJ-POP、J-ROCKシーンのトップに立つ直前の最も勢いのある時期のライブなので、緊張感もバッチリですね。ヒット曲満載の「LAST GIGS」も決して悪くないですが、ちょっとバランスが良くないし、フェアウェルツアー的な位置付けなので、緊張感が比べるまでもありませんね。

”BOØWY”の好きな曲を選ぶのはかなり難しくて、洗練されたプロデュースにはなってしまいますが、既に解散が確定してから制作された「PSYCHOPATH」の『LONGER THAN FOREVER』、『MEMORY』、『Gigolo & Gigolet』、『RENDEZ-VOUS』、もしくは初期の『ON MY BEAT』、『FUNNY-BOY』、『SYMPHONIC』なんかが好きですね。まあ、皆さん、伝説のバンド”BOØWY”は全部聴きましょうよ!

とにかく日本一、いや世界一、いや宇宙一カッコイイバンドだった”BOØWY”は凄かったですし、僕の人生においてもレンタルを含め、CD、完全版と3回もアルバムを買い直したのは「“GIGS”JUST A HERO TOUR 1986」のみなので、是非、,試して欲しいですね。彼らがいなければ、世界的人気を博しているバンドも存在する”ビジュアル系”というカテゴリーも生まれることはなかったでしょうし、バンドのマーケティングのあり方のお手本として、現在の音楽業界に与えた影響は計り知れませんし、現在の日本の音楽史は大きく変わっていたはずです。

とにかくカッコイイという言葉が一番当てはまる、そんなバンドでしたね。


”GIGS”JUST A HERO TOUR
BOΦWY
EMIミュージック・ジャパン
2005-02-16


1224 [DVD]
BOΦWY
EMI Records Japan
2001-12-24

【名盤】 RCサクセション 「カバーズ」

今回のアルバムレビューは”RCサクセション”の1988年発表のカバーアルバム「カバーズ」を紹介します。

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個人的に”RCサクセション”にハマった時期はないです。フォーク時代のヒット曲『ぼくの好きな先生』は僕にはピンと来なかったし、”RCサクセション”がエレキ化し、ロックを追求するようになってからもチェックリストには入っていませんでしたね。まあ日本語ロックの名盤として「RHAPSODY」が音楽誌で紹介されていましたので、一度レンタルしたのですが、まあ名曲『雨上がりの夜空に』や”坂本九”のカバー『上を向いて歩こう』は気に入りましたが、それ以外の曲はやっぱりピンと来なくて、敬遠していましたね。

CMソングにもなった『ベイビー!逃げるんだ。』、”忌野清志郎+坂本龍一”名義でリリースされ、話題となった『い・け・な・いルージュマジック』、後にリバイバルヒットを記録する名バラード『スローバラード』なんかは聴いてましたけどね。やっぱりそんなにハマらなかったですね。

そんな中、1988年に日本の音楽史に残る大事件が起こるのです。

「素晴らしすぎて発売できません」という所属レコード会社”東芝EMI”による新聞広告でアルバム「カバーズ」、シングル『ラヴ・ミー・テンダー』の発売中止が発表されるのです。その理由は露骨な反核、反原発の歌詞にありました。まあ、親会社の”東芝”は原発のサプライヤーでもありますしね。

結果的にこの広告を引き金に、本作を望むファンの声が高まり、マスコミからも注目を浴び、世論の後押しもあり、古巣のキティレコードから発売されることになります。

結果的に本作はオリコン1位を獲得します。これが”RCサクセション”の唯一の1位獲得作品となったのは皮肉めいた感じがします。

単なるカバーアルバム以上の意味を持つ、本作はロックのスタンダードナンバーがたっぷりと収録されていて、個人的には大好きな作品です。

ではレビューいきます。

1曲目:『明日なき世界』。オリジナルは”Barry McGuire”の1965年発表の『Eve Of Destruction』。原曲自体もベトナム戦争当時のアメリカでその過激な歌詞が問題視され、ラジオで放送禁止となりますが、話題となり、全米1位を獲得した曰く付きの曲です。オリジナルは未聴なのですが、曲自体はポップで良いメロディが印象的です。

2曲目:『風に吹かれて』。オリジナルは”Bob Dylan”の1963年発表の『Blowin' In The Wind』。彼にとっても代表曲ですし、ロックのスタンダードナンバーですね。こちらもメッセージ性が強いシンプルな楽曲です。曲についても勿論素晴らしいですね。

3曲目:『バラバラ』。オリジナルはドイツの”THE RAINBOWS”の1965年発表の 『Balla Balla』。ドイツと日本でヒットしましたが、なかなかコミカルでポップな感じの楽曲ですね。

4曲目:『シークレット・エージェント・マン』。オリジナルは”Johnny Rivers”の1966年発表の『Secret Agent Man』。これも良い曲ですね。独特のメロディが大好きですね。”坂本冬美”が参加し、コブシの効いた歌をデュエットで披露してくれていますね。

5曲目:『ラヴ・ミー・テンダー』。オリジナルは”Elvis Presley”の1956年発表の『Love Me Tender』。超有名曲なので今更説明は不要でしょうが、かなり無理のある歌詞がややユーモラスな感じもしますが、強烈なメッセージが籠もってますね。

6曲目:『黒くぬれ!』。オリジナルは”The Rolling stone”の1966年発表の『Paint It Black』。彼らの代表曲ですね。ロック色が強い楽曲でカッコイイです。

7曲目:『サマータイム・ブルース』。オリジナルは”Eddie Cochran”の1958年発表の『summertime blues』。”The Who”のバージョンが有名なロックのスタンダードナンバーですね。こちらも唸る感じでカッコイイですね。

8曲目:『マネー』。オリジナルは”Barrett Strong”の1960年発表の”Money”。”The Beatles”などのカバーが有名ですね。こちらもロックしていて悪くない仕上がりですね。

9曲目:『サン・トワ・マ・ミー』。オリジナルは”Adamo”の1963年発表の『Sans Toi M'amie』。まあ、有名な楽曲ですが、メロディも良いし、”清志郎”の艶のある歌唱も素晴らしいですね。

10曲目:『悪い星の下に』。オリジナルは”Albert King”の1963年発表の『Born Under A Bad Sign』。”Cream”のカバーが有名ですね。こちらもメロディが良くて、好きです。

11曲目:『イマジン』。オリジナルは”John Lennon”の1971年発表の『Imagine』。こちらも超有名曲ですね。1960年代の楽曲がズラリと並ぶ中、比較的新しい楽曲なのですが、こちらも誰もが知っているスタンダードナンバーとですよね。

まあ、カバーアルバムでスタンダードナンバーばかりで楽曲自体は文句のつけようがないほど、素晴らしいし、歌詞は別にして、素晴らしい”音”で過去の名曲たちが蘇っていて、多彩なゲストが参加していたりもしますが、トータル的なアルバムの完成度も高くて、非常に良い仕上がりになっていると思いますね。

アルバム発売後、”忌野清志郎”は”The Timers”を結成します。(このアルバムも好きだったなあ)
しかしながら、”King Of Rock”とまで呼ばれた希代のカリスマ”忌野清志郎”も病には勝てず、「癌性リンパ管症」により、2009年にその短くも、濃密な人生を終了します。

彼の残した音楽自体はハマれませんでしたが、彼の人間性、彼の歩み、彼の戦いは音楽史にとって、非常に大きな功績を残しているのは間違いないところですし、リスペクトしています。

発表から30年近く経った今でも、元気をくれるこのアルバムは僕の人生にとって、重要な一枚です。

カバーズ
RCサクセション
USMジャパン
2005-11-23

【名盤】 ゆず 「ゆず一家」

今回はアルバムレビューです。”ゆず”の1998年発表の1st フルアルバム「ゆず一家」を紹介します。

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僕にとって”ゆず”と”Kiroro”はフォークの良さを再認識させてくれたことで、とても大切なアーティストです。当時、HM/HRにどっぷりとハマり、日本の音楽に対して、ネガティブな感情を少し持っていた時期もありました。J-Popは「カラオケを歌うための音楽」と割り切ったような感じで、一部のアーティストを除いて、本気で良いなあと思える音楽が少なかった時期的な問題もあるんでしょうけどね。

僕にとって、「フォーク/ニューミュージック」は音楽を聴き始めたスタートでもあり、原点のような音楽なのですが、時が経ち、「フォークが好き」って言えないようになってました。まあ、気恥ずかしさやかっこ悪さを感じてましたし、過去の音楽という捉え方で一線を引いていたのですが、その心に沁みるメロディやシンプルな構成はそのままに現在でも大人気となったことが凄く嬉しかったし、彼らの音楽も秀逸で胸に迫るモノがありました。ですので素直に「フォークが好き」、「自分にとっての音楽の原点はフォーク」って言えるようになれましたね。

さてレビューです。ゆずは好きな曲が一杯あり過ぎて、名曲レビューだと選べずに困っちゃうんでアルバムレビューにすることにしました。

オープニングは『四時五分』です。軽快でポップな曲ですね。若干オチャラケ感がありますが、しっかりとした中盤以降のメロディがなかなか聴かせてくれて、僕は結構好きですね。名曲といかないまでも佳曲って感じですかね。

2曲目はシングルとしてリリースされた『少年』です。ブルースハープが心地よい、ポップな曲です。尚、シングルとはバージョンが違うようですが、曲自体の魅力に大きな影響はないです。

次は『以上』ですね。”岩沢厚治”さんのせつなさが爆発するVoが聴き所ですかね。もの悲しいメロディが聴けますが、サビにかけて、ポジティブなメロディに切り替わり、良い感じでエンディングを迎えるのも素晴らしいですね。個人的にはこういう楽曲にこそ、魅力を感じちゃいますね。

そして超有名曲『夏色』です。世間一般的には文句なしの名曲ってところなんでしょうけどね。相当聴き過ぎたので、ウルトラFESのひとことレビューでも★5つにはしませんでしたが、良い曲ですよね。

5曲目『手紙』。これも良いですね。暗くなりすぎることもなく、美味しいメロディが楽しめます。途中の朗読は個人的には不要ですが・・・演出としてLiveなんかでは効果的でしょうね。

そして個人的大名曲『心の音』。哀愁たっぷりのメロディをこれでもかってくらい詰め込んでいる構成が凄まじいですね。主旋律一発で勝負できるフォーマットでここまで美味しいメロディを組み合わされたら、参りましたというしかないですね。この歌はファンの方には人気なのでしょうか? 僕はこの歌が収録されていることが本作を選んだ理由の一つですね。

7曲目『雨と泪』。これも良いですよね。『心の音』に比べると通常のフォークに近い、極めてシンプルな構成ですが、主旋律のメロディが堪らないです。こういう楽曲をギターとブルースハープだけで演奏されたら、ヤバイですね。「そんなに泣かなくていいんだ~」・・・このフレーズは脳裏に刻まれてますね。

次は『巨女』。歌い方を含め、ややコミカルなタッチの曲です。アルバムの流れの中ではアクセントになっていて良いと思いますが、メロディが薄いので、そんなに好きな楽曲ではないですね。

9曲目『ソウロウ』です。ヘンなメロディにロックっぽいボーカルが乗る変わった曲。アレンジもそのヘンさを助長していますよね。

そして10曲目は『月曜日の週末』。これを1曲目に持ってくるのが本来の構成かなと思いますね。スピーディーでノリの良い曲です。ノリの良さと勢いでややメロディが薄く感じますが、”岩沢厚治”さんの歌メロ、高音シャウトが聴かせてくれて、好きですね。

『街灯』。勢いがあった曲の次とは思えないほど、落ち着いたシンプルな楽曲。

12曲目『ねこじゃらし』。これもなかなか沁みる良い曲ですよね。でもこういう楽曲こそ”ゆず”の魅力のような気がしてます。なんてことないシンプルなフォークにこそ、”ゆず”の良さを感じてしまうので、派手なアレンジを施した最近のシングル曲なんかは「これじゃない」感が出ちゃいますよね。

13曲目『贈る詩』。これも良いですね。Bメロからサビにかけての流れが最高です。個人的には大好きな曲ですね。歌うには難しい歌でしょうけど、こういうのが卒業式の定番ソングになったら良いよね。

ラストは『境界線』。エンディングにふさわしい感じのゆったりした映画のエンドロールとかで掛かっても良さそうな曲ですね。最後のサックスがなかなか良いですが、曲の出来としては普通ですかね。

楽曲の世界観をきちんと守った”寺岡呼人”さんが良い仕事をされていると思います。

個人的には『心の音』、『雨と泪』、『月曜日の週末』、『ねこじゃらし』、『贈る詩』、『四時五分』あたりが好きですね。勿論、シングル曲も素晴らしいです。

ちなみに本当は大好きな”ゆず”の曲は一杯あって、『てっぺん』、『アゲイン2』、『ところで』、『地下街』、『連呼』、『サヨナラバス』、『センチメンタル』、『からっぽ』、『飛べない鳥』、『嗚呼、青春の日々』・・・キリがないですね。1曲を選ぶなら、『てっぺん』か、『アゲイン2』の二択で悩みそうですね。

本作は捨て曲もなく、”ゆず”のそもそも持つ音楽的魅力が一杯詰まっているので、オススメですね。尚、本作はロングセールスを記録し、現在までに約90万枚のセールスを記録しているそうです。

こういうアルバムが売れている日本の音楽シーンって最高ですよね。

ゆず一家
ゆず
SENHA&Co.
1998-07-23

【名盤】 Raphael 「Mind Soap」

今回はアルバムレビューです。日本のビジュアル系? HM/HR? バンド”Raphael”の1999年発表のデビューアルバム「Mind Soap」を紹介します。

Raphael 「Mind Soap」

彼らは1997年に結成。その後、Liveを中心に活動しますが、1999年には渋谷公会堂でワンマンライブを行いますが、チケットは即日ソールドアウト。抜群の人気でメジャーデビューを果たします。

本作にも収録のSingle『花咲く命ある限り』でデビューするのですが、”X-Japan”もしくは「German Metal」に大きな影響を受けた楽曲で、人気に拍車が掛かります。

「German Metal」を広めたDJであり、HM/HR評論家の”和田誠”氏の推薦もあり、アルバムを購入したのですが、その内容は想像以上に良くて、まさしく圧倒されましたね。その魅力は”華月”の作る素晴らしい楽曲と”YUKI”の安定感のある素晴らしい歌唱、バックのしっかりした演奏技術にあると思います。

それではレビューに行きたいと思います。

『シナゴーグ前奏曲第3楽章~変ホ長調~』。アルバムのオープニングですね。オルゴール? 管弦楽? 良くわかりませんが、もの悲しくも明るいような変わったオープニングですね。

『さくら』。オープニングの後に疾走曲というのはGerman Metalでも定番ですが、まさしくそんな感じです。Voが雄大にメロディを歌っているので、そこまでスピードがあるように感じませんが、なかなかカッコイイです。まあ、スタートとしてはまずまずの出来と言って良いでしょう。

3曲目『小夜曲~悲愴~』。こちらも疾走感のある楽曲ですね。メロディもしっかりしていますし、間奏やバックで弾いているギターソロがなかなかカッコイイです。”Jon Lord”のような(言いすぎかな)キーボードソロも短いですが、悪くないです。結構好きです。

4曲目は『花咲く命ある限り』。シングルカットされただけあって、最初から各楽器のソロがあって、激しいドラムを中心に疾走していきます。良質なボーカルメロディが聴け、なかなかの佳曲ですね。歌詞もなかなかの世界観です。間奏のキーボードソロ、ギターソロがなかなか良いです。構成的には”Helloween”の『Eagle Fly Free』を参考にしているような気もします。ま、アルバムの最初のハイライトと言って良いのではないですかね。

そして『ピーターパン症候群』。疾走感のある感じで始まりますが、シャッフルのような変則リズムでメロディアスなボーカルが乗ってくる少し風変わりな曲ですね。少し"MALICE MIZER"を思い出すような感じですね。「大人になんかなりたくない」という歌詞がやたら印象に残るのは別として・・・。ここでもギターはフラッシーに弾きまくってます。

6曲目は『promise』です。メロディアスなギターコードからスタートし、曲全体をメロディアスなギターが支配している感じです。メロディが効いていて、これも佳曲ですね。

7曲目『ハックルベリーの恋』。唐突にカントリーのような曲です。おふざけ? でもメロディがなかなか秀逸で結構好きです。疾走感のある楽曲が続いたので、小休止って感じでしょうか。それにしても楽曲の振り幅がちょっと凄すぎますね。似たような感じですと、”TNT”の『Ordinary Lover』とか『Easy Street』みたいな感じと言えば分かる人は分かるかな?

そしてバラードナンバー『eternal wish~届かぬ君へ~』。メロディアスなギターが心地よいです。Voはやっぱり上手いですね。河村隆一を少し思い出すところもありますが、彼よりもストレートな歌唱であり、存在感もたっぷり感じられ、凄いですね。間奏のギターソロも美味しいです。

『Holy mission』。これは個人的に本作のベストですね。これを何故1曲目に持ってこなかったのかと思うくらいのキラーチューンです。アニメの主題歌のようにメロメロで疾走感も十分でVoも高い表現力をキープしつつも、伸びがあって、艶があって素晴らしいです。これは何度聴いても痺れるし、個人的には”Earthshaker”の『More』や”Loudness”の『Soldier Of Fortune』、”X-Japan”の『Silent Jealousy』なんかの大名曲と肩を並べるJapanese Metalの傑作として認定しています。

10曲目『吟遊詩の涙 』です。適度な疾走感と重さのある楽曲です。こちらも悪くないです。Liveなんかでは盛り上がりそうですね。

ラストはバラード『僕と「僕」』です。ラストに相応しく、”YUKI”がしっとりと歌い上げます。アルバム収録曲のフレーズを一部入れていたり、小技のセンスも良いですね。素晴らしいエンディングだと思います。

残念なことに天才メインソングライターであり、リーダーの”華月”が19歳の若さで急逝。

死因は鎮痛剤の大量摂取によるものということですが、正直、”華月”は”高崎晃”や”YOSHIKI”を越え、Japanese Metalの史上最高のスターになっていたかもしれませんので悔やんでも悔やみきれません。日本の音楽界にとって、あまりに大きな損失だったと思います。

僕もあまりのことで、驚きましたが、熱心なファンの方は想像しがたいほどの悲痛な想いをされたと思います。

そしてバンドは活動休止となりますが、2012年に復活ライブを行い、シングルもリリース。実質的に”華月”の死で”Raphael”自体は終焉を迎えているのでしょうが、Voの”YUKI”をはじめ、才能のある方達なので頑張って欲しいですね。

正直、ビジュアル系ということで敬遠されているHM/HRファンは絶対に本作は聴いた方が良いです。少なくても超名曲『Holy Mission』は一度試して欲しいですね。「Japaniese Metal」屈指の名曲と断言しますよ!

P.S.カテゴリーは「HM/HRの名盤」しようかなとも思ったのですが、HM/HRの枠をはみ出している部分も多々見受けられるので、「J-Popの名盤」とさせて頂きました。

mind soap
Raphael
フォーライフ ミュージックエンタテイメント
1999-12-01

【名盤】 Red Warriors Red Songs

今回はアルバムレビューです。”Red Warriors”の1989年発表のBest Album「Red Songs」を紹介したいと思います。

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”REBECCA”のレビューを書き、居ても立ってもいられず、”Red Warriors”のレビューを書くことにしました。個人的には人生において、非常に重要なバンドの一つです。彼らとの出会いは勿論、”REBECCA”でのいろんな出来事からです。当初、”REBECCA”を脱退した”木暮武彦”は”REBECCA”への対抗心をむき出しにしていました。最初につけたバンド名はなんと”レベッカ♂”(笑)。さすがにデビュー時には”Red Warriors”に改名しますが、このバンド名もレコードショップで常に”REBECCA”と近くに並べられるからと・・・いう理由があるそうで、ちょっと悪質なストーカーみたいでした。

でも音楽性は全然違うんですよね。いわゆるRock'n Rollの王道というんでしょうか、”The Rolling Stones”、”Mott the Hoople”などに多大な影響を受けた、当時の日本ではなかなか聴くことの出来ない本格的なロックを聴かせるバンドでした。個人的にはデビューアルバム「LESSON 1」を聴いたときは「なんだストーンズの物まねか?」とちょっと印象が良くなかったんですよね。掌返ししたのが2nd Album「CASINO DRIVE」ですね。キレキレで重厚感たっぷりの『MONKEY DANCIN'』、悲しげで憂いのあるバラード『MORNING AFTER』、王道ロックで凄まじいタイトルトラック『CASINO DRIVE』、そしてJ-ROCK史上に残る大名曲『WINE&ROSES(バラとワイン)』と捨て曲なしで、”REBECCA”の初期ともまるで違う、名盤に痺れまくった記憶があります。

そして、名作「KING'S」、Live Albumを挟み、実質的なラストアルバムで実験的要素が強い反面、ヒットシングル満載で半ベスト的な「Swingin' Daze」でバンドは終焉を迎えます。その後、何度か再結成を行い、アルバムをリリースしたりもしますが、個人的には1986年~1989年までのガムシャラに”木暮武彦”が自分のやりたい音楽を追究し、後半はヒット曲も狙い、トップバンドへ階段を駆け上がった4年間は非常に濃密な期間であり、この時期をリアルタイムで過ごせたのは幸せでした。

本来は反則なのですが、彼らの素晴らしい楽曲を紹介するために敢えて、1989年にBest Albumとして当時デジパックでリリースされた「Red Songs」を紹介することにしました。

ではレビュー行きましょう。

【DISC1】
01.WILD CHERRY
02.CASINO DRIVE
03.DANCE MACABRE
04.I AM THE WALRUS
05.KING'S ROCK'N' ROLL  
06.FOOLISH GAMBLER  
07.BAD LUCK BOOGIE  
08.MONKEY DANCIN'  
09.90'S REVOLUTION  
10.SHOCK ME -Live-
11.ROYAL STRAIGHT FLUSH R & R  
12.OH, MY GOD 

1曲目はLiveの定番曲『WILD CHERRY』です。スピーディーなロックナンバーでオープニングには最高です。”DIAMOND☆YUKAI”のスケール感のあるVoはこのデビュー作収録曲でも何も変わっていません。

2曲目は先述した2nd Albumのタイトルトラックで伝統的なロックチューン『CASINO DRIVE』です。何回聴いてもカッコイイですね。J-ROCKのスタンダードナンバーと言っても過言ではないでしょう。

3曲目は実験的な『DANCE MACABRE』。変わった楽曲でなかなか面白い構成ですが、メロディはジワジワ効いてきますね。

そして”The Beatles”のカバー『I AM THE WALRUS』。シングルのB面収録曲だったかな。アレンジはなかなか秀逸ですが、強力なオリジナルと比べると落ちるかな。

そして、王道ロックの『KING'S ROCK'N' ROLL』。”DIAMOND☆YUKAI”のVoとシャケのギターが凄い迫力です。

6曲目はスピーディーなロックナンバー『FOOLISH GAMBLER』。曲も勿論カッコイイですが、”DIAMOND☆YUKAI”の作詞能力が際立っている気がします。”Red Warriors”は基本的に作詞・作曲いずれもシャケが手掛けることが多いのですが、後期はユカイの作詞も増えます。

7曲目は1st Album収録の『BAD LUCK BOOGIE』。なんでこの曲?と思いましたが、秀逸なブルーズロックですね。悪くないです。

そしてライブでもっともプレイされたと言われる名曲『MONKEY DANCIN'』。こんなのフェスとかでやったら、盛り上がり必至だと思います。凄い曲ですよ。

9曲目は「Swingin' Daze」収録の『90'S REVOLUTION』。ストレートですが、クセのある曲です。そんなに好きではないかな。

10曲目、Red'sの代表曲であり、Liveでも盛り上がる『SHOCK ME -Live-』はLive Versionでの収録です。この曲もJ-ROCKのスタンダードナンバーと言って良いと思います。

11曲目はシングルカットもされた『ROYAL STRAIGHT FLUSH R & R』。この曲はRed'sの楽曲の中でも三本の指に入る好きな楽曲です。曲自体はストレートなロックナンバーですが、Voメロディが秀逸で一旦エンドを迎えるような流れから、再度演奏に戻る部分は何度聴いてもカッコイイですね。YUKAIの詞も最高です。Video Clipも良い出来でしたね。

Disc1のラストは未発表曲の『OH, MY GOD』。ストレートでブルージーなナンバーですが、アウトトラックとは思えない出来ですが、本アルバムの中では落ちるかな。

【DISC2】

01.WINE & ROSES #2 -Club Version-  
02.SUNDAY SUNSHINE  
03.JOHN
04.BIRTHDAY SONG -Another Tape-  
05.MORNING AFTER  
06.ルシアン・ヒルの上で
07.OUTSIDER
08.PARTY IS OVER  
09.SISTER
10.GOLDEN DAYS
11.ANOTHER DAY, ANOTHER TIME  
12.LADY BLUE -Completed Take-

DISC1はどちらかというとロックナンバーが主体でしたが、DISC2はメロウなナンバーが中心です。

最初は先述した日本の音楽史に残る大名曲『バラとワイン』です。本バージョンはメンバーで酒を飲みながら、レコーディングしたという逸話があるのですが、良いケミストリーが生まれていると思います。素晴らしいメロディに、素晴らしいボーカル、素晴らしい演奏、ホーンのアレンジも見事ですね。本当に凄い曲なので、絶対聴いて欲しいですね。

2曲目は『SUNDAY SUNSHINE』。後期のヒットを狙いに行ったキャッチーな曲ですね。彼らの楽曲としてはまあまあの出来かな。

3曲目は2nd Album収録の『JOHN』。アコースティックで爽やかなムードもあるロック曲です。YUKAIの歌詞もなかなかでこれも名曲だな。

そして、1st Album収録の唯一のバラードナンバー『BIRTHDAY SONG -Another Tape-』。シングルB面に収録されたバージョンですね。よりスピードが落ち、YUKAIのしっとりしたVoが楽しめる名曲です。

5曲目は先述した『MORNING AFTER』。『JOHN』に近いですが、爽やかというよりはやや暗めのバラードの名曲ですね。

そして『ルシアン・ヒルの上で』。こちらはシングルのみのリリースの彼らにしては比較的ストレートなロックナンバーなんですが、疾走感があって、なかなかの楽曲です。

7曲目は6曲目と同系統のストレートなロックナンバー『OUTSIDER』。メンバーはストレートすぎて、当初好きじゃなかったらしいですが、いやあ十分良いですし、アルバムのアクセントにもなってますね。

続くは3rd Album収録の名バラード『PARTY IS OVER』。暗いんですけど、メロディが良質なので、好きな曲です。そりゃあRed'sの数あるバラードの中では見劣りするかもしれませんが、僕は大好きですよ。

『SISTER』。これも独特のうねりがある、やや風変わりな楽曲です。でもメロディも良くて、なかなかの佳曲ですよ。

10曲目は4th収録の『GOLDEN DAYS』。これもバラードですね。バンドの終焉を現したような楽曲ですね。悪くないですが、もう少しメロディが充実していればな・・・って思います。

11曲目はこれも名曲ですね。『ANOTHER DAY, ANOTHER TIME』。ミドルテンポでメロメロで美しく、格好良い素晴らしい楽曲ですね。個人的には大好きなんですけどね。

ラストはRed's最強のバラード『LADY BLUE -Completed Take-』でエンディングです。これはRed'sにとっての音楽的な意味での頂点とも言える楽曲ですね。相性の問題もあるかと思いますが、YUKAIの表現力が楽曲に追いついていないのが残念ですが、Complete Takeと名乗るに十分なバックトラックのクオリティです。彼らの生み出した凄い楽曲のひとつだと思います。

日本中を大席巻したバンドブームの主役は勿論、”BOΦWY”、”Princess Princess”、”THE BLUE HEART”ですが、長年頂点に君臨した”BOΦWY”を引きずり下ろしたのは間違いなく、”Red Warriors”でした。

J-ROCK史上、最強で最高のバンド”Red Warriors”を是非聴いて下さい。シャケ、YUKAIの今後の音楽活動にも期待してますよ。僕は一生、待ってますよ!

レッド・ソングス ~ベスト・ソングス・コレクション
レッド・ウォーリアーズ
日本コロムビア
1995-06-21

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